2/16(土)に、京都市内から滋賀県草津市のイオンシネマ草津に出向き、父親と一緒に、本作品を2D字幕版で鑑賞。
「月面到達までの苦難の疑似体験型映画(19.2/16・2D字幕)」
ジャンル:人間ドラマ
原題:FIRST MAN
製作年/国:2018年/アメリカ
配給:東宝東和
公式サイト:https://firstman.jp/
上映時間:141分
映倫区分:一般(G)
公開日:2019年2月8日(金)
監督:デイミアン・チャゼル
キャスト:
ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール、キアラン・ハインズ、パトリック・フュジット、ルーカス・ハース 他
【解説】
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングのコンビが再びタッグを組み、人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。
ジェームズ・R・ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、ゴズリングが扮するアームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてまで行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェクトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる。
アームストロングの妻ジャネット役に、「蜘蛛の巣を払う女」やテレビシリーズ「ザ・クラウン」で活躍するクレア・フォイ。そのほかの共演にジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー。
脚本は「スポットライト 世紀のスクープ」「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」のジョシュ・シンガー。
(以上、映画.comより、引用抜粋。)
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」との有名な言葉を残した、1969年7月。人類で初めて月に降り立った、アポロ11号の宇宙飛行士ニール・アームストロング船長を、<一人の人間として>の彼の半生を描き映画化した作品でした。
お話しの流れ的には、
幼い娘を亡くした優秀な空軍のテストパイロットであった、ニール・アームストロングは、NASAの宇宙飛行士の公募に応募し、見事選抜されるのでした。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受けるのでした。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙開発競争において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月面への着陸を目指すと宣言するのでした。
早速にも、ジェミニ計画に参加することになったニール・アームストロングは、厳しい訓練を経て、ジェミニ8号にて、無人機であるアジェナ(ロケット)標的機とのドッキングを無事に果たしたのでしたが、アジェナ共々回転が止まらなくなり、一旦ドッキングしたアジェナを切り離すことに・・・。
といったイントロダクションの映画でした。

ただ、これまでの『セッション』や『ラ・ラ・ランド』といったデイミアン・チャゼル監督の過去の2作品から、エンタメ性や映画的なカタルシスを求めて鑑賞に出向くと、淡々としたドキュメンタリータッチなお話しの起伏の少なさから、やや退屈な作品に感じられたり、眠たくなってしまった観客もお有りの様で、かなり賛否が大きく分かれているみたいですね。
ですが、この作品は、エンタメ性よりも、宇宙飛行士自身を主観に捉えた独特なカメラワークによって、死と隣り合わせの恐怖感やコックピット内での圧迫感まで感じ得るかの如く、すごくリアルに再現されていて、彼と共に月面着陸までの過程を追体験するかのような、終始抑えめながらも緊張感が続いていくといった、まさに疑似体験型映画にもなっていました。

疑似体験型映画と言えば、最近では、あのクリストファー・ノーラン監督の戦争映画『ダンケルク』(2017年)を想起しますが、あちらの方はハンス・ジマー作曲による激しい劇伴と効果音を響き渡せることで、死と隣り合わせの恐怖感を継続的に演出していましたが、こちらの『ファースト・マン』の方は、全くその真逆で、申し訳なさそうなくらいにジャスティン・ハーウィッツ作曲の旋律が静かに流れていき、これはこれで緊張の糸が張り詰めるような静寂感により、徐々に真綿で首を絞めるかの如く、死に対する恐怖感・緊張感を見事に演出していました。

ニール・アームストロング船長による月面への第一歩も、例えば、もしも、あのロン・ハワード監督が撮っていたとするならば、もっと映画的なカタルシスを得られるような劇的なエンタメ性に富んだ描き方を造作もなくしたのかも知れないでしょうけれど(苦笑)。

今回のデイミアン・チャゼル監督の場合には、淡々とした描き方ながらも、ニール・アームストロングが参加した、このジェミニ計画からアポロ計画の幾多の試練の間に、亡くなっていった同僚たち、また幼くして亡くなったニール・アームストロングの娘の命も悼みながら、この<生命の宿る星・地球>と対極にある、既に死んでいる惑星でもある月を<死後の世界>と、ある種の隠喩を持たせていると、チャゼル監督もインタビューでも答えられてる様ですね。
その暗喩に基づくと致しますと、今から50年前。単なる半世紀前の彼らの偉業を追体験する作品にとどまらず、人生を変えてしまうほどの喪失感や数え切れないほどの悲しみを抱えた男が、<月=死後の世界>に行ってまで愛する我が子、そして共に歩んだ仲間達の想いを遂げようとする姿を描いた誠実で壮大な人間ドラマとして演出し撮っている点にも好感が持てる作品でした。

