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コイン好みAtoZ

マイナーコイン好きなコレクターです。
いろんなコインを紹介します。
アルファベット順に目指せZまで。

 仕事も辞めコインの収集歴も50年を越え、広げすぎて収拾のつかない状況の中で少しずつ整理を始めています。

子供のころ周りが切手収集に夢中になる中、たまたま家にあった古銭が縁で一人コインの世界にのめり込み、一生付き合う趣味となった事は不思議なものです。

最初は当時定番の記念コイン、現行コインの年号別集めから、日本の古銭、海外コインへと興味が変化してきましたが、金属地金の上昇と元手以下にはならない点で下落の激しい切手に手を出さなかったのは先見の目があったのかもしれませんが?

 今回は今まで紹介した手持品の中で、『これぞ自分好みのマイナーなコイン』を載せてみたいと思います。

趣味志向がはっきりするマイナーコイン12枚をリストアップしてみましたが、なかなか選べないものですね。

12枚+シンプルデザインの2枚をピックアップしてみました。

この世界では知られたコインが多いとは思いますがご覧ください。

① ブータン 1パイサ青銅貨 

柄それぞれに意味が込められたおはじきの様なデザインが唯一無二の好みの一品。

② オーストリア 1/2シリング銀貨1925年 

戦間期に作られた何とも不思議な感覚を覚えるデザインは好みです。

③ ダンチヒ1/2ギルデン銀貨1923年 

ダンチヒのコインは全て好みですが、個人的に簡素ながら躍動感ある波上の帆船が一番!

モンバサ 1ルピー銀貨 1888年

王冠と太陽の紋章が他になく印象的で、天秤デザインも秀逸で好み。

⑤ ギリシャ20ドラクマ銀貨 1930年

古代風のデザインが多く悩みどころですがフクロウ、ペガサスも良いけどポセイドンが好み。

⑥ 北イエメン銅貨1373(1954)年 

戦後の製造と思えない造りの趣と危険な異国感がそそられる国のコインは好みです。

⑦ グアテマラ1/4リアル銀貨1898年

火山と日照のシンプルさが際立つ11mmミニコインは好みです。

⑧ マダガスカル20フランアルミ青銅貨1953年 

フランス領コインはどれも秀逸ですが、島の地図と産物が融合したデザインは一番の好みです。

 

 

⑨ フランス25サンチームニッケル貨 1915年

穴コインとして手抜きなくバランスよくデザインが入れ込まれていて好みの一品。

⑩ セイロン2スタイバー銅貨 1815年

好みの象デザイン中で最も勇猛な姿で、ジョージ3世の肖像にマッチしています。

 

⑪ デンマーク領西インド諸島20セント銀貨 帆船 1878年/⑫ 20セント銀貨3裸婦像 1905年

カリブ海の小島に優れたデザインのコインを作ったデンマークは凄い。この2枚は外せない品。

⑬ スウェーデン50オーレ銀貨/⑭ 西ドイツ5ドイツマルク銀貨

シンプルデザイン。文字が無く何も邪魔されない単一図柄は好みで沢山並べたい品。

他、候補にしたコインを写真だけ載せておきます。

 

 

 

 世界のコインの中でも、丸くないコインを発行している国が多くあります。

正多角形、先丸多角形、波型のコインと多種多様ですが、ここでまとめてみたいと思います。

歴史的に見ると、秤量貨幣以外で不定形を含め四角形のコインは作りやすい事からかギリシャ時代から存在し、特にインド方面等では数多くのコインが作られています。

日本では丸い穴銭の他は江戸時代の鎖国中に独自の小判型、長方形の定位貨幣を発行しましたが、他にほぼ例が無い特殊な形でした。

近代コインでは20世紀以降の穴あきコイン同様、補助貨幣のサイズスケール縮小により、他の額面との差別化が目的で使われ始め、次第に増加してきました。

波型コインは12波の1906年英領インド1アンナ白銅貨が最初で、イギリス領や関係国で普及し、偶数の波があるものが製作されてきました。

多角形コインはイギリスが実質的元祖と思われ、奇数の角をもつものも地位を得て種類は増加傾向です。各形状別に紹介してみます。

☆3角形

クック諸島2ドル白銅貨を1987年に採用。通常貨では唯一の仕様。

☆4角形

WikipediaによればKlippe(独語で障害の意味)と呼ばれる緊急通貨として作りやすい正方形のコインは、オーストリアのウィーンで1529年作られたのが元であるとありますが、不定形の四角いコインは古代より存在します。近代では、  先丸の四角形で1909年セイロン5セント白銅貨が最初でしょう。(大型銅貨の5セントコインの改鋳)

