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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

父親の持つイオンシネマのワタシアタープラス会員カードの6ミタ無料鑑賞ポイントが貯まっていましたので、私が前日に自分一人で行って来た、『パラサイト 半地下の家族』の鑑賞に引き続いて連日の映画鑑賞でしたが、先月の1月24日(金)、本作品の公開日からは1週間後に、イオンシネマ京都桂川まで、今作が、今年になって初めて父親と一緒に劇場観賞に出向いて来た作品でした。

 

※尚、今年の第92回アカデミー賞にも絡んでいた作品で、作品賞、脚色賞(タイカ・ワイティティ)、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞の6部門にノミネートされていましたが、先日の授賞式で、見事に脚色賞(タイカ・ワイティティ)を受賞されました。

 

1月に劇場で観た計4本目の作品。

 

監督は『マイティ・ソー/バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。

監督自らが少年の妄想の友人ヒトラーを演じています。

 

 

「ナチスに洗脳された少年を偏見から解放するお話(20.1/24・字幕)」

ジャンル:コメディ/人間ドラマ

原題:JOJO RABIT

製作年/国:2019年/アメリカ

配給:20世紀スタジオ(ウォルト・ディズニー・ジャパン)

公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/jojorabbit/

上映時間:109分

上映区分:一般(G)

公開日:2020年1月17日(金)

監督:タイカ・ワイティティ

キャスト:

ローマン・グリフィン・デイビス、トーマシン・マッケンジー、タイカ・ワイティティ、レベル・ウィルソン、アーチー・イェーツ、スティーブン・マーチャント、アルフィー・アレン、サム・ロックウェル、スカーレット・ヨハンソン ほか

 

 

【解説】

「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ。

第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。

しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。

母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。

それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。

主人公のジョジョ役をローマン・グリフィン・デイビス、母親役をスカーレット・ヨハンソン、教官のクレツェンドルフ大尉役をサム・ロックウェルがそれぞれ演じ、俳優でもあるワイティティ監督が、ジョジョの空想の友だちであるアドルフ・ヒトラーに扮した。

 

第92回アカデミー賞では作品賞ほか6部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

舞台は第二次世界大戦末期のナチス支配下のドイツ。

狂気と暴力が支配した時代を、少年の目でみつめるが如くに描いていました。

ユーモラスでノスタルジックな映像の中にナチやアドルフ・ヒトラーへの風刺を込め、戦争の悲惨さ、大人たちの欺瞞だらけの思想をしのばせました。

大いに笑った後で、観客も、タイカ・ワイティティ監督のたくらみに気付くはず。

 

 

10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)はナチスに傾倒。

 

いよいよ青少年団「ヒトラーユーゲント」の合宿に参加するにあたり、ジョジョは興奮していたのでした。

しかし、果たして自分に出来るのかと気弱な心になるのでしたが、そんな時はいつも空想の世界でヒトラー(タイカ・ワイティティ)と友人になって対話して励ましてもらうのでした。

 

 

合宿には親友のヨーキー(アーチー・イェーツ)も参加しているので心強かったのでした。

担当教官は、目を負傷して第一線を退いたクレンツェンドルフ大尉。自称:キャプテンK(サム・ロックウェル)。

厳しい教練に何とかついていくジョジョでしたが、事件は起きた。

 

キャプテンKから、「ウサギを殺せ」という指示に従えず、「ジョジョ・ラビット」という不名誉な渾名を付けられてしまうのでした。

 

 

ウサギを殺せず逃がしたジョジョに「お前は親父と同じ腰抜けだな」と、イタリアへ出向いたきり二年間行方が知れないジョジョの父を、戦線から脱走した腰抜けと決めつけて笑う将校たち。

 

そして、「ジョジョ・ラビット♪ジョジョ・ラビット~♪」と仲間からも、はやし立てられて、元気を失っていたジョジョでしたが、ヒトラーに励まされて訓練に戻るも大怪我に見舞われて、自宅送還となってしまうのでした。

 

 

事の顛末を聞いた、母ロージーは、ヒトラーユーゲント事務局へ猛抗議。

ジョジョは、奉仕活動をする部署へ配置転換となったのでした。

帰宅したジョジョは複雑な気分。

 

 

そして、そんな或る日、彼は自宅の亡くなった姉の部屋にあった隠し扉の奥にいたユダヤ人の少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)と出会うのでした。

母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)が匿っていたのでした。

 

 