親しくして頂いている、映画ブロガーのemiさんのブログ記事内に記載されていた、「いつ星屑になってしまうかも分からない男とその妻と子供たちが、どうやってリアルライフを継続させていくのか。帰宅しても家族とギクシャクするニールは、現実社会に馴染めない帰還兵とちょっと似ている。」という意見も目にしましたが、(この作品の劇中には、生憎と詳しい説明がないのですが)、ニール・アームストロングが、朝鮮戦争で実戦経験がある優秀なパイロットでもあった、その彼の図太いはずの精神力を以てしても、米ソの間の宇宙開発競争の中、次々と多大な犠牲者を出し、その上、世論はNASAの開発費は税金の無駄遣いとデモや集会が実施されるなどしていれば、PTSD障碍までに至らなくても、かなり精神状態もおかしくなり、家族ともギクシャクするのも分からないでもないと思われました。

また、我慢していた妻のジャネット役のクレア・フォイが、逃げてばかりの夫のニール・アームストロング役のライアン・ゴズリングにビシッと言うところが良かったでしたね。
夫婦だけならばそんな夫をそっとしておいてあげるのもいいのかも知れないですが、子供がいて、またそれ相応の年齢に達しているのならば、帰還できないかも知れないという旨の説明義務は親として当然果たすべきでしょうからね。

ライアン・ゴズリングの無表情な演技と相まって、あたかも『ブレードランナー2049』のレプリカント(?)と言った様にも受け取れるくらいに、最後まで感情をあらわにすることなく非常に感情表現が不器用なニール・アームストロング像でしたが、この静かな演技により、細やかな心情を表現してくれていたかと思いましたし、最後のガラス越しに妻のジャネット役のクレア・フォイと遣り取りするラストシーンも個人的にも好きですね。

宇宙空間ものの映画では、やはりIMAXも良さげですが、4DXやMX4Dならばジェミニ8号のトラブルの際の臨場感も半端なさそうですね(汗)。
2D字幕版で観た私でさえも、ロケット発射時の<轟音>と、荒涼とした月面の<無音>の静寂感が、死との恐怖感、そして、実に、この世とは隔絶した感覚にさせられましたので、IMAXなどの音響設備ならば尚更でしょうね。
ですので、今後、もしも、この作品をご覧になられるのでしたらば、ドルビーアトモス若しくはIMAXなどの出来る限り、音響効果の優れた設備の劇場でご覧になられる事をオススメします。
また字幕翻訳についても、予てからその意訳の的確さや素晴らしさにも定評がある翻訳家の松浦美奈さんによる字幕翻訳に、毛利衛さんの字幕監修という最強タッグですから、安心感この上ないです。

ただ、ちょっと作品に対して、欲を申せば、お話しの起伏が少ない分、141分という上映時間が長尺に感じてしまったので、編集上、もう少し短くなれば良かったかなとは思いました(汗)。

私的な評価と致しましては、
「この主人公ニール・アームストロング像に共感出来ない。」と言った意見も一部に散見しているようですが、私個人的には、この抑えめながらも持続し続ける死と隣り合わせの緊張感・恐怖感を映像から疑似体験していて感じることは、主人公のニール・アームストロングの置かれている状況を鑑みると、あの様な現実社会に馴染めない様な不器用な性格であっても然るべきでしょうし、当時のアポロ計画のコンピュータの処理能力は、任天堂の初代のファミリーコンピュータの性能よりも劣るくらいの物だったことからすれば、死をも覚悟して、人類初の偉業を成し遂げに行った<一人の人間として>の誠実で壮大な人間ドラマとして実に秀逸だったと感じました。
賛否両論が大きく分かれているみたいですが、歴史的偉業でありながら、あえて劇的で映画的なカタルシスを得られないような演出が見事過ぎるぐらいに淡々としている点が素晴らしかったですね。
これも、あくまでも<一人の人間として>のニール・アームストロングを描いていたのでしょうね。
ですので、五つ星評価的には四つ星半評価のほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい映画かと思いました次第です。
※ただ、私個人的には凄く良く出来た映画に感じましたが、賛否が大きく真っ二つに分かれているみたいですので、あえてオススメは致しません。
ご覧になられる際も、あくまでも期待値のハードルを高くせずにご鑑賞下さればと思います(汗)。
HALU6700@HALU7100
#イオンシネマ草津 で『#ファースト・マン』鑑賞。月への到達に立ちはだかる幾多の試練を、あたかもその場に居るかの如く臨場感溢れる映像で体感する事により、半世紀前の偉業を再認識!ニール・アームストロング役のライアン・ゴズリングも然る… https://t.co/QQgS4A6CDN
2019年02月16日 23:00
HAiQ☀俳丘@GuntouQ
『ファースト・マン』 『ラ・ラ・ランド』ではアメリカの夢を俯瞰の鮮やかさで描いてみせたチャゼルは、今度は徹底的に揺れまくる飛行士の主観で体験させる。わかったような俯瞰は、許されない。
2019年02月16日 23:51
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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。
























































