コイン好みAtoZ

コイン好みAtoZ

マイナーコイン好きなコレクターです。
いろんなコインを紹介します。
アルファベット順に目指せZまで。

 コインの額面に使われる数字で変わった数のものを調べてみます。

現代のコインの額面は、使い勝手が良いように日本円貨は1、5、10、50、100、500、ユーロの1、2、5、10、20、50或いは米1、5、10、25、50といったパターンの数が使われるています。

分数では1/12,1/10,1/8,1/5,1/4,1/3,1/2,2・1/2又はそれに対する数は考えられる額面でしょう。

奇数の使用は少ないですが3,15は釣銭にする際枚数を少なくするのに優位であるようです。

欧州の10進法以前の単位体型が最後まで使われ続けた(~1971)イギリスでは、1ポンド(ラテン語libra)=20シリング(solidus)=240ペンス(denarius)であり、約数が多いため3,4,6とかの額面数字が普通に発行され続けました。

領邦が複雑に入り組み、地域毎にそれぞれ違う通貨体系を敷いていた欧州ドイツ方面などでは10進法では不可解な額面のコインや2重額面のコインも多く存在し、支配者の変更で通貨制度が変わった地域などでも、不思議な額面コインが多く見られます。

1700年代後半のオーストリアで、7,17クロイツァー貨があり不思議でしたが、レートをよく調べると、7クロイツァー=1/12プロイセンテーラーに相当する通貨であった事が理解できます。なお17クロイツァーはいろいろ調べましたが不明のままです。また北ドイツの2/3テーラーは1ギルデン(1/2コンベンションテーラー)と等価として知られます。

以下あまり見かけない額面を写真に上げる他、一部国別にも紹介します。

※中国 清朝~中華民国

秤量貨幣として銀は重さ1両(約37.3g)単位の銀錠等の塊で流通しており、スペインドルと同等の重量で作られ始めたた元(円)銀貨には両単位に沿った額面が表示された。

7分2厘(1角)                  1銭4分4厘(2角)              3銭6分(5角)                      7銭2分(1円)

※ロシア領ポーランド王国

ポーランド分割で国は実質消滅、北ドイツテーラー=6ズウォティの価値であった通貨はロシア領地域で0.15ルーブル=1ズウォティで併用され、その後ロシアルーブルに統一された。

15コペイカ                                         3/4ルーブル                                       1・1/2ルーブル

 

イギリス王室属領ジャージー代官管轄区(Bailiwick of Jersey)

フランスノルマンディー領の一部であった地域で、1204年以来本土と分離されイギリス王領地として支配されるものの、フランス系住民で結びつきが大きい仏通貨が流通。1834年ポンドが通貨に採用時、1シリング≒仏26スーであった事でシリングの分数表示のコインが作られ、その後英ペニー等価のコインが発行されても1971年のデシマル時まで継続された。1/52,1/48,1/26,1/24,1/13,1/12,1/4シリングのコインがあり、ペニー単位は発行されていない。

1/48シリング1877年                      1/26シリング  1861年                   1/13シリング    1858年                 

イギリス王室属領ガーンジー代官管轄区(Bailiwick of Jersey)

ジャージーと同様な歴史を辿りますが、それぞれ2つの地域に分けて統治(代官が別)されたため、通貨体制の変更も別々に行われています。隣の島との仏フランレートの微妙な違いも奇妙です。

当初フランス通貨が流通していた為、英ポンド導入で硬貨を作成する際、広く流通していた2(ダブル)デニエ銅貨を単位として採用、1/80フランに相当する額単位でコインを発行しました。

1870年のレートは8ダブルス(1ガーンジーペニー)は24/25英ペニーの値で評価され流通、その後フラン下落で1921年フランス通貨の使用中止の際、硬貨のみ8ダブルス=1英ペニーで再評価流通が認められデシマル化まで継続発行されました。

4ダブルス1889年               8ダブルス1834年

※英領キプロス

1878年オスマントルコからイギリスの支配下に入り、翌年より銅貨の発行が始まっています。

1英ポンド(20シリング)=180オスマンピアストル(1.8オスマンリラ)のレートで交換されたため、9ピアストルを基準に額面が決められ、4・1/2,9,18,45ピアストル硬貨が生まれています。