ニュージーランド出身、マオリ族系ユダヤ人である監督自身が演じるヒトラーは、ちょびヒゲを生やし、チャップリンの喜劇映画「独裁者」をも想起させる。少年の空想を通して、その幼稚さ、攻撃性が戯画化され示されたと言って良いでしょう。

 

 

さらに監督は、民衆がナチスに歓喜する映像の中で、あえてザ・ビートルズの「抱きしめたい」(ドイツ語版)を流しました。

大胆不敵な試みでしたが、ポップな音楽は、深刻さが増す中でも決して軽やかさを失わない。まさに、あたかもこの作品自体を象徴するかの様でした。

 

 

ひ弱で、自分で自分の靴紐も結べず、親友のヨーキーくらいしか友達もいないジョジョでしたが、少年らしい功名心や冒険心を胸に、空想の世界の中で友人ヒトラーに背中を押されながら飛び回るのでした。

あの当時の時代が醸し出す暗さを吹き飛ばす、ローマン・グリフィン・デイビスの快活な演技は大人顔負けでした。

 

 

また、母ロージー役のスカーレット・ヨハンソンが顔に墨を付けて父親の物真似をして励ますくだりには、微笑ましいながらも、もの悲しくなってきました。

 

 

そんなジョジョの純真な瞳にやがて、ナチに追従し、あるいは沈黙する大人たちの姿が悲しく映ってくる。

 

 

ゲシュタポ(ナチス秘密警察)に立ち向かうエルサの気高さに触れ、彼にとっても決定的な出来事もあり、自分の中の信じる正義が揺れてくるのでした。

 

 

少し俯瞰して見るならば、時代や大人たちに洗脳された少年が偏見や憎悪から解放されていくお話でした。

当初ジョジョは、威勢の良い、強い言葉に憧れていましたが、無抵抗のウサギを、ただ殺すような不条理さに気付いていくのでした。

 

 

また少年の成長物語は、エルサへの甘酸っぱい初恋の物語でもあるのでした。

年上で自分よりも背の高い彼女を守ろうと奮闘するのでした。

そのいじらしさに、ラストではジョジョを抱きしめたくなります。そして、遂には彼はヒーローとなるのでした。

全編を通してコメディタッチな雰囲気を醸し出す中、実は重いテーマを内包させています。

このヒトラーを純粋に敬愛する主人公ジョジョが、エルサを通してどの様に変わって行くのかが、本作品の肝となっています。

そして終幕に流れるのは、デヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」のドイツ語版の歌。

ザ・ビートルズの「抱きしめたい」で始まり、デヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」で終わるという、この選曲センスの良さ。

そもそも、ドイツ語版の曲があることを知っていたタイカ・ワイティティ監督も抜かりないですね。

 

 

私的な評価と致しましては、

あらぬ幻想を抱く理想に燃える10歳の少年が現実の残酷さと無知の愚かさを知るといった、反戦映画ではありますが、そのポップな手法とユーモアが軽妙さを見事に演出していました。

また妄想の中のユダヤ人像と実像との間で揺れる姿はとかく思い込みが激しい我々とて他人事ではないのかも知れないですね。

眼の前にあっても心の目が開いてなければ盲目と同じこととも言えるでしょう。

大人たちに洗脳された彼が一体どの様に偏見や憎悪から解放されていくのか、彼の甘酸っぱい初恋は成就するのか否か、それは観てのお楽しみです。

 

美味しいところを持って行くキャプテン・K役のサム・ロックウェルもですが、ジョジョ少年の親友のヨーキーのキャラには、あたかもギレルモ・デル・トロ監督のミニチュア版の様で、やられてしまいましたね。

 

さらに、母ロージー役を演じたスカーレット・ヨハンソンですが、彼女自身がユダヤ系の血筋と言うことも関係するのか否かは別としても、今作では、彼女の芸達者ぶりもいかんなく発揮されており、第92回アカデミー賞の助演女優賞ノミネートも頷けましたね。

 

私個人的には、先日の第92回アカデミー賞では、Netflixの映画『マリッジ・ストーリー』での主演女優賞ノミネートと併せて女優賞をダブルで選出されていましたので、せめてどちらか一つでもオスカーを獲得して欲しかったですが、願い叶わず残念でした。

 

 

反戦映画ながら、甘酸っぱい初恋をも内包した成長譚であり、哀しいながらも素敵なお話でした。

 

ただ、この二人の今後を考えると手放しでは喜べない厭な余韻が残る作品でもあったので、五つ星評価的には、ほぼ満点の四つ星半評価の★★★★☆(90点)の評価とさせて頂きました。

