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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

今年の最も印象に残った映画は、トム・クルーズ主演の『トップガン マーヴェリック』以外にないと思っていましたが、ここに来て、あの「ロッキー」シリーズの最大のヒット作『ロッキー4 / 炎の友情』(1985年)にて主演・脚本・監督を務めたシルベスター・スタローンが、本作に対する人一倍の強い想いから、新型コロナ禍で時間に余裕が出来たスタローンが何百時間を費やして物語を見直すべく、すべての映像に目を通して、ロッキー、アポロ、ドラゴの戦いまでの道のりに焦点を当てて物語を再構築した快作と、この度、出くわすことなるのでした。

 

42分もの未公開映像などと、元々の上映時間の約半分とを差し替えて、94分の新生「ロッキー4」として、アメリカでの公開35周年を迎えた2020年に誕生させたのでしたが、その際、本国アメリカでは記念上映として、たった一晩限りの限定上映だったのでした。

 

ですが、嬉しいことに、ここ日本では配給会社さんなどの頑張りもあり、全国の大きなスクリーンで堪能出来るとあり、但しながら、この再編集版については、今のところ動画配信サービス(VOD)や、円盤化、所謂、DVDやBlu-rayなどのソフト化する予定もないとの事から、これは、もう、この映画こそ劇場で観なければ未来永劫観る事が出来ない可能性さえも有るかと思い立ち、京都府内での公開館のMOVIX京都とTジョイ京都の2館のうち、クルマで乗って観に行ける、京都駅八条口のイオンモールKYOTO内の大型シネコンのTジョイ京都まで、私も8月30日(火)に観に行って来ました。

 

鑑賞の記念に劇場用パンフレットが欲しかったところですが、この作品はパンフレットも元々製作されていないとのことで、その点は、非常に残念な気持ちになりました。

 

※尚、現在、MOVIX京都、Tジョイ京都では8月31日(水)で上映終了し、9月2日(金)からは、京都府内では、アップリンク京都にて上映開始しているとのこと。

 

 

今年度の30本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のTジョイ京都での3本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

 

「スタローンが本当に伝えたかった新生ROCKYⅣ(22.8/30・2D字幕」

ジャンル:人間ドラマ

原題:Rocky IV: Rocky Vs. Drago

製作年/国:2021年/アメリカ

配給:カルチャヴィル / ガイエ

公式サイト:https://www.culture-ville.jp/rocky4

上映時間:94分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年8月19日(金)

監督・脚本・主演:シルベスター・スタローン

撮影:ビル・バトラー

編集:ジョン・W・ウィーラー / ドン・ジマーマン

音楽:ビンス・ディコーラ

テーマ曲:ビル・コンティ

主題歌:サバイバー

キャスト(配役名)

シルベスター・スタローン(ロッキー・バルボア) / ドルフ・ラングレン(イワン・ドラゴ) / タリア・シャイア(エイドリアン) / カール・ウェザース(アポロ・クリード) / ブリジッド・ニールセン(ルドミラ・ドラゴ) / バート・ヤング(ポーリー) / ジェームズ・ブラウン(ご本人) / トニー・バートン(デューク) / マイケル・パタキ(ニコライ・コロフ) / ストゥ・ネイハン(コメンテイター)

 

 

【解説】

1985年に製作されたシルベスター・スタローン監督・脚本・主演のヒット作で、「クリード 炎の宿敵」の前日譚としても人気の「ロッキー4 炎の友情」を、スタローンが自ら再構築した再編集特別版。

アポロ・クリードとの戦いを経てチャンピオンとなったロッキー・バルボアの前に、ソ連から“殺人マシーン”イワン・ドラゴが現れる。ドラゴとの激戦によって、ライバルであり親友のアポロを失ったロッキーは、対ドラゴ戦のためソ連へ乗り込む。

「ロッキー」シリーズ最大のヒット作となった「ロッキー4」を、理想とする作品に作り直したいという思いを持っていたスタローンが、コロナ禍でできた時間を使って徹底的に見直し、ロッキー、アポロ、ドラゴの戦いまでの道のりや各人物の心に注目したドラマに重点を置いて再構築。オリジナル版の半分近くとなる42分の未公開シーンへの差し替え、4Kデジタルリマスター、5.1chサラウンド、ビスタからシネスコへのアスペクト比変更と、36年の時を経てまったく新しい「ロッキー4」を作り上げた。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

率直な感想

 

