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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

とりわけ”嵐”の二宮和也さんのファンという訳でもなく、むしろ、過去には、ジャニーズ事務所所属タレントの主演映画では、特に、若い世代の人たちの上映中の大声による私語など観客のマナーが酷すぎて観るに堪えないといった苦い経験があり、それ以降、ジャニーズ事務所所属タレントの主演映画については出来る限り劇場では観ない様に心に決めていたのですが、今回は、日本を代表するアイドルグループ”嵐”の二宮和也さん主演の映画ながらも、『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)や『長いお別れ』(2019年)などの作品を世に送り出してきた、私の好きな中野量太監督の最新作と言うことで、公開日から4日目の10月6日(火)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に出向いてきました。

 

今年度の34本目の劇場鑑賞作品。

 

 

「家族写真が織り成す笑いと涙の感動実話(20.10/6・劇場)」

ジャンル:人間ドラマ

製作年/国:2020年/日本

配給:東宝

公式サイト:https://asadake.jp/

上映時間:127分

上映区分:一般(G)

公開日:2020年10月2日(金)

監督:中野量太

キャスト:

二宮和也、妻夫木聡、黒木華、菅田将暉、風吹ジュン、平田満、渡辺真起子、北村有紀哉、野波麻帆、駿河太郎、松澤匠、篠原ゆき子、池谷のぶえ、後藤由依良 ほか

 

 

【解説】

様々なシチュエーションでコスプレして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、二宮和也と妻夫木聡の共演、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督のメガホンで描いた人間ドラマ。

 

4人家族の次男坊として育ち写真家になった主人公・政志を二宮、やんちゃな弟をあたたかく見守る兄・幸宏を妻夫木が演じ、家族の“愛の絆”や“過去と今”をオリジナル要素を加えつつ描き出す。

 

浅田家の次男・政志は、父の影響で幼い頃から写真に興味を持ち、やがて写真専門学校に進学。卒業制作の被写体に家族を選び、浅田家の思い出のシーンを再現した写真で学校長賞を受賞する。

 

卒業後しばらくはくすぶっていたものの、再び写真と向き合うことを決意した政志が被写体に選んだのは、やはり家族だった。

様々なシチュエーションを設定しては家族でコスプレして撮影した写真で個展を開催し、写真集も出版され、権威ある賞も受賞する。

プロの写真家として歩み始めた政志は、全国の家族写真の撮影を引き受けるようになる。

 

しかし、2011年3月11日、東日本大震災が発生。かつて撮影した東北に住む家族のことが心配になった政志は被災地に足を運ぶが、そこで家や家族を失った人々の姿を目の当たりにする。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

率直な感想としましては、

予告編の中でおおかたのお話しの内容を露出してはいましたが、それをも増して、未だ未だ面白エピソードが沢山あって、笑いあり涙ありの面白い感動作品に仕上がっていて、観ている最中にクスクスッと声を挙げて笑ってしまうシーンや涙を流してしまうシーンも多かったです。

 

ただ欲を申せば、大阪の写真の専門学校を退学寸前で帰宅した際の浅田政志(二宮和也さん)が、両腕に本格的な凄いタトゥーを彫り込んでいたのを見て、いくら一風変わった家庭環境とはいえども、母親からは、「くれぐれも感染症には気を付けなさいね!」の一言で済ますというのは少々如何なものかと思いました(汗)。

ですので、身体にそのタトゥーを彫るに至った背景事情や経緯も、もう少し掘り下げて説明しても良かったのではとも思いました。

 

 

お話し的には、三重県津市出身の、様々なシチュエーションでコスプレをして撮影するユニークな家族写真を撮ることで注目を集めた、実在の写真家・浅田政志さんと、風変りながらも、彼の明るい家族・浅田家一同による、そのコスプレ写真集『浅田家』を世に出すことが出来て、苦労の末、写真界の芥川賞とも呼ばれる第34回木村伊兵衛賞を受賞するに至るまでのコミカルなプロフィール的な前半部分。

 

 

 

そして、後半はガラッと変わり、個性的な「家族写真」を撮ることにより写真家として評価された主人公・浅田政志(二宮和也さん)と、あの3.11の未曾有の大惨事の東日本大震災による津波で被災して家族や家を無くしてしまった人たちとの交流といったシリアスな内容との大きく分かれた二部構成的な映画でした。