 

 

〇ザ・ビートルズ「抱きしめたい」(ドイツ語版)

 

 

〇デヴィッド・ボウイ「Heroes/Helden」(ドイツ語版)

 

 

〇『ジョジョ・ラビット』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

昨日は、私は、WOWOWには未加入ですので、日本時間2月10日に、第92回アカデミー賞授賞式の生中継があることもスッカリ忘れており、朝から『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』という映画を劇場鑑賞に出向いていましたが、今回の『パラサイト 半地下の家族』の偉業に関する一報は、昨日のお昼のシネコンからの帰宅途中に、iPhoneのLINEの速報ニュースで知りました。

 

 

 

▼私の感想記事もリブログしておきますのでご参考まで。

 

 

 

各俳優部門賞の個人賞は、ほぼ下馬評通りで、順当な受賞でしたが、あくまでも私個人的には、結局は、叶いませんでしたが、主演女優賞(『マリッジ・ストーリー』)・助演女優賞(『ジョジョ・ラビット』)の双方にてノミネートされていた、スカーレット・ヨハンソンに、いずれか一方でも受賞させてあげたかったでしたね。

 

▲主演・助演女優両賞にノミネートされていたスカーレット・ヨハンソン。

 

先日に開催された第26回英国アカデミー賞(BAFTA・バフタ)では、『1917 命をかけた伝令』が最多7部門受賞するなど席巻していたので、その勢いから、今回の第92回アカデミー賞でも、『1917』が有利かと思っていましたが、この『パラサイト 半地下の家族』については、国際長編映画賞の受賞については手堅いとは思っていました。

 

とは言え、オリジナル脚本としてすごく良く出来た映画だったので、脚本賞、また、もしやポン・ジュノ監督が監督賞も受賞できたら凄いだろうなぁと思っていましたら、それに止まらず、史上初の英語圏以外の作品賞まで受賞をして、見事に4冠達成の偉業を成し遂げてしまったのには正直驚きでしたし、衝撃でしたね。

 

昨年度に、Netflix映画『ROMA/ローマ』でさえも英語圏以外の作品による作品賞の壁は破れなかった中、本年度の『パラサイト 半地下の家族』に開かれたこの作品賞の扉の意義は本当に大きいと思いました。

 

また、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールとアカデミー賞作品賞のダブル受賞自体も、約64年振りの快挙との事。

 

ポン・ジュノ監督はじめ『パラサイト 半地下の家族』の関係スタッフ並びにキャストの皆様方。本当におめでとうございます。

 

 

また、アカデミー賞の反響はすごいみたいで、今日の建国記念の日の祝日は、昨日の吉報を受けて、昨今の新型コロナウィルス騒動の余波で劇場鑑賞を渋ってられた御方々や、映画を普段あまり劇場鑑賞されない御方々までを掘り起こした形で、『パラサイト 半地下の家族』の上映館は、どこの劇場でも毎上映回満席状態らしいですね。

 

ただ気懸かりなのは、第92回アカデミー賞授賞式の後の公開のタイミングを見計らっていた『1917 命をかけた伝令』の観客の入りが予想外にイマイチ奮わなくなるかも知れない事が懸念されるのがやや心配です(汗)。

 

尚、暴力描写以上に、わずかの一場面ですが、パジャマを着たままではありますが、やや激しいSEX描写もあるので、PG12指定だからといって、油断して親子一緒で鑑賞するとなると、少々気まずくなるかも知れないので要注意です。

 

 

 

 

 

 

〇第92回アカデミー賞授賞式作品賞『パラサイト 半地下の家族』

 

 

〇『パラサイト半地下の家族』本予告

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。

日本での全国公開日の1月10日(金)から13日後の1月23日(木)に、いつもであれば観客も空いて少なそうな、イオンシネマ京都桂川の午後4時台の時間帯に自分独りきりで鑑賞に出向きましたが、それでもクチコミ効果からなのか、かなりシアター内は混み合っていました。

 

私は、韓国映画界を代表するポン・ジュノ監督の新作映画で、昨年の第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となる最高賞のパルムドールを受賞した作品という以外には、劇場で流れていた予告編を1度のみ観ただけで、ほぼ何の事前の予備知識も無く観たので、てっきり、格差社会を描いた終始に亘って社会派ドラマっぽい映画かと予想していましたが、結構なエンタメ作品でもあり、なかなか面白く観る事が出来ました。

 

 

