先日「硫黄島の戦い」について書いたので続きとして今日は「硫黄島」の呼称についてその歴史的経緯を辿ってみよう。

戦前は硫黄採取や農業で生計を立てる民間人も多数居住していた硫黄島。太平洋戦争有数の激戦地となり(←それ以前に住民は避難)、戦後は米軍の直接占領下に置かれた。ほどなく日本に返還されたが島内全域が海上自衛隊基地の敷地とされ民間人の立ち入りは原則的に禁止されたまま。
そんな間にも自然の力は偉大なもので外洋の荒波に揉まれながらも、侵食速度を上回る勢いで隆起を続け、現在も面積は拡大しているのだとか。

ざっと教科書的な内容をおさらい。と、ここで問題。
Q.「硫黄島」読んでみ?

→「いおうじま(Iwo Jima)」と読んだ方も多かったのではないだろうか。いや、「いおうとう(Iwo To)」だろ、という方もいるだろう。

漢字で表記する分には差異が顕在化しないのだが、発音したりローマ字表記したりすると「いおうじま」?「いおうとう」?と疑問が湧いてくる。さて、どちらが正しいのか…

結論からいうと現在の正式な読みは「いおうとう(英語での正式表記→Ioto Island)」である。

   ではなぜふた通りの読みが混在しているのか。実は戦前から「いおうとう」と「いおうじま」が混在していたそうだ。島民や陸軍が前者を使ったのに対し、海図や海軍は後者を採用していたそうだ。(まあ、この辺りからも陸海軍の不仲さが…)
   そして太平洋戦争の結果硫黄島を占領することになった米国は海図の表記に従って「Iwo Jima」と呼ぶことにしたのだとか。
   日本返還後も報道や行政上「いおうじま」で継続していたが、旧島民などからの強い要望で「いおうとう」に変更された。ちなみにそれが小笠原村議会で議決されたのはなんと2007年のこと。一度変更されてしまったものを元に戻すというのはこんなに大変なことなのだ。その後、報道や地図等も「いおうとう」に変更された。


ちなみに激戦地となり米軍側も多数の犠牲者が出た硫黄島だが、米国では「Iwo Jima」が一般的なようである。
例えば
・ワスプ級強襲揚陸艦7番艦イオウジマ(Iwo Jima)
{FA2995A8-C4AF-4794-B5FD-9874DD9140D8}

・アメリカ映画『硫黄島からの手紙』の読みは「いおうじま…」であり英語表記では「Letters from Iwo Jima」である。


日本でもまだまだ世間的には(上記の映画の影響もあって?)「いおうじま」が優勢なような気がするが、今後読む機会があれば「いおうとう」と読んでみてはいかがだろうか。