☆5角形

流通貨として1948〜61年の(北)イエメンの少額銀貨2種のみ。

☆6角形

Klippeとして旧ハンガリー領トランシルバニア(現ルーマニア領)等で製造歴があり、1920年前後にフランス系緊急トークンが多数ある他、第二次大戦下ベルギー領コンゴエジプトの異彩なコインが作られました。あとは先丸のインド、ビルマだけと少ないようです。

☆7角形

1969年イギリス50ペンス白銅貨が最初で英連邦他各国が採用、多角形コインブームの火付け役

丸みのある形で使い易く普及、9角形,11角形はこれの派生型と思われます。高額面が多い。

子供のころ初めて手にした際は奇数多角形の斬新さに驚かされたものです。

☆8角形

Klippeとしてドイツ等、インド東北部アッサムの銀貨は17世紀末〜19世紀初めに多く製造。

近代では、1933年エジプト2.5ミリエム白銅貨が初で、戦後数か国での製造だけと少ない。

アメリカ、パナマパシフィック万博50ドル金貨は幻の一品。

☆9角形

通常貨は1972年のタイ5バーツ白銅貨、ケニア、ツバル、フィリピンで数種のみ。

☆10角形

1959年イラクの1フィルスが最初で、10か国以上で採用。12角形に似ている。

☆11角形

1987年カナダ1ドル硬貨に採用。丸みがあって円形コインとはちょっと見ではわかりずらい。

インド、チェコ等で採用、他国と差別化の意義が大きい、

☆12角形

1937年銀貨切替えの為イギリス3ペンスニッケル黄銅貨で採用、形状は英連邦各国等に波及したこともあり、採用国及び種類は多い。

 

☆13角形

チェコ、チュニジアで採用

☆18角形☆20角形

フランス領グアドループ島のみ1903,1921年で発行の50サンチーム貨は18角形、1フラン貨は20角形で製造。

☆22角形

1904年フランス25サンチームニッケル貨を22角形で発行。ほとんど円形に近い。

他の硬貨と区別しギザ付けの代わりに角を付けたと思われるが、これのみ。

☆21角形

イエメンの2種のみ、ほとんど円形。

他に24,25角形コインと14,15.16,25角形のコレクター用コインも存在する。

☆6波形

ビルマ25ピヤの2種のみで他はない。

☆8波形

1918年のチベット7½ Skaコインが最初で1919年インド4アンナ白銅貨が続く。

チベットには4波型(花形)の2½ Skarもある。ただし入手難。

☆10波形

意外ですが採用されているのはこの2枚だけのようです。

☆12波形

最初に造られた形で、多くの国で採用されています。

☆14波形

エチオピア25セント通常貨で唯一の異色の品、波というより刻みを入れた感じです。

☆16波形

これもリビア50ディルハム3種とルワンダ2フランの1枚だけのようです。

☆18波形☆20波形☆22波形

ブラジルの1938年〜タイプ100,200,300,400レイスは、16,18,20,22波型で作られた。

波の数はほぼ数えられないし、どうして100刻みでこんなに額面種類が必要なのか不思議。

更に24角形の2000レイス硬貨までも存在する。

参考資料=オンラインカタログサイトNumistaでは、形状別に検索でき便利です。

日本ではごく当たり前に使用されてきた穴のあるコイン、少ないとはいえ多くの国で採用されており、ここにまとめて紹介してみたいと思います。

中国で生まれた穴銭の伝統、日本の貨幣史上途切れることなく穴のある貨幣が流通し続けて来ました。明治維新では穴なしの近代コインを製造開始しますが、寛永銭等は厘単位のコインとして使用され続け、1953年までは現行のコインとして通用しました。

日本における有穴硬貨の発行はそれからかなりたった大正6年(1917)年の5銭白銅貨の穴有に変更されてからで、それ以降ほぼ途切れることなく製造され続けて現在に至ります。

欧州では植民地向けのコインで使用されはじめ、本国使用でのコインは1901年ベルギーが最初のようです。

その後1914年フランスが採用したのをはじめ第一次大戦後ブームとなり広がりました。

イギリスでは、アフリカやオセアニア方面等の植民地に新規導入したコインに、本国ポンド体制と異なる穴のあるペニー硬貨を導入しています。

採用理由として、大型銅貨の差替えで発行した白銅貨と銀貨との判別の容易化が第一でしょうが、隣国コインとの混用防止、戦争時の軽量化、回収の目印としての利用もあったようです。