ただ、本作品に対しては、「ポン・ジュノ監督からのお願い」と題して、劇場パンフレットの3ページ目に、監督から直々に、「本作をご紹介頂く際、出来る限り、兄妹が家庭教師として働き始めるところ以降の展開を語ることは、どうか控えてください。みなさんの思いやりのあるネタバレ回避は、これから本作を観る観客と、この映画を作ったチーム一同にとっての素晴らしい贈り物になります。頭を下げて、改めてもう一度みなさんに懇願します。どうか、ネタバレをしないでください。みなさんのご協力に感謝します。」との旨を懇願なされている作品でもあることや、また、実際にも、出来る限り事前の予備知識を入れずに観た方が面白いかとも思いましたので、ブログ記事化するのに一体どの様に書いたら良いのかと相当に頭を悩ましていて、こんなにまで時間を要してしまい、現在にまで至ってしまいました。

 

但しながらも、昨年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』の際の様に放置した形になってしまってもいけないと思い、本作品についても、出来る限りネタバレに気を付けながら以下にブログ記事をまとめたいと思います。

 

 

「愛撫は時計回りに・・・。(20.1/23・2D字幕)」

ジャンル:人間ドラマ

原題:GISAENGCHUNG(寄生虫)

英題:PARASITE

製作年/国:2019年/韓国

配給:ビターズ・エンド

公式サイト:http://www.parasite-mv.jp/

上映時間:132分

上映区分:PG12

公開日:2019年12月27日(金)先行上映(※2020年1月10日(金)全国公開)

監督:ポン・ジュノ

キャスト:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チェ・ヨジュン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュン

 

 

【解説】

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。

 

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。

正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

 

共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

窓から地べたが見える半地下の住宅で暮らす貧しい一家が、高台の豪邸に暮らす裕福な一家と接点を得たことから始まる、格差社会が織り成す濃密なる悲喜劇でした。

 

 

お話しの流れ的には、

様々な事業に失敗してきたキム・ギテク(ソン・ガンホ)はその半地下の家で、妻チュンスク(チャン・ヘジン)、大学受験に失敗し続けて学歴はないが受験経験だけは豊富な長男ギウ(チェ・ウシク)、美大志望の長女ギジョン(パク・ソダム)と四人でピザ屋の箱作りの内職をしながら、ぐだぐだの日常を生きていたのでした。

 

 

だが、そんな或る日、転機が訪れるのでした。長男ギウの友人ミミョク(パク・ソジュン)から、運勢が変わる縁起物らしい山水景石のプレゼントと共に、彼が米国に留学する間に、おいしい家庭教師の代打の口を紹介されたのでした。

教え子の女子生徒は、成功したIT企業のCEOパク・ドンイク氏(イ・ソンギュン)の娘ダへ。

 

 

この山水景石が実に暗喩めいた象徴として、その取り扱いにより、その後のキム一家の生活を一変させていく事になるとは露とも思ってはいなかったのでした。

 

 

長男ギウは一流国立大学生を装って、高台に建つ、家政婦(イ・ジョンウン)付き豪邸を訪れ、パク社長夫人である奥様(チョ・ヨジョン)の面接を受けるのでした。

 

 

そして、IT企業社長パク氏の幼い息子ダソンの独創的な絵画のセンスに目を付けたギウは、美大志望ながらも予備校に通えずスキルだけが上達している妹ギジョンを、あたかも海外留学経験もある指折りの有名な美術講師と装わせ、まんまと息子ダソンの美術家庭教師として紹介するのでした。

 

 

 

ギジョンは、奥様からの当初の「どの家庭教師も1ヶ月も続かなかった」という言葉を覆し、恐るべき早さでダソンを手なすけて、ギウとギジョンの二人は急速にパク一家からの信用を得ていくのでした。

そして、ギジョンは次にある仕掛けをするのでしたが・・・。

 

パラサイト=寄生虫。

「下流」は「上流」にとりつこうとするのでしたが・・・。

 

といったイントロダクションの作品でした。

 

 

展開もスピーディーで、一瞬一瞬が描写が実に濃密。台詞、風景、また、チョン・ジェイルの音楽、そしてソン・ガンホはじめ極上の役者たちの人間的な魅力。すべてが最大限に活かされて、有機的に結びついて物語を力強く構成していくのでした。

あらゆる情景、言動が観客の喜怒哀楽のいずれかを刺激し、同時に登場人物の本性や社会の構図を物語っていました。

ふと会話に入り込むひとくち英語、例えば「Smell(臭い・匂い)」ですら、後でジワジワ効いてくるのでした。

 

