今回は、お盆休み前の8月7日(金)から、待ちに待ったセカンド上映を開始してくれた本作品を観に、滋賀県大津市の大津アレックスシネマまで公開初日に鑑賞に出向いた際の感想についても、記録に留めておきたいと思います。
今年度の27本目の劇場鑑賞作品。
「邦題の改題の成功の一例(20.8/7・2D字幕)」
ジャンル:青春ドラマ
原題:BLINDED BY THE LIGHT
製作年/国:2019年/イギリス
配給:ポニーキャニオン
公式サイト:http://cassette-diary.jp/
上映時間:117分
上映区分:一般(G)
公開日:2020年7月3日(金)
監督:グリンダ・チャーダ
キャスト:
ビベイク・カルラ、クルビンダー・ギール、ミーラ・ガナトラ、ネル・ウィリアムズ、アーロン・ファグラ、ディーン=チャールズ・チャップマン、ロブ・ブライドン、ヘイリー・アトウェル、デビッド・ヘイマン、サリー・フィリップス ほか
【解説】
1980年代のイギリスを舞台に、パキスタン移民の少年がブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受けながら成長していく姿を描いた青春音楽ドラマ。
1987年、イギリスの田舎町ルートン。音楽好きなパキスタン系の高校生ジャベドは、閉鎖的な町の中で受ける人種差別や、保守的な親から価値観を押し付けられることに鬱屈とした思いを抱えていた。
しかしある日、ブルース・スプリングスティーンの音楽を知ったことをきっかけに、彼の人生は変わり始める。
出演は、クレイ先生役に「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェル、幼馴染のマット役には、「1917 命をかけた伝令」のディーン=チャールズ・チャップマン。
監督は「ベッカムに恋して」のグリンダ・チャーダ。
(以上、映画.comより、引用抜粋。)
端的に言いますと、
この映画は「居場所のない青年に訪れた救いの神は”ボス”ことブルース・スプリングスティーンでした。」といったお話。
1987年、イギリスのルートンに住むパキスタン系移民一家の高校生ジャベド(ビベイク・カルラ)。
幼馴染みのマット(ディーン=チャールズ・チャップマン)には彼女も居り、バンド活動もしている。
学校では人種差別を受けて、父親が絶対的権力を握る封建的な家でも父親に逆らうことも出来ず彼の居場所はなく、孤独なジャベドは、詩や文章を書いて気を紛らわす毎日でしたが、ある日高校の学食で知り合ったループス(アーロン・ファグラ)から二本のカセットテープを手渡され・・・。
イギリスという世界の音楽シーンやファッションをリードする国で、パキスタン系移民の青年が、アメリカのブルース・スプリングスティーンのロックに感化されて自分を変え、嫌がらせを受けたり、抑圧されながらも、閉鎖的な町を出てなんとか自分の夢を叶えようと奮闘する姿を描く作品。
ブルース・スプリングスティーン。
高校生の頃にアルバム”Born in the USA"がヒットしていていましたが、その関連で遡って、1975年のアルバム”Born to Run(明日なき暴走) ”なども聴いたりしていましたし、私の場合には、その同じ頃に、カナダのロック歌手のブライアン・アダムスの大ヒットアルバム”Reckless”とで、ロックに覚醒したと言っても過言ではない世代でしたので、まさにドンピシャの映画でした!!!
特に、ブルース・スプリングスティーンの場合には、工場などで働いているブルーワーカーと呼ばれる人達や、ベトナム戦争からの帰還兵や、社会的に底辺ギリギリで生活している人達の怒りを生々しくぶつけたような楽曲の印象が強かったように思います。
他の映画ブロガーの人達もご指摘されておられましたが、日本の歌手で言えば浜田省吾さんみたいな感じでしょうか?!
