『カラオケ行こ!』(2024年) #イオンシネマ草津 #綾野剛 #齋藤潤 #カラオケ行こ! | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

一部のブログ読者の方には大変お待たせ致しました。

1月12日(金)の全国公開日に先駆けて、試写会でご覧になられた映画ブロガーのキタコさん。また、公開して直ぐに観に行かれたアラカン女子ブロガーの、とまさんなどのブログ記事を拝読させて頂いて、私も是非とも観に行きたいと思い、先月の1月22日(月)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで観に行って来た映画『カラオケ行こ!』について、原作コミックスについても読み終えましたので、今更ながらになりますが、原作漫画とも比較しながら、ご紹介したいと思います。

 

 

今年度の3本目の劇場鑑賞作品。

(今年度の1本目のイオンシネマ草津での劇場鑑賞作品。)

 

 

 

 

「原作漫画に忠実な野木亜紀子さんの脚色&山下敦弘監督の演出の妙による相乗効果が醸し出す痛快作(24.1/22・劇場鑑賞)」

ジャンル:青春/コメディ

製作年/国:2024年/日本

製作:KADOKAWA / 『カラオケ行こ!』製作委員会

配給:KADOKAWA

公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/karaokeiko/

上映時間:107分

上映区分:一般(G)

劇場公開日:2024年1月12日(金)

原作:和山やま『カラオケ行こ!』(KADOKAWA「ビームコミックス」刊)

製作:遠藤徹哉 / 野村英章 / 渡辺和則 / 舛田淳 / 渡辺勝也

企画:若泉久朗

プロデューサー:二宮直彦 / 大崎紀昌 / 千綿英久 / 根岸洋之

撮影:柳島克己

照明:根本伸一

録音:反町憲人

美術:倉本愛子

装飾:山田智也

衣装プラン:宮本まさ江

衣装:江口久美子

ヘアメイク:風間啓子

VFX:浅野秀二 / 横石淳

サウンドデザイン:石坂紘行

編集:佐藤崇

音楽:世武裕子

主題歌:Little Glee Monster『紅』(Sony Music labels)

音楽プロデューサー:北原京子

キャスティング:川口真五

制作担当:間口彰

助監督:安達耕平

脚本:野木亜紀子

監督:山下敦弘

キャスト(配役名):

綾野剛(成田狂児) / 齋藤潤(岡聡実) / 芳根京子(森本もも:合唱部副顧問) / 橋本じゅん(小林:ハイエナの兄貴) / やべきょうすけ(唐田) / 吉永秀平(銀次) / チャンス大城(尾形:キティの兄貴) / RED RICE:湘南乃風(峯) / 坂井真紀(岡優子:聡実の母) / 宮崎吐夢(岡晴実:聡実の父) / 岡部ひろき(松原) / 八木美樹(中川:合唱部副部長) / 後聖人(後輩の和田) / 井澤徹(栗山:「映画を見る部」部長) / 米村亮太朗(玉井:薬中のヤクザ) / ヒコロヒー(和子) / 加藤雅也(田中正)※友情出演 / 北村一輝(四代目祭林組組長) その他

 

 

 

【解説】

変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた和山やまの人気コミックを、綾野剛主演で実写映画化。

中学校で合唱部の部長を務める岡聡実は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児からカラオケに誘われる。戸惑う聡実に、狂児は歌のレッスンをしてほしいと依頼。組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。

狂児の勝負曲は、X JAPANの「紅」。

嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていくが……。

綾野が狂児を演じ、聡実役にはオーディションで選ばれた新星・齋藤潤を抜てき。

 

「リンダ リンダ リンダ」の山下敦弘監督がメガホンをとり、テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子が脚本を手がける。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

  あらすじ

 

 

 

舞台は大阪。中学3年生の合唱部の部長の岡聡実は合唱コンクールのあと、現在は「反社会的勢力」とも言われる、いわゆるヤクザの成田狂児に出会う。狂児は聡実に突然カラオケに誘われて、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける”恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。

狂児の勝負曲はX JAPANの『紅(くれない)』。

聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行なうことに。

そんな二人がカラオケを通じて少しずつ打ち解けてきた頃、”ある事件”が起きてしまう。果たして二人の運命は如何に!?

