ハムの家づくり 第四回 太陽光パネル | はじめてのアマチュア無線

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アマチュア無線を始めたばかりの方、あるいはン十年ぶりに再開局された方、アマチュア無線のイロハを解説するブログです。

家を建てる時、省エネ住宅にしようというのは一般的な考え方としてあります。

その一つに、太陽光パネルがあります。

特に東京都などは、一般家庭で導入する際でも補助金が多く出るようで、半額くらいで導入できるので、考える方も多いのではないかと思います。

 

ただ、現実的な話をすると、一時期に比べ買取価格が随分と下がっていますので、パネル設置で得をするとかいうことはあまりなく、むしろ災害時など停電時に電気が使える時間を延命する程度に考えておくほうが良いのではと思います。

 

1.無線家に太陽光パネル?

 アマチュア無線をやっていて太陽光パネルを設置するというと首をかしげる方も多いのではと思います。実際、第一回、第二回で土地を探す際にはノイズの測定を、というのを書きました。他の家からの太陽光パネルによる影響を調査していて、自分の家にパネルを設置するとは何事?ということですね。

 確かに、弱い信号を少しでもピックアップしたければ、ノイズは最小限にすべきですし、太陽光パネルはもちろん、家の中の照明でもLED電球を避けるなど、ノイズの発生する機器は極力避けるべきです。

 

 とはいえ、今時コンピュータのない生活などはあり得ませんし、家の中でwifiを使うなというのも無理があります。太陽光パネルの設置もしないに越したことはないけど、設置した場合の影響を最小限に知るという観点で書いていきたいと思います。

 

2.設置にあたっての注意事項

 まずは、太陽光パネルの仕組みをよく理解しておいてください。

 丸投げのような表現になっていますが、私もここが後回しになってしまい、結局理解するところまではいきませんでした。結果的に「今できること」しかできなかったので、専門家がみれば、「適切な対策じゃない」というところもあるかと思いますが、やったことを中心に記載しておきます。

 

 ・信頼できるメーカーのものを選択する

  太陽光パネルはノイズを発生するが通説ですが、最近はメーカーも対策をとってきており、ノイズが発生しにくいとか、影響が少なくなるようにシールドしているという機器も多数あります。カタログデータやメーカーの担当者、あるいは施工業者などの話をよく聞き、悪い商品をつかまされないようにしましょう。

 

 ・アースは接地抵抗50オーム以下

  とはいえ、パネル設置にあたっては、シールド、アースが重要です。

  一般的な家庭用保安アースは接地抵抗が100オーム以下となっています。これでは不足で、10オーム以下が望ましいのですが、これを条件にすると「できない」という業者もいます。私は50オームという条件を付けて工事をしてもらいました。

  接地抵抗を下げる土に混ぜる溶剤等を使用すること、アース棒は4本、家庭用保安アースとは別に設置という条件で工事をしてもらいました。

  接地抵抗は接地時に業者に測ってもらうしかありません。計測値を写真等で残してもらうようにしましょう。ちなみに私のところはほぼ10オームになっていました。

 

 ・シールドする箇所

  太陽光パネルからパワコンまでの配線を金属管などの中に通してでシールドすること。

  パワコンや蓄電池を含めてシールドした部分を上記のアースに確実に落とすことが必要です。実際は、太陽光パネルからパワコンまでは直線ではなく建物に沿って、曲がりますので、金属管は使用せず、銅箔テープを全体に巻くというやり方で対応してもらいました。

  蓄電池を設置する場合、パネルと蓄電池の設置日が異なるなど、単独で蓄電池を設置する場合があるようです。(そもそもパネルが設置されていなければ蓄電池も設置できないため)

  私の場合がそうでしたが、蓄電池の設置業者は蓄電池専用に、アース棒を1本打って終わりにしようとします。あらかじめ打ってあるアースに落とすようにという指示を現場で出して事なきを得ましたが、見えない場所だけに、後から発見も難しいので、要注意です。

 

 ・配線

  主にパネルからパワコンまでの配線ですが、無線用の同軸ケーブルと平行になることがないようにしてください。あらかじめ、アンテナからの同軸引き込みとパワコンやアースの位置を確認し、ケーブルの配線図もわかるようにしておくとよいでしょう。

  私の場合は、部屋への同軸引き込みのルートまでを一緒に図面に書いてもらいました。

 

 ・ルーフタワーの場合 

  順番が後先になりますが、ルーフタワーを乗せる場合、いざ乗せようと思ったら、パネルの架台がルーフタワーの足とぶつかる、なんてことになってはいけません。あらかじめ、載せるルーフタワーの足の位置を確認し、どこまでパネルを乗せてよいのか確認しておきましょう。屋根の傾斜角度、ルーフタワーの足の幅が分かれば、素人でも容易に計算できますがパネルの工事の際に間違わないように、設計図面にも記載してもらうとよいと思います。ハウスメーカーが認識することで、仮にパネル設置業者が図面と違う位置に設置してしまった場合もクレームを入れられますので。

  

  もう一つ。これまた順番が後先ですが、よく、タワーの足などの影がパネルにかかると発電しないという指摘を受けます。最近のものは、1か所に光が当たらなくても、そのパネルだけが発電せずにほかの個所は発電するというような設計になっているものが多いようです。

  メーカーによって考え方も異なりますし、パネルの結線を変えて対応するという業者もあるようです。この辺はパネルメーカーともよく確認をしておいてください。

 

3.結果

  ここまでの対策を講じ、アンテナを建てた後、ノイズレベルを見てみました。

  といっても、パネルの発電を止めるスイッチがあるわけでもなく、アースを外してといった作業も基本はできません。できるのは、蓄電池のon/offくらいです。ですので、よく晴れた日にアマチュアバンド内をくまなくバンドスコープで見てみましたが、 特に変なノイズは出ていないように思えました。

  一応蓄電池のon/offも確認してみましたが、特に影響は無いように思われます。

  つぎに夜の時間帯や曇りの日にも同様にに確認してみましたが、こちらも問題なしでした。

  少なくとも交信に影響がないレベルでしたので、結果的にはOkとなりました。  

 

  追記:運用していて、時折バンド内に広い帯域で発生する信号等があります。これが、今回の太陽光パネル等に関するものなのか、外部のものなのかの判別はついていません。