母の気配 | 自分らしくしなやかに

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自分の人生をいきたいと願いつつ還暦になってしまいました
母の縛りはますます強固に、介護という名で重くのしかかっています

我が家は2階建てで、街中なのでリビング&ダイニングは
南東の2階にある

設計士さんが一番気持ちのいい部屋を
リビングにすると家族が集まると言って
そこに決めた
母の部屋は同じ2階で、外からは上がらないといけないが
2階で食事も入浴も生活のすべてが同じフロアで済むようにした

「母の家」だから当然、
母の部屋は二番目に気持ちのいい部屋にした

1階には私たち夫婦と子供達3人

何もかも母優先で考え、建てたつもりだが
母は自分の部屋が2階なのが気に入らない
ずっとずっと気に入らない

階段を上がるたびに、
「ここでこけたりしたら、あんたが後悔するから気をつけてるねん」
とか
「この階段さえ無かったら、もっとひとりで出かけられるのに」
とか
あらゆる言葉で不満を言いつのる

もっと、母の部屋を1階の隅っこにしておけば良かった

今は、リビングに行こうと2階へ上がるたびに
母の部屋の前を通らなくてはいけない

玄関に来客があっても、誰かが出て行ったり帰ってきたりしても
母にはそれがわかる

門番のように部屋のドアを開けて座っている
母の部屋の前を通らなければ
リビングにも洗面所にもお風呂にも入れない

母が寂しくないように、
家族の気配が感じられるようにと
考えた間取りだった

大失敗!

日当たりの悪い1階の隅っこにしておけば
周りの家族は気兼ねなくリビングで寛げたのに!

おまけに私たち夫婦の部屋は母の部屋の真下
寝ていてもくつろげない

子供が出てからは私が子供の部屋を使っていたが
ダンナが夜中の母の物音で
熟睡できないというので交代した

母がこけたり、階段から落ちた時は
真っ先に主人が駆け寄り、私を呼んでくれた
だから物音で目が覚めると、
ずっと気になって眠れないみたい

確かに物音が気になる
私は、眠ってしまうと少々のことでは起きないので
夜中に母の物音で目覚めることは無いのだが
こうやってひとりの時間を過ごせる唯一の時間に
母の気配を感じるのは本当にイヤだ

そしてこうやって過ごす横に
いつもいてくれた愛犬がいない夜は
本当に寂しい