率直な感想としましては、

かなり期待して鑑賞に臨みましたが、その期待を裏切ること無く、1986年日本公開当時のオリジナル版では、米ソ冷戦下の戦いという点のみが強調されていた感もありましたが、今回の再編集版では、1人の人間としてのロッキー、ドラゴ、そしてアポロも含めて、それぞれの戦う理由を明確化すべく、より一層に各人物像に焦点を当て、ドラマ性豊かな力強い作品に生まれ変わった様にも感じました。

 

 

無駄なシーンを削ぎ落としスリム化

 

日本公開1986年当時の『ロッキー4 / 炎の友情』は結果的にはシリーズ最大の世界的大ヒット作となりはしましたが、今思えば、ポーリーが作った家事用ロボット「Sico」などコメディっぽい悪ふざけなシーンは全く必要ないとも思えるのですが、ロッキーの子どもとの絡みのシーンなど、色々と無駄とも思える場面を盛り込みすぎていたりしていたこと。

 

 

そして、私的には決して嫌いではないのですが、1980年代当時に流行だった1曲丸々使用した主題歌のMTV風の演出と安易な楽曲との組合せや、部分的には劇伴の使い方にも違和感も感じる部分もあったり。

 

 

ラジー賞獲得の教訓

 

また後にプライベートでは、シルベスター・スタローンの妻ともなるブリジット・ニールセン扮するドラゴの妻役があまりにも棒読み演技だったりと、その年の最低の映画を表彰するゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)では8部門ノミネートに、4部門の獲得。

 

 

シリーズの分水嶺的作品の見直し

 

ブリジット・ニールセンも、ラジー賞の助演女優賞・新人賞を受賞するなど、劇場公開以降はスッカリとネタ化され、その後のシリーズ作品は次第に先細ってしまい、ロッキーは『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)まで忘れられた存在になっていたと言っても過言でないほどに、謂わば<負の遺産>もオリジナル版に多数盛り込まれており、今作のオリジナル版は、その後のロッキーシリーズにおける分水嶺的作品にもなっていたことから、スタローン自身も複雑な思いを持っていたのでしょうか。

 

 

悪ふざけのない力強い人間ドラマへ改変

 

そのため、今回の再編集版では、悪ふざけが過ぎたポーリーの家事用ロボットのシーンをバッサりと削除するなど、より一層に、ロッキーを軸に、ドラゴ、アポロ、そしてロッキーの妻のエイドリアンとの関係性に着目した未公開カットなどと差し替えることにより、よりシンプルにドラマ性豊かな力強い人間ドラマの作品に生まれ変わっていました。

 

 

未公開カットを42分差し替え追加

 

新生『ROCKYⅣ』ではそういった無駄な珍場面をバッサリ切って削ぎ落とし、ロッキーとアポロの友情とその伏線に焦点を当てていました。

追加されたのは、アポロがロッキーとその妻エイドリアン(タリア・シャイア)にドラゴと戦う計画を話すシーン。エイドリアンが、アポロがドラゴと戦うことに心配そうにするシーン。葬儀でのデューク(トニー・バートン)の弔辞、そしてロッキーの男泣きをしながらアポロへの感謝の言葉を述べるシーンなど。

 

 

ドラゴの人間味を強調

 

そして、オリジナル版ではドラゴのインタビューは、冷酷さのみを感じさせる<殺人マシーン>っぽさを強調していましたが、今回の再編集版では、アスリートとしての自己主張的な発言も新たに加わって、ドラゴの人間味も、しっかりと見せている点も大きな違いかと思われました。

 

 

単なるボクシング映画でなく人間ドラマ!

 

こういったドラマ部分の多くが差し替えられている点からも、スタローンが「これは単なるボクシング映画ではない人間ドラマなんだ!」と強調する通りの作品となっていました。

 

 

主題歌と劇伴の効果的な活用

 

この作品で観客を興奮させたナンバーは、この再編集版の『ロッキーVSドラゴ:ROCKYⅣ』にも、しっかり継承されており、アポロVSドラゴ戦の前の、ジェームズ・ブラウンによる『リビング・イン・アメリカ』のパフォーマンスには、オリジナル版とは異なるカットも使用されているので、ロッキーシリーズのファンならば目を見張るかも(笑)。

 

 

 

主題歌&劇伴を厳選

 

また、全11曲ある主題歌と劇伴の中から、特に使用する主題歌や劇伴も絞り込む。

◎ドラゴ戦を決意して車を飛ばすロッキーの回想に重なるロバート・テッパーの『ノー・イージー・ウェイ・アウト』。

◎ソ連到着時のサバイバーの『バーニング・ハート』。

◎ロッキーの訓練のシーンを盛り上げるジョン・キャファティの『ハーツ・オン・ファイヤ』

なども当然ながら使用されています。

 

 

また、『ロッキー3』の主題歌として全米ヒットチャートでナンバーワンにも輝いたサバイバーの『アイ・オブ・ザ・タイガー』も流れますが、オリジナル版の『ロッキー4』とは使用箇所が異なり、今作の再編集版の方が、より盛り上がるように構成されて使用されているのも良かった。

 

 

コロナ禍が、災い転じて福と成す

 

何故今『ロッキー4』なのか?

