棄てた恋と棄てられた恋 #12 | 五月雨ゆか

五月雨ゆか

稚拙な文章ですが趣味で小説書いています。内容はすべてフィクションです。


















「ただいま~」



「ここ鑑識課やけどな」



「コーヒーブレイクしましょう!あれ?莉奈寝てます?」



ソファで莉奈が爆睡していた。



「あぁ、寝かせといたげて。今日は疲れてるはずやから」



「何かあったんですか?」



「色々ね」



と菜緒は机の上に置かれたホチキス留めされた数枚の紙を手に取った。



「でも犯人は影山じゃないですか?大して好きじゃなかったけどとりあえず告白されたから付き合った。被害者はその気だったし。でもだんだん鬱陶しくなってきて面倒になってきたからあそこに呼び出してそこから突き落とした」



「別れてって言ったらよかったやん」



「言っても別れないような対応だったんですよきっと。ぞっこんってやつですか?もしくは言ったけど別れてくれなかったから殺したんですよ」



「おぉ~すみれ言うね~」



「これで決まりです!」



「私のとはちゃうな~」



「なに見てるの?」



「莉奈に色々調べてもらったんよ」



「なんか分かった?」



「う~ん…あぁ、やっぱりそうやんな」



「なになに?」



「卒アルの寄せ書きのとこ、やっぱり3人で書いてるわ。森本さんがお幸せにって書いてほか名前はそれぞれ自分のを書いてるみたい。やっぱりそういう関係ってことね」



「まあまあ凸凹コンビでそれはそれでお似合いやん」



「確かに山口さん背低かったですもんね」



「被害者の髙橋さん170あったしなかなかのでこぼこコンビやけど」



「あと付き合ってた影山さん、アリバイはちゃんとしてるってさ」



「そうなん?」



「ついでに莉奈に大学に聞き込み行ってもらったんやけどちゃんとアリバイあるみたい」



「そっか…違うのか」



「なんかトリックあるかもしれないですよ」



「そんな西村京太郎先生じゃあるまいし」



「そこは松本清張では…」



「でも、これなら犯人分かったかもね」



「え!本当ですか!?」



「たぶんね」