昨年(2022年)に劇場鑑賞した45作品のうち未だブログ記事化出来ていない作品が、あと計9作品残っておりますので、今回は、先ずは、昨年11月4日(金)に全国公開された、女優・小雪さんの12年振りの映画主演作品であり、9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも、世界で初めて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと母・令子さんの実話を基に描いた人間ドラマを映画化した『桜色の風が咲く』を、公開日から約1ヶ月近くを経た、12月1日(木)の映画の日に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで、今回も、年老いた父親と一緒に劇場鑑賞に出向いて来た際の感想について、今更ながらで恐縮ですが、拙ブログにも記録に残しておきたいと思います。
鑑賞当時、昨年度の42本目の劇場鑑賞作品。
(※昨年度のイオンシネマ草津での20本目の劇場鑑賞作品。)
※尚、タイトル名は『桜色の風が吹く』ではなく『桜色の風が咲く』という小洒落たネーミングになっています。

「見えない聞こえない盲ろう者で世界初の大学教授となった福島智さんの生い立ちを描いた人間賛歌(22.12/1)」
ジャンル:ヒューマン
製作年/国:2022年/日本
製作会社:スローネ / キャラバン・ピクチャーズ
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/sakurairo/
上映時間:113分
上映区分:PG12
公開日:2022年11月4日(金)
製作総指揮:結城崇史
音楽:小瀬村晶
撮影:長野泰隆
編集:出野圭太
脚本:横幕智裕
監督:松本准平
キャスト(配役名):
小雪(福島令子:智の母) / 田中偉登(福島智:青年期) / 吉沢悠(福島正美:智の父) / 森優理斗(福島智:幼少期) / 遠藤千空(福島智:幼児期) / 辻岡甚佐(福島和弘)/ 長嶋琉李(福島和弘:幼少期) / 和宥(福島久志) / 前川伊織(福島久志:幼少期) / 吉田美佳子(増田真奈美) / 山崎竜太郎(山本正人) / 札内幸太(矢野正孝) / 山口太幹(山内秀樹) / 上山学(児玉徹)/ 天田暦(金沢信夫)/ 増田俊樹(山上護)/ 新野七瀬(水川真美) / 川村瑠泉・飯田しゅん・池田千喜知(上級生役) / 平本有真・山郷弘翔(小学生役)/ 秋沢淳子(アナウンサーの声・時報)/ 朝倉あき(飯田瑞穂) / 井上肇(奥田勝利) / リリー・フランキー(長尾光則) ほか
(以上、劇場向けパンフレットより、引用抜粋。)

【解説】
世界で初めて盲ろう者の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センター教授・福島智さんと母・令子さんの実話を基に描いた人間ドラマ。
関西の町で教師の夫や3人の息子とともに暮らす令子。幼少時に失明した末子の智は家族の愛情に包まれて天真爛漫に育ち、東京の盲学校で高校生活を送るが、18歳の時に聴力も失ってしまう。
暗闇と無音の世界で孤独にさいなまれる智に希望を与えたのは、令子が彼との日常から考案した新しいコミュニケーション手段「指点字」だった。
母子は勇気を持ってひとつずつ困難を乗り越え、人生の可能性を切り拓いていく。
小雪が母・令子役で12年ぶりに映画主演を務め、「朝が来る」の田中偉登が青年期の智を演じる。
監督は「パーフェクト・レボリューション」の松本准平。
(以上、映画.comより、引用抜粋。)

率直な感想としましては、神戸が主な舞台の作品ながら、他の配役の俳優陣は全て関西弁の台詞を話すのに、主演の福島令子役の小雪さんが終始に亘り綺麗な東京言葉だったのが何か意図があるのかと、やや気になってモヤモヤとしてしまいましたが、変に泣かせようとするような脚本でもない点には好感が持てました。

あらすじ。
そもそも人間がコミュニケーションを図るには五感を駆使して様々な情報を得ることにより相手との意思疎通を図ろうとします。
その五感の中でも、特に視覚は非常に情報量が多く8割から9割ほどの情報量を占めているそうです。
しかし、その視覚が不自由だと、次は聴覚で補おうとするのが一般的ですが、その聴覚まで失ってしまうと・・・。

今作は、視覚も聴覚も障碍を持つ盲ろう者になりながらも世界初の大学教授になった実在の人物・福島智さんの生い立ちを、その母・令子さんを通して描いた真摯で温かな人間賛歌の映画となっています。

兵庫県の、とある町で教師の夫や3人の息子とともに暮らす令子。
末っ子の智が、幼児期に眼の病気から、看病の甲斐もなく、片目を失ってしまう。
その事に憤慨する母・令子でしたが、智は持ち前のその前向きさから活発な少年に成長していきましたが、程なく9歳の時にもう片方の視力も失い全盲となってしまうのでした。

