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太田 俊夫 粉飾企業殺人事件

株式会社トウケンの社長・伊村耕造は、その朝、富士山麓の土地開発の打ち合わせのため、中央高速道路を通り、甲府に向かっていた。トウケンは、旧社名を東洋絹布株式会社と称し、繊維会社して創設された。岳父である先代社長からバトンタッチをうけた伊村は、大阪五綿から発達した総合商社を模倣し、トウケンをみごと総合商社に脱皮発展させることに成功していた。いま彼は「伊村天皇」と社内で畏敬されるワンマン社長だった。車が大月市を過ぎたとき、伊村は、突然、運転手に河口湖に向かうように命じた。予定外のコースである。

太田 俊夫 整理屋集団

郷田英策は巽商事の企画部電算室で働く有能なビジネスマン。父・一策の経営する会社の倒産劇を目のあたりにみて一念発起。パソコン時代を迎えて、巽商事からスピンアウトし、優れた頭脳を集めてソフトウェア会社「スペースA」を創設する。ハード部門への進出をも目論む英策はベンチャー事業の旗手として"情報維新の坂本龍馬"と異名をとる存在となった。そんな英策の前に高校時代の喧嘩相手・木津正元が現れた。木津の仕事は倒産会社に食らいつき、ハイエナの如く資産を掠め取る「整理屋」。英策の父もかつて木津の手にかかって倒産の苦汁を舐めた。その父が、宿敵・板鼻仙造の甘言に乗って、下請け会社の社長を引き受ける。だが、忽ちピンチを迎え・・・。

太田 俊夫 背徳の牙城

社員三十人のサッシメーカー「扶桑」は社長吹田捨造の経営手腕と折からのサッシブームによって数年のうちに社員六千人の大企業へとのしあがっていった。新築された社屋は"白い舘"と呼ばれ、世間の注目を浴びる。専務に元高級官僚を迎え、政官界に金をばらまき、「扶桑」の牙城は不動かと思われたが、この"白い舘"は、いつしか背徳者たちの巣窟となり、さまざまな不正が行われる・・・。


太田 俊夫 暗号は女の匂い

京都・高野川で若い女性の水死体があがった。検死の結果、祇園のホステス・石田彩子、他殺と判明。捜査にあたった北警部補は、彩子の自宅で、四数字が暗号のように並んだ奇妙な書類を発見する。容疑者として、愛人の平京大教授・朝生重孝が浮かび、専攻の化学繊維技術の情報を国外へ流すための暗号でないかと尋問をうける。書類送検され、失意のうちに自殺を遂げる朝生。一方、殺人犯を追う北は、父の無実を晴らすため留学先のチェコスロバキヤから帰国した杳子の協力を得て、暗号の謎に挑む。

太田 俊夫 使途不明金

東京国税局調査官の椎名悦男は、提出された申告書を一瞥したとたんその表情を変えた! それは税吏特有のカンだった。彼は調査を開始した。脱税は明白だったが、調査中止を命令された。僚友・赤嶺調査官もまた押収した証拠書類を積んだクルマに運転手ごと蒸発されて同じく調査の中止を命令されていた。この世界で上司に背くことは不可能だった。だが、憤懣やるかたない二人は個人的に協力してこの事件の摘発へと強い決意に燃えた。この二つの事件の背後に巨大商社の巧みに仕組まれた脱税のカラクリが浮かび上がった。巨大企業の暗渠によどむその巨額の"使途不明金"の流れて行く先ははたしてどこか!?


太田 俊夫 流星企業

「カメラは精密すぎる必要はない」という信念を持つヤックカメラ社長の神門一成は、業界の名門・ダイワがハネた不良部品を下請けから集め、ダイワカメラのコピー製品を造って半値で売り出し、大成功する。徹底した宣伝政策と対米輸出の重要性にいち早く目をつけ、会社を急成長させた彼も、専属モデルの八雲宍子に夢中になり、工場長である弟・琢次が麻薬中毒にかかっているのも気がつかない。その事情を察知した、大商社オウメンが黒い触手を伸ばし始めた・・・。


太田 忠司 レストア(オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿)

鋼は、心の痛みを抱えながら、愛犬・ステラとともにひっそりとオルゴールを修復する日々を送っていた―ある女性と出会うまでは。彼女・飯村睦月が持ち込んだオルゴールからは、彼女の父親が聴いていたのとはまったく違う曲が流れるというのだが…。持ち主の想いが込められたオルゴールとともに持ち込まれる奇妙な“謎”。そして鋼を苦しめる“過去”には一体なにが?鋼と睦月を待つ運命は―。アンティークオルゴールの音色のように、哀しくて優しい物語

太田 忠司 予告探偵(西郷家の謎)

大戦の傷跡をまだ深く残しつつも、人々が希望を胸に復興をとげてゆく時代―一九五〇年の十二月。それは三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便箋に書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。その意味する「謎」とは?壮麗な旧家の屋敷を舞台に繰り広げられるおぞましき人間関係、次々と起こる奇怪な事件。はたして犯人の正体は?そして、その目的は一体何なのか…!?本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作。

太田 忠司 3LDK要塞 山崎家

木造2階建て、ローンあと20年の建て売り住宅に住む、小学5年生の山崎滋は何不自由のない平穏な生活を送っていた。スーパーで買物中に「家族の幸せ」の貴さにうたれ号泣したり、滋を公園に連れ出し、むりやりキャッチボールをさせようとする「普通の家族」コンプレックスの父、兼智の風変わりな行動を除いては―。しかしそんな日々も、ハイヒールの美女、クミコ・エリス・ハスター率いる戦車隊が、山崎家をつけねらいはじめて一変する―。本格推理あり、アクションありの戦車隊と山崎家の攻防から明るみになる家族の秘密と価値。

太田 忠司 囁く百合

―百合の香りに、誘われてきたんだね。そう、これは山百合。花言葉は、荘厳―。十年前、連続幼児殺人事件の容疑者に捕らわれながら、寸前で助け出された皆瀬早紀は、中学生になっていた。幼き日の記憶。しかしなぜか早紀には、捕らわれたことよりも助け出されたことの方が忌まわしい記憶として残されていた。そんな時、十年前の連続殺人事件と同様の殺人事件が発生する。過去の容疑者・蘇我憂水が舞い戻ったのだろうか!?早紀はいつしか通うようになっていた花屋“レンテンローズ”で、己の記憶と向きあうことになるが…。彼女の見つめる先にあるものとは―。五弁の花咲くレンテンローズより紡がれる。