『ロッキー4』の製作35周年に当たる2020年、世界は新型コロナ禍というパンデミックに覆われてしまった。

そんな中、この『ロッキー4』で監督・脚本・主演を務めたシルベスター・スタローンもまた、ロックダウンによりステイホームを余儀なくされるのでした。

ただ、その新型コロナ禍が、まさに、災い転じて福と成すといったように、この期間があったからこそ、『ロッキー4』はスタローンの手により、劇的に生まれ変わることとなったのでした。

 

 

また、『ロッキーVSドラゴ:ROCKYⅣ』を再編集し製作作業していた際には知る由もなかったのですが、そこで描かれた米ソの対立構図は図らずも、今日の2022年のロシアのウクライナ軍事侵攻をめぐる世界情勢とも重なってしまった点や、今回の映画の中で、試合後のロッキーのスピーチを聞いたソ連の書記長の反応が『ロッキー4』と『ロッキーVSドラゴ:ROCKYⅣ』で異なる点も、かなりゾッとさせるものとなっていたりと、あたかも預言めいていて、その点でもなかなか面白く観る事が出来ました。

 

 

私的な評価:★★★★★(100点)以上

 

私的な評価としましては、『ロッキー』シリーズの大ファンという贔屓目に観た評価になりますが、五つ星評価的にも100点満点以上の評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

お話しの流れは基本的に同じでも、見事なくらいに全く違う味わいの作品に再構築されていました。

 

ソ連の観客が最終的にロッキーに声援を送るように変わるという筋書きは、いささか出来過ぎ感はありますが、最後のロッキー・バルボアの台詞にしても、いまロシアにより社会情勢が揺れている御時世だからこそ観て欲しいメッセージが込められた映画かとも思いました。

 

 

 

○『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』絶賛公開中!スタローンが再編集したシーンについて語る貴重な動画

 

 

 

○2022.8.19公開『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』 予告編

 

 

 

※思わず、私も早速にも『ロッキー4』のオリジナルサウンドトラック盤をiTunesStoreから購入しDLしてしまったほどでした。

 

 

 

○Rocky IV 4 - " No Easy Way Out " by Robert Tepper in High Definition (HD)

 

 

 

○Rocky IV - Burning Heart - Survivor (Music Video)

 

 

 

○Rocky IV - Hearts On Fire Film Edit (Extended Version) Enhanced Audio

 

 

○Rocky IV Eye Of The Tiger (SURVIVOR)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

 

 

Ado『ウタの歌』主題歌サントラ盤

 

 

 

今更ながらですが、未だに劇場版アニメ『ONE PIECE FILM RED』の映画自体は観に行けていないものの、Adoが歌う主題歌『ウタの歌』のサントラ盤をフリマアプリのメルカリで購入して以来、ヘビロテ状態で聴きまくっています~♪

 

 

『ONE PIECE FILM RED』の豪華版CD付パンフレットについては、公開初日に即日完売でしたので、フリマアプリのメルカリでは一時期は定価の3倍近い価格で取引なされていましたが、それにも拘らず、何れの劇場も再販売予定の見込みがないみたいでしたので、高値とは知りつつも泣く泣くメルカリで購入しましたが、映画主題歌を収録した『ウタの歌』のサントラ盤については、定価よりも安価に購入出来たので良かったです。

(東映さんも、もっと大量に豪華版CD付きパンフレットも生産しておいて欲しかったです・泣)

 

 

○【Ado】新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)

 

 

 

○【Ado】私は最強 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)

 

 

 

○【Ado】逆光(ウタ from ONE PIECE FILM RED)

 
 

 

先日の8月27日(土)の朝から、かかりつけ医の方から「ワクチン接種の空きが出来たのでどうなされますか?」と電話連絡が入ったので、ワクチン接種のお願いをして新型コロナワクチン接種4回目として、今回もファイザー製ワクチンを筋肉注射して貰いました。

接種後の土日は、痛くも痒くもなく、特段にこれと言った副反応もなく過ごす事が出来ました。

2回目接種の際には、注射を打って貰った肩口の辺りがジンジンと痛んだのですが、今回の4回目接種は、3回目接種の際と同様にそう言った事もなかったです。

 

