ハムの家づくり 第三回 アンテナの考え方 | はじめてのアマチュア無線

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アマチュア無線を始めたばかりの方、あるいはン十年ぶりに再開局された方、アマチュア無線のイロハを解説するブログです。

1.アンテナの考え方

 第一回の土地の選定で、建てたいアンテナの回転半径の倍の土地を探そうと書きました。

とはいえ、理想ばかりを追いかけていては、どんなに広い土地があっても足りません。複数のタワーを建てて、1タワーに1本のアンテナしか上がっていない局もいることはいますが、現実的にアンテナタワー1本にツリー上に上げることを考えていきます。

 

(1)出たいバンドの優先順位を考える

 初心者向けの投稿でも書いていますが、どのバンドに出たいのかが重要です。一例ですが、サンスポットがピークを迎えている今、HFハイバンドに絞り、コンディションが落ちてきた数年後にはローバンドにするという考え方もあります。

HFには興味がなく、ハイバンドの大きなアンテナを上げたいという方もいるでしょうし、3.5/7のロータリーダイポールだけは譲れないという方もいるでしょう。
私は、WARCバンドを含む、できる限り多くのバンドに出たいというニーズから、7~430までの全バンドに出るアンテナを探しました。

当然のことですが、7、10MHz帯は短縮となりますが、14から上はほぼフルサイズのアンテナとなりました。

6mは今のバンドの静けさから、どうしようかと悩みましたが、6エレ、430は13エレ×2を選択しています。

7~430と書いておきながら、2mが無いじゃないかと言われますが、どうも2mには開局以来縁が無く、長らくリグも持っていなかったバンドで、いわゆる食わず嫌いです。スタックするのも大変なので、割り切って上げるのをやめました。

 

(2)タワーか、ルーフタワーか、どこに建てるかがカギ

 アマチュア無線家の理想はやはりクランクアップタワーでしょうか。クランクアップですと、クランクダウンした状態でアンテナのメンテができますし、台風等が予想されるときは下げておくなど、災害時の対策にもなります。とはいえ、1基100万円ほどしますので、予算ともにらめっこですね。クランクアップとは言わないまでも、20m位の自立タワーを検討するのも良いかと思います。せっかく土地を買って建てるのですから、タワーを建てたい方は、実現してほしいところです。

 

ですが、ちょっと待ってください。(1)でアンテナの大きさから土地の大きさを決めましたが、果たしてアンテナを土地の中央に建てることは可能でしょうか?

自立タワーを建てるのであれば、土地の中央にそのスペースが必要となります。

勿論、そのように家の形を設計すればいいのですが、これが意外と難しいことです。多くの家は、日照を考え、南向きの場合は手前に庭や駐車場のスペースを取り、北向きの場合は、家の裏側を広く取ります。家の大きさにもよりますが、土地の中央には建物が来てしまう、かかってしまうケースが結構多いです。

勿論、家をL字型やコの字型に設計し、中心をタワーのために空けるということは注文住宅である以上可能ですが、居住性や家の導線、間取り等を考えても成り立つかどうか、また、あまり複雑な形にすると建築コストがかさみますので、そのあたりも一緒に考える必要があります。

あと、タワーは近くで見ると結構ごつい金属です。例えば、玄関の隣にタワーがあるとか、せっかくの新築住宅なのに無機質なタワーで景観が台無しになるとか、家族ともよく話し合って決めると良いでしょう。

 

(3)ルーフタワーという選択肢

 ルーフタワーの場合は、逆に土地の中央に屋根を持ってくる必要があります。中央に持ってこられない場合は、ルーフバルコニー(いわゆる屋上)を作るとか、中央にルーフタワー用のベランダを持ってくるなどして、確保するようにしましょう。こちらも設計次第ではあるのですが、どうしても間取りとの格闘になります。よく考えましょう。

 

ルーフタワーの場合に気を付けるのは、ルーフタワーが乗せやすい屋根の構造にすることです。

最近の住宅は凝っており、1階を複雑な形にして、2階を1階よりも小さくするというのが住宅メーカーの主流です。

こうすると、外観は美しいのですが、屋根の形は複雑でルーフタワーを載せてもステーの取り方に苦労します。

また、隣地との斜線制限など、建築上の制限から、ルーフタワーを載せる屋根にならないなどのケースもあります。その場合は、前述したように、ルーフバルコニーなど、工夫する必要が出てきます。

 

屋根の形を複雑にせず、外観も美しさを失わないようにするには、総二階にしましょう。屋根の形も簡単になって4方向のステーも容易に取れます。ここで注意することと言えば、屋根の種類です。屋根には、大きく、切妻屋根、寄棟屋根とあることです。(どんなものなのかは、詳細はググってください)切妻屋根は瓦屋根(本物の瓦ですね)が多かった頃からあり、2方向に雨どいが無いので、ステーを取るのは楽ですが、今の主流は寄棟屋根となっています。耐久性や景観が良いので、多く使われているのですが、4方向に雨どいがあります。
これは、ステーを取る際に雨どいをまたがなければならず、この部分に金具を挿入するなど、ステーを張るうえでひと工夫が必要です。

 

当方の場合、完全に土地の中央に屋根は持ってこられませんでしたが、考えていたアンテナが回るのには十分な位置に屋根のトップを持ってきました。ハウスメーカーの設計から50cmほど動かしたのですが、その分駐車場が狭くなってしまい、車をぎりぎりまでバックさせないと、駐車できない構造となってしまいました。(笑)

 

次回は太陽光パネルの検討です。