なお当時の金本位平価では1オスマンリラ(100ピアストル)=9/10英ポンド(18シリング)ですが、交換レートを銀貨ベースで下げられた可能性が高いようです。(1881年まで金銀複本位制採用)

9ピアストル                                      18ピアストル                              45ピアストル

※ポルトガル領インド

インド半島西海岸の植民地では長らくルピーが通貨として使用され続けましたが、1958年本国通貨エスクードを採用し、1ルピー=6エスクードで交換され、変な額面硬貨が誕生しました。

しかし僅か3年後にインド共和国の侵攻により吸収され、再びルピーに戻される運命でした。

30センタボ                          60センタボ                  3エスクード                      6エスクード

※ポルトガル領ティモール

東インド諸島ティモール島の半分を占める植民地で、地域がら墨$→海峡$由来のパタカから1958年1パタカ=5.6エスクードで交換され新硬貨を発行。

硬貨の額面はインドに合わせたのでしょうが、すぐに切りのいい額面のコインに変わりました。

3エスクード                             6エスクード

 

騎馬像を描いたコインはギリシャ時代から多くあり、移動、運搬、農耕、軍事に重要であった馬に関わる文化の発展とともに描かれてきました。

セントジョージ馬上の竜退治の図柄は英ソブリン金貨等のデザインとして最も有名な図柄ですが、同様な馬上の騎士のデザインは欧州各国のコインにも採用されています。

聖ゲオギオス(希Georgios)はローマ帝国のキリスト教容認直前4世紀初頭の殉教者として各宗派共通の聖人であり、神聖化される中で竜退治の伝説が纏われ次第に白馬に乗って十字を付けて竜を退治する姿が一般化し、欧州全般に広まったようです。

このモチーブは紀元前3世紀ヘレニズム期のトラキアの騎馬像に遡る事ができるようで、当初は馬上の狩人が猟犬や猪とともに描かれていましたが、時代とともに騎手は英雄の姿、下にはライオンが描かれる事が多くなり、宗教や権力との関わりから変化して行きました。

710年頃の戦勝記念の作と言われる世界遺産ブルガリア⁼マダラの騎士像のレリーフはコインのデザインにも採用されていますが、王が犬を連れライオンを退治する図柄になっています。

また騎馬像は勇壮で威厳ある姿である為か、国王等の領主が騎乗のデザインが多くデザインとなっている他、国の成立に関わる英雄が騎乗した雄姿を描く事例が多くあります。

武器を持たない姿を含め、手持ちのコインを紹介します。

リピッツァナーに乗る宮廷乗馬学校の騎手           ブルガリア マダラの騎士像 

Lipizzanerはハプスブルク帝国で改良して生ま 現行ユーロ(セント)貨にも採用されています。

れた軍馬で、競技用に優れた白(灰)色血統馬

アルバニア アレキサンダー大王               ルクセンブルク   盲目の英雄ボヘミア王ヨハン                  国の東部は古代マケドニアの故地                           父と子供はルクセンブルク家の神聖ローマ皇帝

ポルトガル  アルフォンソ1世               スペイン イベリアンライダー 詳細不明

レコンキスタ期の初代ポルトガル王       イベリア紀元前1世紀にも同様なデザインがある

チリ ラウタロ =16世紀のマプチェ族戦士         モンゴル ダムディン ・スフバートル

指導者としてスペイン侵攻に抵抗した英雄            独立戦争時、軍を率いた英雄

アルゼンチン エル・ガウチョ・レセロ                 ギリシャ 月の女神セレーネー                

牧畜民ガウチョの伝統を伝える記念碑より採用    神話の世界で馬上の構図

リトアニア 中世から続く 国章でヴィーティス(追跡者)と呼ばれる白馬騎乗の騎士像

英ピストルッチ作セントジョージ馬上の竜退治     英領カナダ(アッパーカナダ銀行)

イギリス アールデコスタイル                                     ロシア(ソ連崩壊後) 帝国時代にも存在

エリザベス2世 即位記念           エリザベス2世 即位25年

ビロンBillonとは低品位の貴金属合金の事で、コインの素材としては低品位の銀を指す素材名称として使用されます。

ビロン貨はギリシャローマ時代から存在し、銀貨の貨幣改鋳で品位を下げ続けた事で生まれたもので、良貨を装う加工したコインもあったようです。

財政悪化のため品位を下げて発行した結果、インフレとデノミに向かうのはどの時代も同じだったようですが、ビロンは次第に低額面のコインの素材として定着して行きました。

品位.500未満が一般にビロンとよばれており、発行当初銀色をしていても使用されていくうちに独特のくすんだ色合いとなってしまう特徴があり、古いコインは経年劣化しやすいようです。