アメリカでの統計結果にもある通り、やはり副反応については、ファイザー製ワクチンよりもモデルナ製ワクチンの方が強い副反応が出るみたいですね。

 

 

 

 

 

 

8月29日(月)は焼肉の日ならぬ、浜辺美波さんの22歳の生誕祭

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

京都の夏の風物詩でもある五山送り火の翌日。8月17日(水)も、京都市内はバケツをひっくり返したような、もの凄い集中豪雨状態でしたが、朝早くから、年老いた父親と共に、クルマに乗って、京都駅八条口のイオンモールKYOTO内にあるT・ジョイ京都まで、『長崎の郵便配達』というドキュメンタリー映画の鑑賞に出向いて来ました。

 

つきましては、未だ劇場鑑賞済みで感想をブログ記事化出来ていない映画が邦画で4作品ほど残してはおりますが、このドキュメンタリー映画『長崎の郵便配達』の上映終了日が間近ということもあり、取り急ぎ、先ずは、本作の感想について、当該ブログ記事に感想を記録として残しておきたいと思います。

 

 

今年度の29本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のTジョイ京都での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

 

「ナガサキの被爆者と亡き父との心の交流の足跡を辿る娘の旅(22.8/17・2D字幕)」

ジャンル:ドキュメンタリー

製作年/国:2021年/日本

配給:ロングライド

公式サイト:https://longride.jp/nagasaki-postman/

上映時間:97分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年8月5日(金)

撮影・監督:川瀬美香

エグゼクティブプロデューサー:柄澤哲夫

プロデューサー:イザベル・タウンゼント / 高田明男 / 坂本光正

プロダクションアシスタント:坂本肖美

構成・編集:大重裕二

音楽:明星・Akeboshi

出演:

イザベル・タウンゼント / 谷口稜曄(スミテル) / ピーター・タウンゼント 他

 

 

【解説】

名作映画「ローマの休日」のモデルになったと言われるイギリスのタウンゼンド大佐と、長崎で被ばくした少年との交流を描いたドキュメンタリー。

戦時中にイギリス空軍の英雄となり、退官後は英国王室に仕えたピーター・タウンゼンド大佐。1950年代にはマーガレット王女との恋が報じられ、世界中から注目を浴びた。

その後ジャーナリストとなった彼は、長崎で被ばくした男性・谷口稜曄さんを取材し、1984年にノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を発表する。

谷口さんは16歳の時に郵便配達中に被ばくし、その後生涯をかけて核廃絶を世界に訴え続けた。

映画ではタウンゼンド大佐の娘で女優のイザベル・タウンゼントが2018年に長崎を訪れ、著書とボイスメモを頼りに父と谷口さんの思いをひも解いていく姿を追う。

監督は「あめつちの日々」の川瀬美香。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

率直な感想としましては、

ナガサキの原爆投下の日でもある、今年の8月9日(火)のNHKのニュースウォッチ9でも、このドキュメンタリー映画のことが紹介されていたので、期待して鑑賞に臨みましたが、思い描いていた内容とは多少違いましたが、良い意味合いで嬉しい誤算の程良い反戦映画となっていて観て良かったです。

 

 

そもそもは、川瀬美香監督は、ナガサキの被爆者のひとりであり、長きに亘り核兵器廃絶運動のリーダーとしても活動なされてられた、谷口スミテルさんがご存命中に、ピーター・タウンゼント氏の実娘で、現在フランスで女優としても活動されているイザベル・タウンゼントさんとの対談形式によるドキュメンタリー映画を当初は企画されていたそうですが、残念ながら、谷口スミテルさんが2017年8月30日に帰らぬ人となられたことから、プロジェクトは一時中断。

 

 

そんな中、イザベル・タウンゼントさんが奇跡的に亡き父の遺品の中からピーター・タウンゼント氏の当時の取材テープを発見し、そのテープに録音されていた、軍人だった過去への贖罪の言葉を聞いたことから、決意を新たにして、被爆者として苦難の日々を過ごされてきた谷口スミテルさんと長年に亘り心の交流を続けられていた亡き父ピーター・タウンゼント氏との足跡を辿るべく、娘のイザベル・タウンゼントさんが翌年の2018年8月に長崎に訪れて、直接に関係者に話しを聞き、父と谷口スミテルさんとの想いを紐解いていく形式のドキュメンタリー映画となったそうです。

 

 

谷口スミテルさんは、1945年8月9日、長崎市で郵便局員として働いていた、16歳の夏、配達中に被爆。

 

