
産後、自分の体型や体重を気にされるママは多いです。
でも今回の患者さんは、少し違いました。
「自分のことはどうでもいい。赤ちゃんのお世話ができないのが一番怖い」
そんな、強くて優しいママのお話です。
【リッツの臨床ノート Vol.53】
カテゴリー:産後骨盤整体
テーマ:産後の激痛。「優しさ」が招く腱鞘炎。
【患者さんのお悩み 】
20代・女性(産後3ヶ月)
「産後、順調に体重は落ちたが、今までなかった背中の張りと、お尻の痛みが出てきた」
「何より、右手首の激痛で抱っこが辛い」
「整形外科で注射(ステロイド)を打ち、一瞬治ったが、その後余計に痛くなり怖くなって来院」
【私の考察 】
彼女は、自分のプロポーションの崩れや痛みそのものより、「育児に支障が出ること」を深く案じていました。
診断名は、産後ママに多い「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」。
原因は大きく2つあります。
ホルモンと過負荷: 産後のホルモン「リラキシン」の影響で関節が緩んでいる中、慣れない抱っこや授乳で手首を酷使したこと。
「手先だけ」の抱っこ: ここが重要です。彼女の「背中の張り」と「お尻の痛み」は、体幹を使えていない証拠。
まだ軽い赤ちゃんを、身体全体ではなく「手先や腕の力だけ」で支えようとした結果、手首への負担が限界を超えていました。
「赤ちゃんのために」という献身的な姿勢が、皮肉にも手首を壊す原因になっていたのです。
【当院でのアプローチ ✅】
注射で炎症を抑えても、抱っこの仕方が変わらなければ痛みはぶり返します。
患部のケア: 炎症を起こしている手首には、圧力波治療器「ショックマスター」を使用。
育児姿勢の改善: 手首を守るためには、骨盤と背骨で支える必要があります。
骨盤・股関節・足首のアライメントを整え、肩甲骨から指先へ力が正しく伝わるよう調整しました。
ホームケア(CBD&テーピング): ご自宅では、炎症と筋肉の緊張を和らげるために「CBDオイル」を活用したケアを指導。
さらに、手首の負担を減らすテーピング法をお伝えしました。
【その後の変化 ✨】
10日後の来院時。
「痛みはまだ半分ありますが、怖くなくなりました」 やるべきこと(身体の使い方)と、やってはいけないことが明確になり、育児への不安が消えたと笑顔を見せてくれました。
【まとめ 】
ご通院の目的は、皆さん様々です。 「痛みを取りたい」のはもちろんですが、その先にある「何ができたら嬉しいか」「誰のために治したいか」を、ぜひ私に教えてください。
その想いが、治療のゴールを明確にし、治癒力を高める一番のエネルギーになります。
ママの手は魔法の手。
大切に守っていきましょうね。