 

  感想

 

率直な感想としましては、

クスクスッと笑えるシーンも多々あり、かなり面白い青春コメディ映画でした。

 

本作を観始めた当初は、綾野剛さんのちょっと外れた関西弁の微妙なイントネーションのズレが気になって映画にも集中出来なかったのですが、それも時間が過ぎていくと、次第に映画自体の面白さにハマっていって、それも気にならなくなっていました。

 

本作に、原作漫画があるらしいことは知ってはいましたが、和山やまさんの原作コミックスはわずか1巻で完結する内容とのことでしたので、それならばイッキに読めるとばかりに、映画を鑑賞後に、慌てて購入。

 

※尚、後日、パンフレットについても、KADOKAWAからの再版増刷を待って、ちゃんと在庫補充をして下さっていた、T・ジョイ京都で購入。

 

▲原作漫画『カラオケ行こ!』(定価770円税込)、劇場用パンフレット(定価950円税込)

 

 

  原作漫画の脚色(脚本)の成功例。

 

先ず、いま世間を賑わしている、漫画『セクシー田中さん』のドラマ化に対して、原作漫画家の芦原妃名子さんが、ドラマ化の際の脚本が原作者である自らの意向や約束事が守られずに、脚本内容が勝手に一人歩きして大幅に改変された事などから、急遽ドラマの第9話、最終回を原作者の芦原妃名子さんご自身が担当されることになるなど、紆余曲折を経て、SNS上でも騒動に発展したことも影響し、急死された悲しい一件もあり、原作有りきの漫画の映像化作品における脚色の難しさが今になって問われています。

 

そんな中、この『カラオケ行こ!』は原作コミックスはわずか1巻のみで完結していることもあり、原作の脚色に関して、まだ自由な裁量もあったからかも知れないですが、先ず、鑑賞後に原作漫画を読んで思ったのは、今作の脚本家の野木亜紀子さんの場合には、和山やまさんの原作漫画をリスペクトしておられるのがよく分かるほど原作のセリフ一つをとってもに忠実に再現しながらも、実写映画化に際して、原作ではスポットを浴びないようなサブキャラクターにも無理のない程度にキャラ立ちさせたり、主人公の岡聡実や成田狂児との関係性や心情の運びなども、ごく自然な感じな流れに改変するなどされていましたが、野木亜紀子さんの原作漫画の世界観を壊すことのない無理のない脚色や、お話しの膨らまし方が巧かった点、また山下敦弘監督の演出の妙が加わって、すごく笑える映画になっていたと思いました。

 

そういった意味合いでは、今作は、原作者の和山やまさんと脚本家・野木亜紀子さん、そして山下敦弘監督とが上手に関係を保ちながら実写映像化に成功した一例とも言えるでしょうね。

 

 

脚本家・野木亜紀子さんの発案なのか、山下敦弘監督の演出上の発案なのか分らないのですが、例えば、岡聡実の雨傘の派手な模様や、狂児による和子との想い出のエピソード、聡実が「映画を見る部」の幽霊部員を兼務している点など、すべて原作漫画にはない実写映画化に際してのオリジナルな設定だった訳なのですが、すべてが巧く機能していて、主人公の岡聡実や成田狂児のキャラクターに、より深みを与えていて非常に良く出来た脚色(脚本)でした。

 

 

聡実が幽霊部員を兼務している「映画を見る部」の栗山くん(井澤徹くん)は最初から最後まで終始冷静沈着で物怖じしないのに対して、合唱部の後輩の和田くん(後聖人くん)は終始感情剥き出しという対比も面白くしてありましたね。

 

 

 

また、合唱部副顧問の森本もも先生(芳根京子さん)や合唱部副部長の中川さん(八木美樹さん)のキャラも微笑ましくて面白かったりと、実写映画化に際して、映画独自のオリジナルのキャラクターを配したり、また原作漫画では単なる端役の各キャラクターをキャラ立ちさせていた点もすごく面白くなっていたと思いました。