 

このような二部的な構成になるのも、実在の写真家で本作のモデルである、浅田政志さんの写真集『浅田家』と『アルバムのチカラ』とのそれぞれの逸話を原案にした、一部エピソードなどに創作を加えた、ほぼノンフィクションの作品だからの様ですが、中野量太監督による自然災害と家族写真とが織り成す社会的な意義やメッセージをも、あえてお話しに絡めようとした配慮からかも知れないですね。

 

 

主人公の写真家・浅田政志役の二宮和也さんの飄々とした演技の憎らしいほどの巧さもさることながら、一方では、生真面目ながらも、コスプレ写真の際の撮影の段取りなどの裏方に奔走してくれる縁の下の力持ち的な浅田家の長男・幸宏役の妻夫木聡さんの役柄も良かったですね。

あのお兄さんが居たからこそ出来た家族写真だと思うとその苦労のほどが偲ばれましたね。

 

 

主人公の幼馴染の川上若菜役の黒木華さんも、従来のおしとやかで古風な女性といったイメージを一新して、ややSッ気のある性格で、主人公の浅田政志さんをグイグイと引っ張り、叱咤激励し、主人公の成長をフォローしていく役回りで、彼女自身も関西の大阪府高槻市出身者ということから、同じ近畿地方の三重県の伊勢弁も上手く駆使していたのも良かったのですが、陰日向に、浅田政志さんを支える姿が実に感動的でした。

 

 

また、東北で震災のボランティアとして浅田政志さんと出会う、気弱で誠実な大学院生・小野陽介役を演じていた菅田将暉さん。

 

 

つい最近では、TBS系連続ドラマ『MIU404』では、卑劣な犯人役を演じていたかと思えば、今回の映画では全く真逆の平凡な大学生役といった、演技の振り幅の大きさに驚かされるばかりでした。

そういう意味合いでは、今や出演する作品には、主役、或いはキーマン級の役柄を演じている彼ですが、今回の作品では菅田将暉さんと気が付かない人が居るほど、スクリーンの中で良い意味合いで存在感が平凡で、全く身体から発するオーラを変幻自在に消し去っている点が非常に上手かったでした。

 

 

黒木華さん、菅田将暉さんともに従来のイメージを覆す役柄を違和感なく演じ切っていて、演技巧者振りが際立っていましたし、作品の質をレベルアップするのにも貢献していました。

 

 

また、兄役の妻夫木聡さんはじめ父親役の平田満さん、母親役の風吹ジュンさんの浅田家の面々に加えて、北村有紀哉さん、渡辺真起子さんなど豪華配役も脇を固めていて安定の演技で盛り立てていました。


 

この写真撮影のシーンには涙でウルッと来る反面、「もっとこの事に早く気付けよ~!」とツッコミを入れたくなるのもご愛敬。

 

 

『浅田家!』のタイトルの「!」マークの伏線となるビックリ仰天の最後のオチが放つ徹頭徹尾の記念撮影による家族愛。

 

そして、更に、映画の本当の最後の最後まで観ますと、卒業制作で学院長賞を受賞した本物の「家族写真」のモノクロ写真の実際の本物の看護師姿の浅田家のお母様の姿が、劇中でお母さん役を演じてられた風吹ジュンさんと激似過ぎて、思わず場内が明るくなってまでも笑ってしまいました(笑)。

 

 

私的な評価としましては、

やや予告編で露出し過ぎていて、映画の内容の大筋が分かりすぎていた部分はあったにせよ、それにも増して、一部の創作のエピソードも含めて本編には未だ未だ沢山の面白エピソードが盛り込まれていて、笑いあり涙ありの感動実話の映画でなかなか良かったと思いました。

ジャニーズ事務所所属タレントの主演映画と言うことで、今回も嫌な思いをする前にスルーして敬遠しようかと思っていましたが、中野量太監督の作品ということで今回は劇場鑑賞して良かったでした。

従いまして、五つ星評価的にはほぼ満点に近い★★★★☆(90点)の四つ星半の高評価も相応しい作品かと思いました。

 

▲浅田政志著『浅田家』(本体2.600円+税)&劇場用パンフレット(本体1.000円+税)

 