アメリカ大陸では一例(1883年ボリビアで銀貨との混同を防ぐ為に後で穴を空けた白銅貨)以外は皆無で、外国人に珍しがられる要因となっているようです。

各国が採用した最初の年は下記の通りですが、おそらく日本は欧州の影響を受け銀貨との差異をつける為採用したところ、好評を得たので続けて穴空きコインを作り続けたと考えられます。

numistaで検索した機械打ち近代貨幣の穴ありコインは以下の国々でできるだけ載せてみます。

 

1863年 香港 1ミル(文)のみ=近代コインで最初とされるも、清の1文を模して空けたもの

1887年 ベルギー私領コンゴ(〜1928)=実質の最初の穴コイン。

1887年 仏領インドシナ=ベトナム阮朝(清の朝貢国)通貨に合わせた四角穴空きコインが最初

            →ベトナム、ラオスでも製造

1892年 サラワク(〜1897)=1セントのみ

1901年 ベルギー(〜1946)

1905年 ルーマニア(〜1921)

1906年 英領西アフリカナイジェリア(〜1959)

1907年 英領東アフリカ(〜1964)

1908年 タイ(〜1945)

1908年  独領東アフリカ

1912年 ギリシヤ(〜1971)

1913年 蘭領東インド→インドネシア =中国銭や穴あき錫コインがかつて流通。

1914年 フランス(〜1946)=以降植民地のレバノンシリアモロッコチュニジアでも採用

1914年 中華民国(〜1933)=穴銭は少なくとも紀元前秦朝時代から

1915年 ルクセンブルグ(〜1916)=戦時下

1916年 エジプト=イギリスの植民地下の時代が主

1918年 仏領チュニジア

1920年 ノルウェー

920年 デンマーク=グリーンランド、フェロー諸島でも発行

 

1921年 仏領モロッコ=1点のみ

1925年 仏領レバノン

1929年 仏領シリア(〜1940)

1943年 英領インドパキスタン=1パイサのみ、戦時軽量化のため穴空きに。

    ハイデラバード,カッチ藩王国に穴あき銅貨、全て減量し穴あき化。

1927年 英領パレスチナ

1927年 スペイン

1932年 英領南ローデシアローデシアニアサランドザンビア(〜1966)

1934年 英領フィージー(〜1968)

1935年 英領ニューギニア=全部のコインに穴有。独立後も1975年〜1キナ硬貨があります。

1938年 ユーゴスラビア=単年発行1点のみ

1941年 ハンガリー(〜1969)

1941年 フィンランド(〜1945)

1948年 トルコ(〜1951)

1955年 ネパール=グルカ兵の銃弾で作られた大戦勝利記念の4パイサ黄銅貨のみ

1959年 モンゴル=単年発行

1995年 フィリピン

他、第2次大戦中のドイツ占領下コイン(ドイツ、ポーランド)があります。

 

最近金価格が1オンス3000ドルを超え高騰が続いていますが、銀価格も1オンス33ドル前後と、金ほどの幅は無いものの上昇基調で来ています。

1960年代前半まで世界各地で流通していた流通用銀貨は銀相場の上昇とともに、銀の含有量が額面に近づく或いは超えた事が原因で製造中止されて行きました。

自販機の普及等もあって殆どの銀貨は同じサイズの白銅貨等に素材変更され併用されつつ、回収され、銀相場が更に上昇したこともあり完全に消えてしまいました。

各国は通貨の威信をかけて地金価値を超えるギリギリまで発行を続け、常にインフレにさらされ続けたフランス、メキシコは高額面のコインを作成してまで銀貨の発行にこだわっていたようす。

1971年のドルショックによるドルと金の交換に紐付けされた固定相場制の崩壊や市場の取引拡大は投機的相場 作り出し市民による退蔵も発生。金に比べ安く工業用需要も高い為に1980年のハント兄弟による買い占め高騰など上下幅が激しい不安定な状況を生み出し、再発行の可能性を削いでしまいました。