 

 

また、「映画を見る部」のVHSビデオデッキの巻き戻しが効かないのは、単にデッキが壊れているからなんですが、そこには「青春時代は巻き戻しが効かない=青春は一方通行」という隠喩をこめた設定にしてあったのかも知れないなと思うと、更に、野木亜紀子さんの脚本の奥深さが感じ取れて感動しますよね。

「映画を見る部」で観ていたモノクロ映画も、『白鯨』、『カサブランカ』、『三十四丁目の奇蹟』など、山下敦弘監督が選んだのでしょうか、そのセンスもなかなか良かったでしたね。

 

聡実が自分の限界を知り、そして、「少しずつ、大人の階段を上っていく」というフレーズも原作漫画にはない実写映画オリジナルだったりと、その言葉選びも野木亜紀子さんの脚本センスが輝ってましたね。

 

 

また原作漫画にはなかった、X JAPANの『紅』の英語歌詞の和訳の意味合いも意味深で面白かったり。

 

 

とは言え、「机に肘ついて食うたらアカンで!聡実くん」とか原作の台詞にもかなり忠実に再現していたりと、基本的には原作コミックスの前後編とコミック化に際しての描き下ろしの3つのお話しを基本にして、上手く再構築し直してあって、原作漫画家の和山やまさんの『カラオケ行こ!』の世界観を壊すことなく、これほどオリジナルエピソードも加筆改変し脚色しながらも、面白く実写映画化してあるのも珍しいかと思いました。

 

 

俳優陣は、綾野剛さんが原作漫画のようにオールバックにしている髪型でもないのに、スマートなヤクザ像を上手く演じていましたね。

プライベートでは、ガーシー被告からの脅迫などに苦しんでられたりもなされていたことを考えますと、綾野剛さんには、この映画で完全復活を遂げてもらえて本当に良かったです!!!

 

 

北村一輝さんが四代目祭林組長役、そして、加藤雅也さんがヒモ男役で友情出演。チョイ役でもなかなかの存在感を魅せてくれていました。

 

 

ポストクレジット(オマケ映像)で、久しぶりに聡実に電話をかけている狂児が出てきますが、彼の腕に彫られてある文字も原作漫画の通り(笑)

 

映画で観た際にはいったい何という文字なのかよく分からなかったのですが、原作漫画でも確認し直したら再度笑えました。

 

 

 

 

  私的評価:★★★★☆(90点)

 

原作漫画の実写映画化に際して、原作者や作品に敬意を払わずに「原作クラッシャー」とも称されるほど、元々の原作漫画の世界観を台無しにするような大幅な改変(いや改悪)をなされる脚本家や監督も中にはおられるようですが、今作に関しては、元々の和山やまさんの原作漫画『カラオケ行こ!』の素材自体がかなり面白いのに加えて、今回の脚本家・野木亜紀子さん×山下敦弘監督の最強コンビの脚色・演出の妙により、相乗効果で、更に面白さ度合いがパワーアップして素晴らしい作品に仕上がっていたと感じました。

 

私が観に行った上映回ではクスクスッと笑い声が溢れ出ていて、館内が爆笑の渦状態でした。

従いまして私的な評価としましては、五つ星評価的には、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい映画かと思いました。

 

 

※尚、関西でも大阪府・京都府・兵庫県では公開館数も、かなり多いのですが、「三重県では、109シネマズ四日市まで行かないと観られないんよ」と、還暦過ぎの松阪市に住む従姉がすごく残念がっていましたので、三重県の他のシネコンでも、『カラオケ行こ!』のセカンド上映を是非ともご検討願います。

 

 

○映画『カラオケ行こ!』本予告(90秒)【2024年1月12日(金)公開】

 

 

 

 

○Little Glee Monster「紅」× 映画『カラオケ行こ!』コラボMV

 

 

 

 

 

【『カラオケ行こ!』パロディポスター】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。