 

圧巻は、高台からの坂道、階段、そして雨・水が作り出す風景でした。

上流で生まれたねじれは奔流になって下流へ押し寄せます。

格差社会をめぐる黒い戯画のさらに、さらに、その先へ。そして深淵がパックリと口を開き、世界が裏返しになって見えてくるかの様でした。

 

 

あの高台の豪邸の内部も、そして坂道から続く半地下の家も、直接製作費を、1.100万ドル(約12億円)を要して作った全部がセットによるものらしく、日本の映画でも近年巨額を投じた作品の最高金額は約10億円を掛けた『キングダム』くらいですから、この韓国映画の本気度具合が分かるというものでしょう。

 

この点でも、第92回アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)の他にも、美術賞にもノミネートされているのも理解出来ますし頷けますよね。

 

 

パク家へのパラサイトが一旦完了するまでは、なんとなく多くの観客も想像するに難くはないかとは思うのですが、本当にそれ以降の後半が先読み予測不能な映画で、如何にも、実に映画的な作品とでも言いましょうか、脚本が完璧過ぎて、机上の空論っぽくも感じてしまうほどに、韓国の格差社会をシニカルに描いた社会派ドラマでもありつつ、ブラックユーモア満載でサスペンスフルでスリル満点な映画で、既成のジャンルの枠には収まらないような、玉虫色の様な、もの凄く面白味のある映画ではありました。

 

 

しかしながら、ただ、あくまでも私個人的に感じたのには、非常に良く出来た映画で有り過ぎて、事が上手く運びすぎで、かなりのご都合主義的な点から、ここのところの同じく格差社会を描いた、日本の是枝裕和監督の『万引き家族』(2018年)やイギリスのケン・ローチ監督の『家族を想うとき』(2019年)や、同じポン・ジュノ監督の過去作品の『母なる証明』(2009年)などの社会派ドラマ作品に比べると、あまりにも現実味が感じられない点が、ちょっと社会派ドラマとして観ると、物足りなく感じて、やや首を傾げてしまう部分なのかも知れないですね。

なので、この作品の後半部分については、全くのエンタメ作品として観るべきであって、映画ならではの独自の世界観なんでしょうね。

 

人の底知れなさを、社会の残酷性を鮮やかに描き出す、謂わば、フィクションという戯画・寓話としてみれば、全くのオリジナル脚本の作品としては、非常に良く出来た映画ではありました。

 

国際長編映画賞は確実視されているようですが、作品賞、監督賞などが無理でも、ぜひ脚本賞でオスカーを獲得して欲しい作品ですね。

 

 

ただ、欲を申せば、終盤の最後の最後になって、やや説明口調でクドくて蛇足気味だった様にも感じられましたのが少々残念でした。

出来れば、ポン・ジュノ監督の中でも、私も好きな作品で、特に衝撃を受けた作品でもある、『母なる証明』(2009年)の様に、余韻を残しつつも、無駄な説明台詞を排したもっとスッキリした感のある終わり方にして欲しかったです。

 

 

私的な評価としましては、

エンタメ映画として格差社会を皮肉った作品として観るか、それとも格差社会を問題提起する社会派ドラマと観るかで、この映画の感じ方や受け取り方は人ぞれぞれになるかとも思いますが、私的には『万引き家族』(2018年)やポン・ジュノ監督の『母なる証明』(2009年)の時の様なガツン!と頭を強く殴られたような衝撃が感じられる不条理な世界に涙してしまう映画ではなく、むしろ、笑いありスリングでもあるブラックユーモア満載の文字通りの悲喜劇であって、鑑賞前から、当初想像していた映画とは違っていたのもあり、嬉しい誤算でもありつつ、逆に、ちょっと残念でもありました。

ですので、私の場合には、ちょっと本作品が浮世離れし過ぎな点や、或いは、ブラックユーモアが笑えないほどにグロかったりした点などから、五つ星評価的には、あいにくと、満点には届きませんが、ほぼ満点の四つ星半の★★★★☆(90点)の評価とさせて頂きました。

 

 

※尚、いくらPG12指定作品とはいえ、パジャマを着たままではありはしましたが、そこそこ濃厚なSEXシーンもありましたので、親子での鑑賞は避けられる方が賢明かも知れないですね。

 

 

最後に、なんとかネタバレ回避でブログ記事をまとめられて良かったです(汗)。

 

 

 

 

 

〇『パラサイト 半地下の家族』90秒予告編

 

 

 

 

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