キャッシュレス化は進み、本質的根拠のない暗号通貨がもてはやされる中ではありますが、消えることが無く、物質自体に価値のある金銀の人気は衰えることは無いと思います。

 主要国別に、当時の銀貨廃止時の発行状況を調べてみたいと思います。

掲載コインの年号は最終年号を優先し、所持しないコインは遅い年号のコインを載せています。

為替レートについては、fxtop.comの為替レート履歴等を参考にして、コインの最終発行年の銀地金>額面の分岐点の値=鋳潰点(1オンス当りの銀価格)も計算してみます。

Google TradingViewのデータによる、主な年度の最高月の相場は下記のとおりです。

  1860年  1.29$      1881年   1.13$     1900年  0.65$  1920年   1.03$   1940年  0.35$  

  1950年  0.74$      1960年   0.920$   1962年  1.09$     1964年   1.313$    1966年  1.308$

  1967年  2.253$    1968年  2.501$   1969年  2.001$   1971年  1.752$     1972年  2.048$

  1973年  3.284$ 1974年  6.700$   1978年  6.074$   1980年 48.00$      1990年  5.390$ 

  2000年  5.54$

☆オーストリア

1957年10リングの通常銀貨を製造開始、1960年に5シリング硬貨をアルミから銀貨へ変更。

5シリング1968年,10シリング1973年、鋳潰点を越えるまで製造され白銅貨になりました。

※5シリング(=0.1923米$)銀貨.640  5.2g(0.107oz)1966年 鋳潰点=1.797

※10シリング(=0.4325米$)銀貨.640 7.5g(0.1543oz)1973年 鋳潰点=2.803

☆オーストラリア

ポンド体制では1964年の最終発行年まで.500銀貨を継続、1966年のデシマル化では5シリング相当の50¢のみ銀.800で新規製造するも1967年には白銅貨に変更され終了、銀貨は退蔵された。

※50セント(=1.12米$)銀貨.800  13.28g(0.3416oz)1966年 鋳潰点=3.279$ 

☆カナダ

.800で製造していた銀貨は1967年中に鋳潰点を超え10,25セントは1967〜1968年に.500に含有率減少、1968年途中で全てニッケル貨に差替え。

50セントは1967年が最終発行年でニッケル貨に。

※50セント(=0.4625米$)銀貨.800  11g(0.300oz) 1967年 鋳潰点=1.542

☆フランス

1960年新フラン発行時に5フラン銀貨(〜1969)、1965年10フラン銀貨(〜1973)、インフレと銀高騰で素材変更されるも、1974年50フラン(〜1980)1982年100フランとほぼ流通しない高額通常銀貨を製造した。

※5フラン(=0.90米$)銀貨.835  12.0g(0.3221oz)1966年 鋳潰点=2.794

※50フラン(≒10.25米$)銀貨.900 30.0g(0.868oz)1974年 鋳潰点=11.81

※100フラン(≒15米$)銀貨.900  15.0g(0.434oz)1982年 鋳潰点=34.56

☆ドイツ

戦後1950年より5ドイツマルク銀貨を流通用に発行。鋳潰点が高く1974年まで製造。翌年白銅に

※5マルク(≒1.9米$)銀貨.625  11.3g(0.225oz)1973年 鋳潰点=8.444

☆イタリア

1958年500リラ銀貨が製造開始、鋳潰点が近づき1967年に通常発行を中止。以降収集用のみ。

※500リラ(=0.80米$)銀貨.835  11.0g(0.2953oz)1966年 鋳潰点=2.709

☆日本

1957年〜1966年に100円銀貨製造、1967年より白銅貨に。

鋳潰し点を計算したら3.00と切りがよく、おそらく発行時に設定された数値と思われます

※100円(=0.278米$)銀貨.600  4.8g(0.0926oz)1966年 鋳潰点=3.002

☆メキシコ

旧ペソは、額面を上げながら銀貨発行を続けるも1979年で急騰の為終了、1993年の1対1000のデノミ実施時、10,20,50新ペソを銀使用のバイメタル硬貨発行。1995年でインフレの為終了。

※100ペソ(4.3923米$)銀貨.720  27.77g(20g=0.6428oz)1979年 鋳潰点=6.833

10ヌエボペソ(1993年3.21$→1995年末1.30米$)バイメタル銀貨(1/6oz)鋳潰点=7.80$(1995)

☆オランダ

戦後軽量化し1954年から1ギルデン、1959年2½ギルデン銀貨を再開、1ギルデンは1967年途中に鋳潰点を超えてニッケル貨に、2½ギルデンは1966年銀貨は終了。