 

人間の皮を剥がし、肉を剥き出しにされた被爆者たちが野ざらしにされていた場所で、被爆者達が次々と亡くなっていかれた中で唯一生き残った少年が谷口スミテルさんでした。

 

 

数多くの被爆者が居られた中にあって、私は、そんな谷口スミテルさんのその生命力の凄さにも驚かされました。

 

 

記録写真では「赤い背中の少年」とも呼ばれ、3年7ヶ月の闘病生活の間、1年9ヶ月うつ伏せの状態で身動き一つ出来なかったために、胸が床ずれで皮膚が腐ってしまったらしく、胸は今でもえぐり取られたようになり、肋骨の間から心臓が動いているのが見えるほどの恐ろしい体験をされた、彼を取材した著書『ナガサキの郵便配達』。

 

 

60歳代で長崎を訪れたピーター・タウンゼント氏は、毎日毎日、谷口スミテルさん宅を訪れて、話しに出てきた場所を回っていたらしいです。

 

 

真実を伝えたいという思い一心で真剣だったタウンゼント氏のその姿に谷口さんも友情を感じてられた様だったとのことでした。

 

 

元英国軍人と被爆者との結びつきを通して、原子爆弾の悲惨さ、平和の大切さを訴える反戦映画としても、著者のピーター・タウンゼント氏の娘イザベル・タウンゼントさんの朗読と、著者のピーター・タウンゼント氏の取材テープの録音された声、実際の谷口スミテルさんの映像などを交え、とても丁寧に折り込んで構成し作り上げられていました。

 

 

原子爆弾で焼けただれて腕の皮が垂れ下がったのを近くに居た女工さんにハサミで切ってもらった、という著書の朗読のくだりが、まさに地獄絵図のようで想像するだけでも恐ろしくもありました。

 

 

原爆投下された長崎のその詳細を、まるで知らなかった私にとっては、何から何まで実に衝撃的なドキュメンタリー映画でした。

 

 

当初、北九州の小倉に投下される予定だった原爆が、たまたま厚い雲で覆われていたために、第2投下候補地の長崎に変更になったというこの明暗を分けた出来事をはじめ、知らなかったことばかりで、本当に勉強にもなりました。

 

 

2018年8月、長崎。イザベルさんは著書をなぞり、時に父のボイスメモに耳を傾けながら、スミテル少年が毎日歩いた階段や神社、そして被爆した周辺など、父も歩いたであろう場所を訪ね歩くのでした。

 

 

また長崎のお盆の伝統行事、精霊流しでは谷口さんの家族と一緒に精霊舟を引いたりするのでした。

 

 

谷口スミテルさんは、生前に、長い間絶版になっていた、この『ナガサキの郵便配達』の復刊にかける熱い想いを、川瀬美香監督にも伝えられていたらしく、またイザベル・タウンゼントさんも亡き父の意志を受け継ぎたいと願ってられた事から、今回、このドキュメンタリー映画が実現し、公開の陽の目を見たことにより、ピーター・タウンゼント氏の著書に著わされている原爆の悲惨さ、平和の大切さを少しでも多くの人々に再確認してもらえる機会が出来て良かったと思いました。

また、著書の方もどうにか復刊する運びになったようですので、谷口スミテルさんも天国で喜んでられることかと思います。

 

 

 

私的な評価としましては、

題材が題材だけに採点評価し辛いのですが、原子爆弾投下の悲劇というと、どうしてもヒロシマがクローズアップされがちですが、ナガサキの原爆による地獄絵図のような悲劇や、谷口稜曄(スミテル)さんという、ナガサキの被爆者の生き証人のひとりとして、2015年にニューヨークの国連本部で開催された「核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議」にあわせて渡米され、国際会議でスピーチされるなど、その半生を核兵器廃絶運動にも尽力されておられた方が居られたことも今回初めて知ることが出来ました。

 

 

ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻や大規模原発施設に向けての攻撃など「核兵器」や「核の脅威」という言葉が如実にリアルに響く、今この時こそ、多くの人にも観て欲しい作品だと思いました。

 

核の脅威を盾にして、ウクライナへの軍事侵攻を指示し続ける、ロシアのプーチン大統領にこそ観て欲しい作品だとも思いました。

 

 

映画的に出来映えがどうだとこうだというよりも、そのメッセージ性・訴求力の強さのみを採点評価のポイントとしまして、五つ星評価的には、ほぼ満点評価の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

○8/5(金)公開『長崎の郵便配達』本予告

 

 

 

○映画『長崎の郵便配達』高校生制作 予告映像(1)

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。