インドシナ半島の東岸にある社会主義国家。
ベトナム人は古代中国南部に住んでいた越族であると言われ、次第に南下して移り住んで出来上がってきた国で、中国各王朝の影響を受けながらも17世紀にはメコンデルタ地帯にまで進出し、現在の南北に細長い国土となりました。
最後の統一王朝である阮朝は、フランスにより侵食されて1887年には清の冊封体制からも外れ完全植民地化、仏領インドシナの一部に組み入れられています。
第二次大戦時の日本侵攻と傀儡のベトナム帝国を経て1945年終戦直後ホーチミンによるベトナム民主共和国が独立を宣言しますが、旧宗主国フランスは支配体制を維持すべく傀儡政権を立てて抵抗し30年にもわたるベトナム戦争を引き起こさせてしまいました。
1954年にフランスは撤退し17度線を境に南北分離した状態で停戦、東西対立の中、平和的統一出来ないまま共産化を阻止し利権確保を目論むアメリカか介入する事で泥沼化し、悲惨な戦争を長引かせてしまいました。
1973年長期戦に疲弊したアメリカの撤収開始後、南ベトナム政府への支援も縮小されて1975年に首都サイゴン陥落解放、勝利をようやく勝ち取り翌年に統一を実現させました。
通貨ドンは、銅(銅銭)を意味し、古くから漢字表記の銭貨が使われ、安南銭と呼ばれる独自通貨が作られています。
仏印ピアストルから独立後にドンが通貨単位となり、何度かのデノミが実施され現在に至ります。南ベトナム(ベトナム共和国)については、国としての連続性から別扱いにします。
☆ベトナム民主共和国(北ベトナム)
※2ドン青銅貨 1946年 ホーチミン
※5スー アルミニウム貨 1958年
☆ベトナム社会主義共和国(統一後)
※1ハオ アルミニウム貨 1976年
※2ハオ アルミニウム貨 1976年
※200ドンニッケル張スチール貨 2003年
※500ドン ニッケル張スチール貨 2003年
※2000ドン 黄銅張スチール貨 2003年