この映画が、笑いあり涙ありであまりにも面白かったので、ついつい映画館の売店で、劇場用パンフレットの他にも、浅田政志さんの著書『浅田家』の写真集まで購入しちゃいました次第です。

 

劇場用パンフレットに収録されている劇中の『浅田家』の家族写真の数々と、本物の『浅田家』の写真集の家族写真を見比べても楽しめそうです。

 

※私のTwitterにも投稿しましたが、私が観に行った上映回の劇場鑑賞後には、イオンシネマ草津の劇場の入口付近で家族一同が揃って、あたかも『浅田家』のような記念撮影をなされているご家族が居られて、非常に羨ましかったので、本作品は、是非ご家族揃ってでの鑑賞をオススメしたいですね!

 

 

○映画「浅田家!」予告【2020年10月2日(金)公開】

 

 

○映画『浅田家!』ニノカメラ メイキング映像

 

 

○『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)

 

 

○『長いお別れ』(2019年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

10月2日(金)に、ミニシアターエイド基金の未来チケットを使用するべく、本当に久しぶりに、京都シネマまで、ドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』の鑑賞に出向いて来ました。

 

映画の<音響>に焦点を当てながら、音響技術の歴史、映画音響の種類を実際に観客に体感させながら解説するドキュメンタリー映画。

 

数々の映画史を彩るハリウッド100年の<音>の歴史からその隠された秘密を知るべく、サイレント(無声映画)から始まった映画にどういう経緯でサウンドがつくようになったのか、またその発展と苦労が順を追って実例とともに語られる趣向の、謂わば音響体感型ドキュメンタリー映画でした。

 

今年度の33本目の劇場鑑賞作品。

 

 

「音響効果の歴史と知られざる裏方の秘密(20.10/2・2D字幕)」

ジャンル:ドキュメンタリー

原題:Making Waves:The Art of Cinematic Sound

製作年/国:2019年/アメリカ

配給:アンプラグド

公式サイト:http://eigaonkyo.com/

上映時間:94分

上映区分:一般(G)

公開日:2020年8月28日(金)

監督:ミッジ・コスティン

キャスト:

ウォルター・マーチ、ベン・バート、ゲイリー・ライドストローム、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド、ライアン・クーグラー、デビッド・リンチ、アン・リー、ソフィア・コッポラ、ピーター・ウィアー、エリク・アーダール、イオアン・アレン、リチャード・アンダーソン、カレン・ベイカー・ランダーズ、ボビー・バンクス、リチャード・ベッグス、アンナ・ベルマー、マーク・バーガー、ディーン・ディビス、ピーター・デブリン、テリ・E・ドーマン、テレサ・エクトン、ジェシカ・ギャラバン、ルドウィグ・ゴランソン、セス・ホール、グレッグ・ヘッジパス、ローラ・ハーシュバーグ、トムリンソン・ホルマン、リチャード・ハイムンス、パッド・ジャクソン、リチャード・キング、アイ=リン・リー、デビッド・マクミラン、マーク・マンジーニ、アリソン・ムーア ほか

 

 

【解説】

ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー。

1927年に初のトーキー映画「ジャズシンガー」が誕生して以来、常に進化を続けている映画音響。本作では「キング・コング(1933)」「市民ケーン」「ROMA ローマ」など、新旧名作群の映像を使用し、映画音響の世界を紹介。

ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、デビッド・リンチ、クリストファー・ノーランら監督陣、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューを盛り込み、映画における「音」の効果と重要性に迫っていく。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

率直な感想としましては、

これまで<映画音楽>に特化したドキュメンタリー映画については、私の場合には、『すばらしき映画音楽たち』(2016年)を劇場鑑賞したのちにBlu-rayディスクまで購入していますが、今回は、幅広く映画音響にフォーカスした映画を観るのは初めてでしたので、すごく勉強になりましたし面白かったですね。

 

 

確かにこの作品は、映画館、或いはそれに準ずる音響効果が得られる環境で観ない(聴かない)ことには意味がない。

何よりも、この映画では、映画館の音響設備で観ていることを前提で、サラウンド効果など<音>を体感させられるので、家で、ましてやノートPCなどで視聴していては全く意味がない。

ということは、そもそも映画というものは、映画音響に関しても作家性の強い映画ほど、その本来の音響効果を知るには自宅で鑑賞していては意味がないいうことにも他ならないかも知れないですね。

