表紙の可愛らしさに惹かれて読んでみました。
親に捨てられた子供達と、貴族の子供。
共通したのは、ピエタで音楽を学んだこと。
ピエタで大人になり、貴族の世界で大人になり、また、別の世界で高級娼婦として生きてきた女のひと。
それぞれの人生は、まったく違うけれど、育まれてゆく友情。
その友情を紡いだのは、根底にいたのは、亡きヴィヴァルディ。
みんながヴィヴァルディで繋がって、音楽で繋がって。
登場人物たちは、貴族の子がまるで落書きのように詩をつけた(いわば小さい頃の思い出の)ヴィヴァルディの楽譜探しに翻弄されるのだけれど、思わぬ人物がそれを持っていて。
驚いたけれど、あぁ、そこにあったのかと。
詩の内容と共になんだか全てがしっくりきて、ほろりとする作品でした。
人が知ってることなんて、広い世界の中の、ほんのちょっとだけ、という一文が、心に残ります。
確かに、私たちが知らないことって、うーんとたくさん、あるのでしょうね。
ニーチェ女史のシビアな過去や、主要と思われる人物との関係を築いていく過程が出てくるので、他の作品にも続くシリーズ物かと思ったのですが、そうでもないようですね?
まるで昔話を聞いているような感覚で、さらりと読める作品です。
我が家にはレンジがない。
あの、チーンと鳴って、食べ物がすぐにほくほくと暖かくなる便利な電化製品。
数年前まではあったのだけれど、壊れてしまってから、なんとなく買いそびれている。
壊れてしまって数日は、確かに不便を感じていたのかもしれない。
しかしいまは、レンジはなくても、特に不便を感じない。
レンジの存在が、消滅してしまった我が家。。。
恩田陸さんの作品は、これまで何作品か読んだけれど、正直、面白いと感じることがありませんでした。
不思議な作品、現実にはあり得ない設定が、どうもしっくりこず、どうして受けるのかわかりませんでした。
わたしの頭が固いだけかもしれません。
恩田陸さんファンではないわたしですが、この「消滅」は、面白かったです。
推理ゲーム。
ひとことで表すと、こうなるでしょうか。
いままで当たり前に享受できていたものができなくなり行動が制限されるなかでの、推理ショー。
いつのまにかそれは、さらりと終わってしまうし、あれだけ大騒ぎしたのに、消滅しちゃうのはこれかーって、拍子抜けする感じ。
だけど、どんな世界になったとしても、人間のなかの情や本能って、いつまでも残るのでしょう。
消滅することなく。
それを象徴するような最後のあのシーンが、わたしは好きです!!