尚、補助貨幣とはいえど本位貨幣の銀定量に近い銀量が使用されている事が一般的です。

銀に対する割金の素材には、銅のみから銅メインに亜鉛、ニッケルを加えた色合いの良い洋銀のような組成に変わったようで、より銀色を出すのに工夫していました。

古いコインと近代の使用例の所持品を紹介します。

※ドイツ/プロシア 1シルベルグロッシェン1866年  Ag.220  2.196g

※ドイツ/ザクセン 1ノイグロッシェン/10ペニヒ1852年  Ag.229  2.126g

オーストリア/チロル伯領 3クロイツァー1663年  Ag.414  1.5g

※スイス/ベルン 1バッツェン1826年  Ag.?  2.46g

4 Kreuzerへの over-strike品と思われます。

ノルウェー王国  2スキリング 1785年  Ag.344  1.181g

デンマーク王国  2スキリング 1805年  Ag.250  1.5g

オスマントルコ 20パラ AH1255(2)年  Ag.170  1.7g

通貨改革でトルコリラを導入する1844年以前は大型の高額面貨でもビロン貨がほとんど。

※オスマントルコ 1ゾロタ(30パラ)AH1171(86)年  Ag.465  約14g
PCGS AU detail environmental damage 鑑定
※スーダン 20キルシュ AH1315(8)年  Ag.100  21.38g
マフディー国家時代

※スイス 20ラッペン 1850年  Ag.150  3.25g

Ag.150 Cu.500 Ni.100 Zn.250

※英領東アフリカ 1シリング 1925年  Ag.250  7.7759g

当地で流通したインドルピー(英1.5s相当)を意識した重量ですが、品位は低くされました。

※イタリア領東アフリカ 1シリング 1950年  Ag.250  7.6g

Ag.250 Cu.500 Ni.100 Zn.100 他.050

※チリ 10センタボ 1909年  Ag.400  1.5g

同寸同デザインで重量、品位の違いで4種類ある。(2.0gAg.835/.500/1.5g.400/.450)

※メキシコ 1ペソ 1966年  Ag.100  17.0g

Ag.100 Cu700 Ni.100 Zn.100  未使用品と流通品

※スウェーデン 50オーレ 1957年  Ag.400  4.8g

※フィンランド 1マルッカ 1967年  Ag.350  6.4g
Ag.350 Cu.570 Zn.080

※アメリカ 5セント 1942年  Ag.350  5.0g

Ag.350 Cu.560 Mn.090 大戦時ニッケル不足で製造

インドの藩王国とは英領インド帝国が形成されていく中で、直轄地以外の地域でイギリスへの従属の下に一定の支配権が与えられた領主国で、多い時期で約600も存在していたようです。

称号は国の大きさや成り立ちからマハラジャ(大王)をはじめとした多くの階級がありランクが明確に存在しましたが、イギリスからは全て藩王(prince)として呼ばれたようです。

統一インドのガンジーの願いも叶わずインド、パキスタンに分離独立した際、独立できずそれぞれがどちらかに帰属を強いられ、支配者たる藩王と多数派住民の宗教の相違も関係して現在まで紛争が継続している地域もあります。

主要な藩王国では英領インド本体と違う独自の通貨を発行し、独立した通貨体制を持続した国もある他、旧来の貨幣製造方法で継続発行した国等と多様なコインが存在し興味深い国々です。

文字のみのコインが多く読めない事で判別困難できず泣かされますが、味があるデザインが好みで最近数を増やしています。

膨大な種類があり網羅する事は不可能ですが、少し手持ちのコインを紹介します。

☆ハイデラバード(ニザーム)王国 haydaraabaad

1724年ムガル帝国宰相がニザーム(支配者)の称号を得てデカン高原に興したイスラム王朝で、1798年にフランス軍人を解雇しイギリスに従属するまで独立していた最大の藩王国。