 

 

多少なりとも映画の歴史やメイキングをかじった人ならば、既知の事実も多いことから、さほど珍しくないかもしれないでしょうが、それでも中には意外な側面も発見出来るので映画好きならば楽しめる内容にはなっているかと思います。

 

▲音響デザイナー:ウォルター・マーチ。

 

採り上げられる作品も誰もが知っていそうな、アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』や、フランシス・F・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』、スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』や『E.T.』、ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』、デビッド・リンチ監督の『エレファント・マン』など超メジャー級作品が並び、最近の作品では『ワンダーウーマン』や『ブラックパンサー』や『ROMA/ローマ』までもが実例として挙げられていました。

 

▲『スター・ウォーズ』のライトセーバーの効果音を作る、若かりし日の音響デザイナーのベン・バート。

 

知っているつもりでも全く知らなかったエピソードには驚きを覚えるとともに、ユニークな発想にも感心してしまいました。

音響の世界の裏方の苦労を語る有名監督らのインタビューも貴重で、今一度、この作品で例に出された作品を観直したくなりましたね。

 

▲スティーブン・スピルバーグ監督

 

▲ジョージ・ルーカス監督

 

▲デビッド・リンチ監督

 

▲アン・リー監督

 

▲ソフィア・コッポラ監督

 

 

▲『スター・ウォーズ』のR2-D2と、音響デザイナー:ベン・バート。

 

▲音響デザイナー:ゲイリー・ライドストローム。

 

個人的には、古くはキングコングの咆哮や、『スター・ウォーズ』のチューバッカやR2-D2の声やライトセーバーの効果音の作り方の逸話や、PIXARアニメのルクソー・ジュニアや『トイ・ストーリー』のウッディやバズのキャラクターの声や特殊効果音の裏話には思わず嬉しくなりましたね。

 

▲熊の鳴き声からチューバッカの声を作るべくサンプリングする、若かりし日のベン・バート。

 

 

また、『トップガン』の戦闘機の飛行音がそのままだといまいち弱々しくて迫力が物足りないとの理由から、鳥の声や虎やライオンの咆哮している声を加えて特殊効果音を作っていたというエピソードが面白かったですね。

 

 

▲『地獄の黙示録』の際に音響デザイナーのウォルター・マーチなどにより開発された5.1チャンネルサラウンドによる音の包囲の仕組み。

 

また、このドキュメンタリー映画を観て驚くとともに感心したのが、一般的に『スター・ウォーズ』(1977年)からだと思われるドルビーステレオシステムの採用の起点を、実は『スター誕生』(1976年)からだと正しく位置付けて、主演・製作総指揮のバーブラ・ストライサンドに証言を求めている点も興味深かったです。

 

▲『スター誕生』の主演・製作総指揮のバーブラ・ストライサンド。

 

 

<音>の前後左右からの包囲が臨場感をもたらすと睨んだ彼女がドルビーラボラトリーズにかけあい、当時最新だったこのフォーマットを採用したという逸話から、バーブラ・ストライサンドの勇気と踏み込みを布石として、近年、優秀な女性音響デザイナーが台頭していることへの言及を、実に説得力あるものにもしていました。

 

 

 

『ゴッドファーザー』でアル・パチーノに被る地下鉄高架のブレーキの軋む音、或いは、『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸の際の無音の中のトム・ハンクス、『リバー・ランズ・スルー・イット』の川のせせらぎ、『ブロークバック・マウンテン』の風の音など、それぞれ意味合いを持っていることを知ると、次回に改めて観た際には、きっとそこには違う景色が目に浮かぶことでしょうね。

 

 

私的な評価としましては、

このように、この『ようこそ映画音響の世界へ』は、映画音響の奥深さを平易に、そして正確に語る良質なガイドとしてはうってつけであり、「映画の音?撮影のときに同録したものをそのまま使っているんだろ?」とデジカメ的な意識しか持ち合わせていない、ある意味ボーッと生きているビギナーの目を見開かせるに違いないドキュメンタリー映画でもあり、鑑賞後には、誰もが全ての音響関係者に敬意を払わずにおられなくなることでしょうし、今後はアカデミー賞の音響効果部門にも、より一層興味が沸くこと受け合いでしょうね。

 

 

