太田 忠司 月読
月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。ふたりが出会ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。
太田 忠司 狩野俊介の記念日
イブの夜、九時、思い出の場所で待つ。堯子―老人の元に届いた電報は、五年前に死んだはずの妻からのものだった。誰がそんなことをしたのか。単なる嫌がらせとも思えない。しかも彼には文面が告げる思い出の場所について、まったく見当がつかないのだった。石神探偵事務所を訪れた老人の依頼を受けた狩野俊介は、そこで誰かが待っているはずだ、と推理する…本当に大切なものとは何か、それに気づいたとき四つの事件の鍵は開く。大人がいつのまにか失ってしまった“心の忘れ物”を描く心温まる連作ミステリー集。
太田 忠司 藍の悲劇
探偵霞田志郎が見合い!?――天才的推理で知られる"男爵"こと桐原が美貌の藍染作家・志賀織香(しがおりか)を霞田に紹介した。その矢先、彼女の師に当たる東藤(とうどう)が工房で毒殺。死体はなぜか頭部を藍甕(あいがめ)に突っ込んでいた。霞田は事件解決に挑むが、第二の殺人が! 藍染教室の生徒だった人妻の杉子が絞殺されたのだ。しかも死体の顔を青く塗られて…。奇妙な殺人現場の謎を追う志郎の行く手には不気味な桐原の影が。華やかな伝統工芸界の暗部が浮かび上がったとき、犯人の魔手は織香へ伸びていた…。
太田 忠司 大怪樹
「これは自分と世界との戦いなのだ」。 イカロスと名乗る若者は、マッド・サイエンティストの力を借り、新宿の 街を覆い尽くさんばかりの巨木――ユグドラシルを生んだ。 人を殺し栄養分とするユグドラシルを、現代科学の黄昏と世界再生の象徴とする彼らに"宿少"のメンバーはどう対峙する!?
太田 忠司 追憶の猫
藤森涼子の勤める一宮探偵事務所では、所長の入院をきっかけに、所長代理の高見が経営方針の転換を図っていた。互いに意見の合わない涼子と高見は衝突を繰り返す。そんな折、涼子はある事件を通じて知り合った男と久ぶりに再会し、ふたりは親密になっていく。探偵をつづけるのか、別の道を歩むのか。悩む涼子のもとに、また調査の依頼がやってきて・・・・・・。
太田 忠司 笑う月
人は誰しもその心に闇を住まわせる。そしてまた一人、暗い闇を育てる者が――。中学二年生の久世伸弥は、夢を見た。巨大な笑う月と大きな鎌を持った人影に追いかけられる奇妙な夢。友人だけでなく、己さえも偽りながら日常を送る伸弥にとって、その夢はなぜか心をかき乱すものだった。そんな伸弥が、ふと目にとめた<レンテンローズ>という花屋を訪れた時、彼の運命の歯車が音もなく動き出した!伸弥の周りで連続する事件。追いつめられた彼の前に現れるのは真実なのか、それとも!?
太田 忠司 久遠堂事件
父の行方を捜してほしい、石神探偵事務所に現れた中井田は切り出した。依頼人の父は一代で財閥にまで成長させた会社経営を親族に譲った後、西牧村に移り住み仏像彫刻を始める。二年前、莫大な資金を投じて巨大な釈迦涅槃像を作った直後、謎の失踪を遂げたのだ。探偵・野上栄太郎と助手の狩野俊介は事件を洗い直すため現地へ赴く。涅槃像は内部が刳り貫かれ、お堂と宿坊が造られていた。完成披露で集まった中井田家の親族と同宿した晩、惨劇が起きた。次々と襲われる親族たち。野上は犯人を目撃するが、その姿は・・・!
太田 忠司 まぼろし曲馬団の逆襲
"世界を我が物にせん"と、この世を統べる"理"を動かそうとするマッド・サイエンティストたち。前回、破ったはずの"まぼろし曲馬団"が、さらにグレードアップしたゲルマ19号を団長に、異時空結合装置を操って、空間の裂け目から続々と新宿に来襲!
太田 忠司 Jの少女たち
やおい――やまなし、おちなし、いみなし の略だといわれる。 少年と少年との耽美な物語、あるいはそれを愛する少女たちのことをいう。 そんな少女の一人が自ら死を選んだ。その死は、少年の失踪と誘拐事件を引き起こし、元警察官・阿南を若者たちのないめんへと導くことになった。
太田 忠司 ルンテンローズ
誰もが心の中に、人に言えない闇を抱えている。なぜ人は、自分を偽り、暗い想いを育ててしまうのだろうか――。うわべだけの友人関係を作り孤独を愛する中学生・香織里。彼女の運命は、見慣れぬ花屋<レンテンローズ>に足を踏み入れた時から変わり始める。運命に翻弄され、心の迷路に入り込む香織里。だが真実を掴みかけたとき、目の前に闇の存在アカンサスが現れ、彼女の内に巣くう影を浮かび上がらせる。アカンサスの目的とは? そして、香織里の心の行方は?