ジャベドも、そんなブルース・スプリングスティーンの熱唱と、あたかも雨のようの降ってくるような熱い歌詞を浴びるうちに、どんどん目の前が開けてきて、自分がいま何をなすべきかが見えてくるのでした。
すると事態も好転し、そんなジャベドを理解しサポートしてくれるイライザ(ネル・ウィリアムズ)という彼女が出来たり、文筆家を目指す彼を導いてくれる、ヘイリー・アトウェル演じる、よき教師・クレイ先生といった存在にも恵まれ、実直で堅物なジャベドが青春時代を真に生き始める姿を観ていると、観客である私たちも、自分の若い頃を思い出して共感もするし、ついつい応援したくもなるのでした。
しかしながら、ブルース・スプリングスティーンの曲自体は、1987年当時のイギリスの若者達からすると、自分たちの親の世代の音楽という認識だったようですね。
ジャベドの幼馴染のマットは、”時代はシンセサイザー”だと劇中でも言い切っているように、ボスの曲は、どちらかというと年配ウケする楽曲のようでしたが、当時のイギリスの首相の”鉄の女”マーガレット・サッチャーの推進した福祉国家から小さな政府への転換に伴う、国有事業の民営化、人頭税の新規導入や、消費税の引き上げなどによる国策により、経済的な格差社会が助長され、失業者が街に溢れる不況を生じさせている中、世間の年配者の間では未だ未だボス=ブルース・スプリングスティーン人気は健在のようでした。
そんな中で、サッチャー政権下で移民排斥運動も起こるのですが、この映画でも、パキスタン系の移民だけでなくアジア系一括りで”パキ”という蔑称で呼ばれ、唾を吐きかけられたり、家にスプレーで落書きされたり、幼い子供にでさえも平気で玄関先に立ち小便をされたりと、酷い仕打ちをされるのですが、彼らはそれをじっと耐え忍んでいるのでした。このような人種差別や、また極右ファシズム民族差別団体の国民戦線によるヘイト活動の描写には本当に辟易してしまいましたね。
グリンダ・チャーダ監督ご自身も熱心なボス=ブルース・スプリングスティーンのファンらしく、原作者のサルフラズ・マンズール氏と協力して、本人から楽曲の使用許諾を得て作ったそうですが、ブルース・スプリングスティーンの楽曲(未発表曲も含む)を実際に使用し、またボスの聖地巡りをするエピソードまで盛り込んでいるので、ファンにとっては垂涎だろう作品に仕上がっていましたね。
ですから、私たち世代など特定の層にはそれだけでアガる映画。
かといって特段にブルース・スプリングスティーンのファンでなくても、純粋に、少年の青春譜であり成長譚としても楽しめるし、家族愛にも感動できる作品かとも思います。
私的な評価としましては、
お話しの骨子としては、過去にも同じような作品として『ボヘミアン・ラブソディ』などもあったかも知れないですが、素直に良かったと思えるのは若者の成長を描いた青春音楽映画だからこそかと思います。
ちなみに、この作品はジャベドこと、後にジャーナリストになったサルフラズ・マンズール氏の書いた実話に基づくノンフィクション小説に着想を得た作品とのことでした。
従いまして、1980年代後半を懐かしむ特定の層にドンピシャの映画でもありますが、移民問題、人種差別、封建的な家庭問題といった重い課題もさりげなく織り込みながら、躍動感ある青春音楽映画はそれだけで間口が広く、面白く観ることが出来る作品かとも思いますので、五つ星評価的にはほぼ満点評価の★★★★☆(90点)の四つ星半評価も相応しい作品かと思いました次第です。
※因みに、原題の『BLINDED BY THE LIGHT』はブルース・スプリングスティーンのデビュー楽曲の名前のため、分かる人にしかタイトルの意味合いが伝わらないので、今回、邦題を改題して一般の観客にも間口を広く集客効果を上げる事に成功した一例かとも思いました。
▲『カセットテープ・ダイアリーズ』サントラ盤(定価2.400円+税)。
(※ボスの未発表曲・未発表ライヴ音源含む)
【オマケ】
私個人的には、BOSSよりも大好きだったブライアン・アダムス。
HALU6700@HALU7100
#大津アレックスシネマ で待ちに待った『#カセットテープダイアリーズ 』鑑賞①。私もブルース・スプリングスティーンとブライアン・アダムスでロックに覚醒した世代ゆえ、まさにドンピシャの音楽映画!英国でのパキスタン移民に対するヘイト活… https://t.co/zV3SyKPnHY
2020年08月07日 19:24
HALU6700@HALU7100
#大津アレックスシネマ で『#カセットテープダイアリーズ 』鑑賞②。前回来館した際にパンフレットの販売があるかどうか分からないと劇場スタッフさんが申されていた為、TOHOシネマズ二条で先にパンフレットとサントラ盤を購入しておきまし… https://t.co/W12n6lH6Wq
2020年08月07日 21:22
今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。


