従いまして、五つ星評価的には、文句なしの★★★★★(100点)の満点評価が相応しい作品かと思いました。

 

○映画『ようこそ映画音響の世界へ』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

9月11日(金)からセカンド上映してくれていた、滋賀県大津市の大津アレックスシネマまで、大林宣彦監督の遺作の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を上映終了1日前の9月23日(水)に、年老いた父親と一緒に観に行って来ました。

 

ちょうど先日の9月19日(土)に、9月30日(木)を以て、この大津アレックスシネマの休館を発表された影響もあったためか、平日の中途半端な時間帯の上映にも拘わらず、10数名の観客が居られました。

 

「海辺の映画館」ならぬ、琵琶湖の「湖畔の映画館」の大津アレックスシネマが、ちょうど、新型コロナ禍が終息するまでのしばらくの間、無期限の休館をなされるのも相俟って、なんだかすごく寂しい気持ちにもなりました。

 

※尚、このブログ記事はほぼ先月の間に書き上げていたのですが、9月27日(日)の竹内結子さんの急死の訃報に接して、それ以降、何もかも手につかない状態でしたので、今更ながらの投稿になってしまいました。

 

今年度の32本目の劇場鑑賞作品。

 

 

 

「大林宣彦監督どうも有り難うございました。(20.9/23・劇場鑑賞)」

ジャンル:人間ドラマ

製作年/国:2019年/日本

配給:アスミック・エース

公式サイト:https://umibenoeigakan.jp/

上映時間:179分

上映区分:PG12

公開日:2020年7月31日(金)

監督:大林宣彦

キャスト:

厚木拓郎、細山田隆人、織田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子、高橋幸宏、小林稔侍、中野章三、ヤニック、武田鉄矢、村田雄浩、稲垣吾郎、浅野忠信、渡辺裕之、片岡鶴太郎、南原清隆、品川徹、入江若葉、伊藤歩、寺島咲、尾美としのり、柄本時生、蛭子能収、根岸季衣、渡辺えり、有坂来瞳、ミッキー・カーチス、手塚眞、犬童一心、星豪毅、金井浩人、本郷壮二郎、川上麻衣子、大森嘉之、大場泰正、長塚圭史、満島真之介、窪塚俊介、中江有里、白石加代子、笹野高史、犬塚弘 ほか

 

 

【解説】

名匠・大林宣彦監督が20年ぶりに故郷・尾道で撮影し、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で戦争の歴史をたどったドラマ。

尾道の海辺にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館を迎えた。

最終日のオールナイト興行「日本の戦争映画大特集」を見ていた3人の若者は、突如として劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイムリープする。

戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島にたどり着いた彼らは、そこで出会った移動劇団「桜隊」の人々を救うため、運命を変えるべく奔走するが……。

主人公の3人の若者役に「転校生 さよならあなた」の厚木拓郎、「GO」の細山田隆人、「武蔵 むさし」の細田善彦。

 

2019年の東京国際映画祭で上映されたが、劇場公開を前に大林監督は20年4月10日に他界。本作が遺作となった。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

4月10日に亡くなられた大林宣彦監督が最期に作り上げた本作は、私的には、一応、「人間ドラマ」という括りにはしていますが、特定のジャンルに分類できないような、開けてビックリの、無声映画で、トーキー映画。ミュージカルに、時代劇、戦争アクションに、ラブロマンス、SFファンタジーといった、あらゆる映像表現による、謂わば、お楽しみを詰め込んだ<キネマの玉手箱>は、観客をのみ込んで映画と日本の戦争の歴史を辿るタイムマシンとなり、<厭戦>の思いに貫きながら振り返る壮大なる厭戦映画。

 

 

舞台は、監督の故郷・広島県尾道市の懐かしい匂いのする海辺の映画館「瀬戸内キネマ」が閉館になる興行納めの、日本の戦争映画のオールナイト特集が出発点。

 

 

観客である現代の若者3人、馬場毬男(厚木拓郎さん)、鳥鳳介(細山田隆人さん)、団茂(細田善彦)は、戦争映画といいつつも歌謡ショーの様なシチュエーションから劇中劇が始まって、現実と映画の世界が一緒くたになり、銀幕の世界に迷い込み、劇中劇の登場人物と同化していくのでした。

 

 

 