数年後、高校に行くのに、東京の盲学校に進学することから寮生活を送ることになり、家族の元から離れて暮らすことになるのでした。

高校生活では同級生たちと青春を謳歌していた智でしたが、急激に聴力まで失ってしまうのでした。

八方塞がりの中で、極端な食事制限療法や運動療法などの怪しげな民間療法による治療も試みるのでしたが、一向に改善する気配もなく自暴自棄になりそうな智でした。そして、その姿を見つめながら母・令子も苦しむのでしたが、とある切っ掛けで、令子にひらめきが生まれるのでした。
果たして母・令子は智の窮地を救う事が出来るのか?
といったイントロダクションの映画でした。

視覚を失うだけでもかなりのハンディキャップの中、聴力もとなるとその生活や絶望感は筆舌し難いものかと思われました。
特に、聴覚は急激に失われていく事となるため、頼りにしていたものが失われていく過程は観ていながらもかなり辛いものがありました。
藁にもすがるかの如く、怪しげな民間療法による治療に励む智とその母・令子を観ていると、あたかも、PTSD障碍の治療のために様々な治療法を謳う病院を訪れては効果が期待できずに、絶望感にさいなまれていた過去の自分の姿を観ているかのようでもあり心苦しかったですが、とは言え、視覚・聴覚といった大きなコミュニケーションの術を失った福島智さんの当時の絶望感とは、さぞや雲泥の差で比べものにならなかったことでしょうね。

「指点字」の考案による希望の灯り。
そんな中、視力と聴力をともに失った息子の智のために母親の令子が智との会話から考案し、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーション手段として広がっていく<指点字>誕生に至るのでした。
前半部の目が見えなくなってしまう幼少期の智に多くのモノを見せてやりたいと家族旅行に行くシーンと、この後半部の<指点字>による新たなコミュニケーションによる会話術を、母・令子がひらめいたシーンには、ついつい目頭が熱くなってしまいました。
欲を申せば、主演の小雪さんにも、出来れば関西弁で演じて欲しかった。
ただ、欲を申せば、新型コロナ禍の中、撮影の中断があったりと、厳しい撮影スケジュールだったみたいですが、<指点字>による会話術などのマスターなど覚えることが沢山あり過ぎて、精一杯で、母・令子役の小雪さんも大層ご苦労されたこととは思いますが、ただ、下手くそでも良いので、小綺麗な東京言葉ではなく、関西弁(神戸弁)も方言指導を受けられて演じて欲しかったと思いました。
この方言の点については、本作の松本准平監督に直接Twitterにて質問させて頂きますと、回りくどいながらも遠回しな答えが連続投稿にて真摯なるご返答を頂きましたが、要は、従来からの純然たる品のある小雪さんらしさを失わないような台詞回しを考えると東京言葉で通すことに落ち着かれたみたいでしたが、とは言え、現在のNHK大阪放送局制作の連続テレビ小説『舞いあがれ!』などを観ていましても、東大阪市に住む主人公・岩倉舞(福原遥さん)の母親役の永作博美さんが関西弁を話されていても決して品のない感じなどはしなかったですから、関西弁=下品なおばちゃん言葉って感じとは決して思って欲しくなかったので、その点は、やや残念でしたね。

また、ここまでの福島智さんの道程はほぼ予告編の内容通りでもあり、お話し自体に大きなサプライズ的な要素が少なかった点も映画的にはやや勿体なかったかも知れないですね。
私的評価:★★★★(80点)
実話ベースだけに福島智さんの身に起きた不幸な障碍は凄まじいものでしたが、それでも人との繋がり・コミュニケーションを諦めずに生きる姿勢には驚くべきものが有りましたし、辛いシーンも多い中、母・令子さん考案の<指点字>による会話という術を得るなど、前向きになれる作品かとも思いました。
また淡々とその生い立ちについて振り返る作品となっているのみで、あえて観客を泣かせようとするような脚本ではなかった点も好印象な作品でした。
従いまして、五つ星評価的には四つ星評価の★★★★(80点)の高評価も相応しい作品かと思いました。

また、レイティングについては、お正月にお屠蘇として未成年の智たち福島家の三兄弟に父親がお酒を飲ませるシーンがある点のみで、PG12の規制対象になっているだけで、他には観ていて残酷なシーンや性表現などもない作品ですので安心して子供にも観せることが出来る映画かと思いますので、是非ともご家族ご一緒にご覧下さればと思います次第です。
○【公式】『桜色の風が咲く』本予告 11月4日(金)公開
○【公式】桜色の風が咲く バリアフリー字幕版 予告編解禁! 11/4(金)公開
今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。