恋愛の意味 #4 | 五月雨ゆか

五月雨ゆか

稚拙な文章ですが趣味で小説書いています。内容はすべてフィクションです。



数分後


ブルプルプルプル プルプルプルプル


「美玖?」


「菜緒?」


「うん、どうしたの急に」


「美玖のことしゅき?」


「えっ?」


「今日愛萌とキスしてた。愛萌が好きなんでしょ」


「えっ?キス…してないよ…」


「嘘だ、私見たもん。収録終わったあと廊下でしてたの見たもん」


「えっえっ、してないしてない。髪にゴミついてたから取ってもらったけどキスはしてないよ」


「ほんと?」


「ほんまやって。菜緒の初めては美玖のもんやでって前も言ったやん」


「ほんとに信じていい」


「もちろん」


電話を切ると今までの落ち込みが嘘のように美玖は元気になった。


「良かったね美玖」


「丹生ちゃん、陽菜ありがとう」


「どういたしまして?」


「じゃあ美玖の機嫌も治ったことだし、みんなでゲームでもする?」


「いいね!」


「桃鉄やろ~!」


「さんせー!」



こさかな宅

「さっきの電話、美玖から?」


「うん、愛萌とキスしたやろって」


「誰がそんな噂を」


「たぶん収録終わりに一緒にトイレいったあとに、髪についたゴミ取ってくれたやん?あれが遠目にはキスしてるように見えたんやと思う」


「なるほど、納得」


「ああ見えて美玖は嫉妬深いからね~」


「私も嫉妬深いよ」


「あなたは嫉妬を煽る方でしょ」


「まあね~。そうだ!せっかくだし噂から事実に格上げしちゃう?」


「さすがにそれは今はやめとこ。だいぶん美玖が落ち込んでたって丹生ちゃんからLINE来てたし」


「じゃあまた今度にお預けってことね」


「そうだね」


「だけど…」



そして菜緒の耳元でこう囁いた
「菜緒の初めては私がもらうからね」