詩人・中原中也の詩を警句の様に引用しつつ、江戸時代、乱世の幕末に始まり、戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦と、日本の戦争映画の中を旅する3人は、運命のヒロイン、羽原希子(吉田玲さん)、芳山和子(山崎紘菜さん)、斉藤一美(成海璃子さん)らの悲劇に直面。

 

 

沢山のシチュエーションと時間軸を往ったり来たりしながら、各時代の戦争の寸劇を繰り返しながら体験していく流れで、運命のヒロインたちを救うべく奔走する姿を通して、コミカルながらもブラックジョーク的な表現も含みつつ、日本の悲惨な戦争の歴史を辿るといった、大林宣彦監督による、圧倒的に熱い<厭戦><反戦>のメッセージが込められた厭戦映画でした。

 

 

ただ、基本ファンタジーなところに戦争の無情さや虚しさを織り込んでいる感じで、ブラックジョーク的な表現も含めて、面白いといえば面白いのですが、ひとつ間違えば説明過多で説教臭く感じる人もいるかも知れないなぁと危惧しつつ鑑賞。

 

 

また今作にPG12のレイティング規制が入っているのも、大林宣彦監督の恒例の若手女優さんをヌードにさせる演出シーンがあるからでしたが、今作では、成海璃子さんによるセックスシーンや山崎紘菜さんの全裸による海中遊泳シーンやレイプシーン、また川上麻衣子さんに対するレイプシーンなどがあったためによるものと思われますが、今作では、彼女たちのヌードシーンに乳首は一切映さないでボカした表現にしていたのは、これも何気にファンタジー的な配慮だったのかな(苦笑)。

 

 

正直なところ、大林宣彦監督が生前のうちに訴えたかった反戦への思いの丈があまりにも多く大きかったためなのか、原爆投下前夜の広島で、園井恵子(常盤貴子さん)率いる移動演劇隊「桜隊」の運命を変えようと奔走するに至るのが、上映開始から2時間過ぎで、それまでに途中にインターミッション(途中休憩)の文字が流れる程に、多少、中弛み感がありもしましたが、各時代の戦争の歴史の劇中劇に紛れ込んだという寸劇の繰り返しなので、観ているうちに見慣れて来るから不思議なものでした。

そして、大林宣彦監督の個人的な思い出や戦争体験も史実の様に含まれ盛り込まれていて、ある種、良い意味合いで、もう遣りたい放題。

 

 

映画編集の素人目に観ても、もうちょっとくらいは観易くなるような編集の仕方もあったのではとも思いましたが、上映時間約3時間に亘り、この歴史の未来を<ハッピーエンド!>にさせるべく、私たち観客に一生懸命に働きかける最期の伝言として遺された作品だけに、おそらく何処を削っても駄目だったのでしょうね。

 

 

 

冒頭の登場シーンは未だしも、終幕近くの、語り部役の爺・ファンタ(高橋幸宏さん)などのSFファンタジーっぽいくだりはやや蛇足気味にも思いましたが、娘役の中江有里さんの登場シーンを長くする意味合いでも必要だったのかなと思ったり(汗)。

 

 

巌流島のシーンなど必要なのかなとも思いましたが、これも大林宣彦監督の過去作品の出演俳優さんや監督ご自身の多岐に亘る交遊録を活かす同窓会的な配慮だったのかも知れないですね。

 

※元SMAPのゴロウちゃんこと「新しい地図」の稲垣吾郎さんも薩摩藩士の大久保利通役で端役ながら出演。

 

 

 

私的な評価と致しましては、

正直なところ、面白いには面白かったのですが、私の器量の程が小さいからか、大林宣彦監督の遊び心が上手く読み取れずに、こう連続的にボケてられても、ツッコミがない漫才を見せられているようでもあり、ややスベっておられた様な表現も多くて、観ていて忍びなかったです。

 

 

でも過去のいずれの作品よりも圧倒的に熱くそして強い、今回の遺作で、大林宣彦監督が伝えたかった、映画の力で<ハッピーエンド!>な未来に変える<厭戦>のメッセージは、この私も、しっかり受け取りました。

大林宣彦監督、どうか天国で見守っていて下さい。

 

 

従いまして、五つ星評価的には★★★★☆(90点)の四つ星半の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

○映画『海辺の映画館キネマの玉手箱』予告篇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。