1947年インド独立時は、周りをインドに囲まれたイスラム国家として独自の路線を取ろうとしますが翌年インド共和国に占拠され、併合し消滅しました。

ただし通貨ハイデラバードルピーは7/8インドルピーの価値で併合後にも発行され、、1959年の廃止までインドルピーと併用流通していたようです。

※2パイ青銅貨 AH1322年(38) =1904年

※1アンナ白銅貨 AH1356年

※8アンナ銀貨 AH1337年=1919

※1ルピー銀貨 AH1361年(32)11.178g

☆カッチ王国 Kutch

カッチ湿地に1147年成立、1819年に英保護下に入ったインド西部のヒンドゥー国家。

アラビア海に面し特に造船技術が発展していたといわれ、インド洋貿易で栄えた地域です。

現在も殆ど知られませんがカンドラ(ディーンダヤル)港というインドの主要港湾が存在します。

通貨コリは、独自の通貨体制で1948年1ルピー=31/2コリのレートで交換されました。

コインには英国王の名前の表記がある。

※3ドクダ(1/8コリ)銅貨 VS1985年1928

※1ダブ(1/8コリ)銅貨 VS1999年 1943年

※5コリ銀貨 VS1939年 1882年

※5コリ銀貨 VS1991年 1936年 エドワード8世銘

☆メーワール王国(ウダイプル藩王国) Mewar

8世紀から存在したインド北西部ラージャスタン地方にあったヒンドゥー王朝で中世には北インド一帯を支配下に置いた国でしたが、次第に衰退し1818年にはイギリスに従属した。

銀貨の重量はインドルピーより若干軽量で、レートは不明です。

※1アンナ銅貨 VS2000年=1943

)

※1/4ルピー銀貨 VS1985年(1928)

※1ルピー銀貨 VS1985年(1928) 10.86g

☆トラバンコール王国 Travancore

インド半島南西端のケララ州にあった国で、北にコーチンCochin藩王国

東南にマイソール藩王国  Mysore等が存在した。

これらの他南インドではファナム(Fanam)が基準単位として流通し、有名なファナム金貨をはじめ小型コインが多く作られた地域。

※1キャッシュ銅貨 ND (1928-49)0.48g 1/448ルピー相当

※マイソールC-212 1ファナム金貨 ND (1799-1868)0.38gヒンドゥー神Narasimha像

☆バローダ(ヴァドーダラー)藩王国 Vadodara

インド北西部グジャラート地方19世紀まで多くの独自コインを発行した。

※1/4ルピー銀貨 VS1952年=1894

☆グワーリヤル藩王国 Gwalior

バローダ同様インド北西部ラージャスタン地方にあったマラーター王国の諸侯が領主として興した国。

※1/4アンナ銅貨 VS1999年=1942

アンベール

☆ジャイプール藩王国 Jaipur(アンベール王国) Amber

インド北西部ラージャスタン地方に古くからある領主の国。

アンベールから1727年より首都を建設しジャイプールに遷都、1818年に英国に従属化。

独立直前まで独自通貨を旧来の打製コインを製造していた。

※1ルピー銀貨KM#.145 12年(1891) 11.48g

動物をモチーフにした図柄の中でゾウ柄はギリシャ、ローマ時代から存在し、近代コインの中でも人気のあるカテゴリーです。

象は中国文明の時代には黄河沿いにもまだ生息していたとも言われ、人類の発展による捕獲や開発が原因で生息地域が減少してきました。

特にアフリカゾウは古くから象牙目的の乱獲が酷く、近年の人間生活の拡大と急速な減少にようやく保護活動が活発化しているようです。

文化的にアジア地域ではインド神話で地球を支える存在として描かれる他、白象は各地で神聖視化される動物として崇められており、タイ等でそれに沿ったデザインも描かれています。

アジアゾウ、アフリカゾウの2種それぞれ生息する多くの地域でデザインに採用されており、収集品をここに紹介します。

保護活動の活発化により近年アフリカ諸国での採用が増加しており、アルジェリアエリトリアケニアにも所持していない象柄コインがあります。

またアフリカ諸国では象牙をデザインに採用している国もあり、重要な産物であった事を示す物として追記します。

※英領セイロン                                                                ※ラオス

※シャム(タイ)王国

※ベルギー領コンゴ

※リべリア

※ソマリア(イタリア領)

※マラゥィー                                                                    ※スワジランド(エスワティニ)

※ローデシアニアサランド                                         ※タンザニア                

赤道ギニア                 ※東アフリカ(英領)