姉妹の絆 #1 | 五月雨ゆか

五月雨ゆか

稚拙な文章ですが趣味で小説書いています。内容はすべてフィクションです。



注意

この小説には自傷行為、いわゆるリストカットのシーンがあります。
苦手な方は閲覧注意です。ブラウザバック推奨します。




































「あ、よかった。生きてる」


カッターの刃を当てた手首からうっすら血が滲んでいるのを見て茉莉は安心した。


時刻は夜中3時半過ぎ。


昨日はライブがあって今日は全員が仕事休み。


明日はみんなで観光を楽しむ予定になっている。


実は昨日のライブで茉莉はミスをした。


ミス自体は小さいものだったのだがミスをしたという気持ちは大きかった。


メンバーみんなが慰めてくれたけどやっぱりすごく大きなもやもやが残った。


だからこうやって自分が生きている意味というか自分が生きていることを実感する。というか実感したいからやっている。


今回のホテルは3期生4人の相部屋。


さすがにこの時間起きてるのは私だけ。


ひなのちゃんはホテルに帰ってきてものの10分しないうちに寝ちゃった。


もう1回だけと思ってまた刃を手首に当てる。


痛みは少しあるけど前よりも早く血が出てくる。


このときが一番生きているんだって、生きてて良いんだって実感する。


もう1回だけ、もう1回だけと思いながら気づけば何回もやってしまっている。


あと1回で今日はおしまい!そう思ってまた刃を当てようとしたときだった。


カチッ



突然部屋の照明がついた。


「えっ…」


「何してるの?」


気づかない間に陽世が起きていた


照明のスイッチをいれたのも陽世だ。


「え、い、いや、別になんでもないよ」


「血出てるじゃん。なんでもないことないでしょ」


「…」


急いで手を隠したが陽世の方が早かった。


私の手をつかむと手のひらを上に向け、手首にある傷をじっと見てきた。


「茉莉ちゃんがやったの?」


「…うん…」


「右手は…?あれ?左だけ?」


「右利きだから左手は簡単なんだけど…」


理由にもなってない理由をとりあえず伝える。


「そっか…未来虹ちゃん、起きて」


突然陽世が未来虹を起こし始める。


「ん…なに?」


「いいからちょっと起きて。茉莉ちゃん監視してて」


「は~い」


そういうと陽世は部屋から出ていった。


「何かあったの?」


「いや~特には」


とりあえずその場を凌いだ。


まあでもはるちゃんが何をするのか分からないけど結局はばれちゃうんだろうなぁ…