6/9東京医科歯科大学で行われた「がんの基礎講座」
がんは遺伝子の異常で起こる
-がん遺伝子とがん抑制遺伝子-
の内容の続きを書きます。
今回は、「がん抑制遺伝子」について書きます。
無い頭で考えて書きましたが、
細胞学の知識が無い難しいかもしれません。
当然、私にはその知識はありません、悪しからず。
がん抑制遺伝子には、
RB 網膜芽細胞腫
P53 脳腫瘍、白血病、肉腫、その他多数
APC 大腸がん
WT ウイルムス腫瘍
VHL 腎がん
PTEN 膠芽細胞腫、その他
BRCA1,2 乳がん
Smad4 肺がん、大腸がんなど
MTS1(p16) メラノーマ
TSLC1/CADM1 肺がん
等がある。
がん抑制遺伝子が旨く機能しなくなるには、
2ヒット(2回)の異常が起きるとがん化する。
これによって「正常タンパクの完全欠落」が起き、がん化 する。
図1を参照
一つの細胞は、「核」とその周りを「細胞質」が包んでいる。
その中に、図2のように「がん抑制遺伝子」が存在して
それぞれの仕事を行っている。
細胞分裂周期
細胞分裂(M期)→ リン酸化(G1期) → DNA合成(S期)
→ G2期 → 細胞分裂(M期) →・・・・・
この課程でRBタンパクはG1期でリン酸化され、
増殖の調整にあたる。
がん抑制遺伝子の王様と言われるP53は、図3のように
細胞分裂時異常があった場合、
すなわち、G1期からS期に細胞に異常があると
細胞周期を止めて修復を行う。
修復できないと判断したら、
アポトーシス(当該細胞の自殺)を促す。
P53に変異がある場合は、図3の下のようにがん化 する。
図3 P53の働き
P53が何故「がん抑制遺伝子の王様」と言われるのか、
その理由は、多くのがんで高頻度異常が見られるからである。
臓器 頻度(%)
卵巣がん 50
食道がん 48
大腸がん 45
頭頸部がん 42
膵臓がん 40
肺がん 38
膵臓がんは、がん遺伝子 K-RAS 90%
がん抑制遺伝子 P53 40%
「他のがん種に比べ、これだけはっきりした特徴があるのに
なんで良い薬が出来ないのか?」と思うのは私だけ?
次回は、「DNA修復遺伝子」について書きます。
ここで使用しました図は、
湯浅先生が作られたものを引用させていただきました。
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