※1ギルデン(=0.277米$)銀貨.720  6.5g(0.1505oz)1965年 鋳潰点=1.841

※2½ギルデン(=0.693米$)銀貨.720  15.0g(0.3472oz)1966年 鋳潰点=1.996

☆スペイン

1966年に戦後初めて100ペセタの額面で銀貨を発行するも、1970年に終了し白銅貨化。

※100ぺセタ(=1.4375米$)銀貨.800  19.0g(0.4887oz)1966(☆69)年 鋳潰点=2.941

☆スウェーデン

戦後は400/1000の低品位ながら銀貨の発行を鋳潰点越えまで続けた。戦時中の重量及び含有量減少をほぼ免れた10オーレ(他額面は1942年以降.600又は.800品位から.400品位に変更),25,50オーレは1962年、1,2クローナは1968年途中から白銅貨に変更されています。

※10オーレ(=0.0193米$)銀貨.400  1.44g(0.0185oz)1962年 鋳潰点=1.043

※1クローナ(=0.193米$)銀貨.400  7.0g(0.09oz)1968年 鋳潰点=2.144

☆スイス

1/2,1,2フランは1967年に鋳潰点を超え白銅貨に置換、5フランは僅かに鋳潰点は越えず1969年まで製造するも退蔵され、秘密裏に1968年に製造していた白銅貨をその後流通させた。

※2フラン(=0.4574米$)銀貨.835 10.0g(0.2684oz)1967年 鋳潰点=1.704

※5フラン(=1.143米$)銀貨.720 15.0g(0.4027oz)1969年 鋳潰点=2.838

☆アメリカ

鋳潰点に近づき1964年で銀貨は終了、白銅張青銅貨に。

50セントのみ.400(外側は.800銀張りで発色は良好)に落とし1.0g減量するも1970年で終了。

投機的ため込みも起き、50¢コイン自体の流通が次第に低下した要因となったようです。

※1ダイム(=0.10米$)銀貨.900 2.5g(0.0723oz)1964年 鋳潰点=1.383

※1/2ドル(=0.50米$)銀貨.400 11.5g(0.1479oz)1968年 鋳潰点=3.38

他にも、1960年代頃まで銀貨を発行、または流通していた国は下記のとおりですが、1960年代後半に完全になくなりました。

 イラク  サウジアラビア 北イエメン シリア エジプト モロッコ リベリア

 南アフリカ グアテマラ エルサルバドル パナマ オランダ領アンティル スリナム

 ベネズエラ フィンランド ポルトガル ポルトガル領各植民地 ギリシャ ベルギー

 

 

あまり紹介されることのない戦争中のコインを紹介します。

 世界では20世紀中に2度の世界大戦が起こり、各国では混乱の中、戦時通貨体制を敷いてコインの素材の置換えやデザイン変更が実施されました。

主にデザインを変えでの卑金属化やニッケル素材の使用中止などが中心ですが、デザイン変更せずの使用金属変更、逆行してを代替素材にしたりと国情により様々です。

銀相場は1939〜1944年の1オンス=35〜45米¢(1gで1¢台前)で、中国の銀本位制終了時1935年頃の1オンス≒64¢より割安な時代も影響していた事もあると思われます。

この時代、高額コインである銀貨は製造中止になる国が多い中、中立国のスイス、スウェーデン等の他、アメリカ、イギリス(戦後に白銅貨へ)等の国ではそのまま発行を継続しています。

ニッケルは、固く錆びにくい素材として軍需用に使用される為、戦中期には資源確保目的もあって硬貨として多用され、戦争中に回収される運命の素材でした。

日本では、戦中に金属回収令が制定され、最終的にアルミニウムまで対象にされています。

また逆に薬莢に使用される真鍮(黄銅)は、回収再生され戦後の貨幣に利用され、日本の5円硬貨の他、フランス、レバノン等での緊急貨幣の例があります。

戦後のインフレもあって、元の素材に戻すことなく継続製造した国も存在します。

各国で主に戦時貨幣に使用された劣化しやすい鉄や、亜鉛などのコインは人気もないですが状態の良いものは少ないようで、手持ちのコインも劣化したものばかりです。

戦時各国の変更例は以下の通りで、主な所持品を紹介したいと思います。

 アメリカ   1セント=青銅→亜鉛メッキ鉄  5セント=白銅→銀.350合金ビロン

※ 1セント 亜鉛メッキスチール貨 1943s

※ 5セント 低品位銀貨 1943s  5.0g 銅56%/銀35%/マンガン9%

                      ※大きなミントマークは回収の目印の為

 スイス    1,2ラッペン=青銅→亜鉛(第二次大戦時)  

