おととい、『関節』についてのお話を書きました。
連載すると言ったので、続きます。

意外と知らない『関節』のはなし①⇨https://ameblo.jp/hamachouritz/entry-12385346520.html

①話目では『関節』を構成する関節軟骨・関節包・関節腔のお話でしたね。

今日の主役は「靭帯」です。
【靭帯の役目】
主に関節を支えて、関節が無理な方向へ歪まないように動きを制限する固めのゴムヒモみたいなモノだと思って下さい。

フライドチキン食べる時に骨際の白いスジが靭帯です!

一般的に“関節の捻挫”といったら、この靭帯が傷んでいると思っていただければ想像しやすいでしょうか…

ひと昔前はレントゲンを撮って、骨が折れていないことが確認されたら「捻挫」と診断されることが多かったのですが近年の医学の発達(検査機器の発達)により、MRIやエコーで軟部組織の損傷を確認できることになり、捻挫(靭帯損傷)も慎重に扱われるようになってきました。
※捻挫=靭帯損傷とは言い切りません。靭帯、軟骨、腱などの関節にともなう軟部組織の損傷が捻挫です。

私が学生時代の頃はレントゲン撮って湿布貼っておしまいでしたね…

靭帯損傷といえば、大リーガーをはじめとするピッチャーの肘などの障害が有名です。
内側側副靱帯損傷といって、肘の内側を支える靭帯が傷みます。
ひどい状態になると手術も検討します。
“トミー・ジョン手術”
腱移植をさせることで再建する有名な術式です。
聞いたことある人多いのでは?
古いところでいうと、まさかり投法の村田兆治投手や桑田真澄投手に、近年ではダルビッシュ投手、松坂大輔投手、藤川球児投手…直近では大谷翔平選手も対象となるか否かと話題になっているようです。
心配ですね…

…と、スポーツ医学の発達が今の整形外科学を推進させていることもあるようです。
十年前の常識は、今非常識が「医学」です。
※昔の整形外科学は戦争によって新事実を得ることで進歩してきた歴史もあります。

「靭帯」のはなしに戻ります。

【硬さ】 筋肉 < 腱 < 靭帯

靭帯は筋肉より、腱より、硬いのです。

コラーゲン組織で構成された「靭帯」は硬いがゆえに関節を保護しますが、硬いことで柔軟性がないデメリットにより、関節に無理な力が働くことで切れやすかったり傷めやすいのです。 

これが「捻挫」です。

当院での「捻挫」の検査は動診といって、関節の生理的な関節可動域を確認し、エコーで軟部組織の損傷を観察することで「捻挫」の判断をします。
※骨折の疑いがある場合は提携整形外科でレントゲン検査を行います。

「靭帯」は筋肉や骨と異なり、組織を栄養させる血管が非常に小さく乏しいので一度傷めると治りが悪いことも特徴です。
私が学校に行っているときに受けた講義で慈恵医大の教授は「靭帯は血管が通っていないも等しく再生しない」と断言していたことが頭に残っています。

実際に「捻挫」靭帯損傷の治療は、関節を生理的な位置まで整復して、周辺の腱や筋肉で支えられるようにしていくことが目的です。

どうでしたか?
骨が折れていなくてよかった~という方がいますが、靭帯損傷のほうが場合によってはタチが悪いのですよ!

今日のブログを読んで「捻挫」しただけ…などと思わくなりましたか?

「捻挫・靭帯損傷」と診断されて
 安静
 湿布
 固定
 電気
…だけ?と不安になったら、キチンと処置をしてくれるところで治療することをおすすめします。