        5,10ラッペン=白銅→黄銅 20ラッペン=ニッケル→休止(第一次大戦時)

        5,10,20ラッペン=ニッケル→白銅(第二次大戦時)

※ 1ラッペン亜鉛貨  1946

※ 5ラッペン黄銅貨  1918                ※10ラッペン黄銅貨  1918

 フランス   10,20(25)サンチーム=白銅→亜鉛

(第二次大戦時)  50サンチーム〜5フラン=アルミ青銅,ニッケル→アルミ二ウム

※10サンチーム亜鉛貨  1942                ※20サンチーム亜鉛貨  1942

※ 1フラン アルミニウム貨  1944B ドイツ占領下

※2フラン アルミニウム貨  1945C

 

 ドイツ     

 (第一次大戦時) 1ペニヒ=青銅→アルミニウム  5,10ペニヒ=白銅→亜鉛メッキ鉄、亜鉛

 (第二次大戦時)  1,5,10ペニヒ=青銅,アルミ青銅→亜鉛

        50ペニヒ=ニッケル→アルミニウム 1マルク Ni ,2,5マルク=銀→製造中止

※5ペニヒ亜鉛メッキ鉄貨  1916A

※5ペニヒ錫貨  1941D

 イタリア   20,50センテシミ,1,2リラ=ニッケル→アクモニタル(ステンレス)

※50センテシミ アクモニタル貨  1940                                     ※20センテシミ アクモニタル貨  1941 

 スウェーデン 1,2,5オーレ=青銅→鉄(第一次、第二次大戦共)

※ 2オーレ鉄貨  1945

 ノルウェー  1,2,5オーレ=青銅→鉄(第一次、第二次大戦共)

        10,25,50オーレ=白銅→亜鉛(第二次大戦占領下)

※ 2オーレ鉄貨  1918

※ 2オーレ鉄貨  1943

※ 50オーレ亜鉛貨  1945

 デンマーク  1,2,5オーレ=青銅→鉄(第一次大戦時)

        1オーレ=青銅→亜鉛   10,25オーレ=白銅→錫(第二次大戦占領下)

        2,5オーレ=青銅→アルミニウム→亜鉛(亜鉛貨はそのまま継続されました)

※ 2オーレアルミニウム貨  1941

 ベルギー   5サンチーム〜5フラン=白銅,ニッケル→亜鉛(第二次大戦占領時)他は中止

※ 1フラン錫貨  1941

※ 5フラン錫貨  1941

 ハンガリー  2フィレル=青銅→鉄→亜鉛 10,20フィレル=白銅→鉄

※ 2フィレル錫貨  1943

※ 10フィレル鉄貨  1940

 英領インド  1/2〜2アンナ=白銅→ニッケル黄銅

        1/4〜1ルピー=銀.917→銀.500

※ 2アンナ ニッケル黄銅貨  1943

 セイロン   5セント=白銅→ニッケル黄銅  10,25,50セント=銀→ニッケル黄銅

※ 25セント ニッケル黄銅貨  1943

 タイ     5,10,20サタン=ニッケル→銀→錫(20サタンなニッケル貨なし)

※ 5サタン銀貨 2484(1941) 銀.650 

 レバノン  、シリア   フランスでコインが供給できず緊急通貨を現地生産

※レバノン 1/2ピアストル黄銅貨 ND( 1941) 

               

※レバノン 1ピアストル黄銅貨 ND( 1941)

その他に下記の例がありますが、日本以外所有品がないのが殆どです。

 日本     1銭=青銅→アルミニウム→錫亜鉛(→陶)

        5,10銭=ニッケル→アルミ青銅→アルミニウム→錫(→陶)

 オランダ   1セント〜25セント=青銅,白銅,銀→亜鉛(第二次大戦占領下)他製造中止

 フィージー  1/2,1ペニー=白銅→黄銅

        6ペンス〜フローリン=銀.500→銀.900(第二次大戦時アメリカへ委託製造)

 パレスチナ  5,10,20ミルス=白銅→青銅

    カナダ    5セント=ニッケル→黄銅→クローム張鉄

 南ローデシア 3d〜1/2クラウン=銀.917→銀.500