『ウクライナから平和を叫ぶ Peace to You All』(2016年)#アップリンク京都 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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先月に、シネマNAVIの懸賞に応募をしてペア劇場鑑賞券に当選していたので、観に行かねばと思っていたら、京都府での本作の唯一の上映館のアップリンク京都では、観客の入りが良くないからか、9月2日(金)から1週間限定上映みたいだったので、慌てて、上映最終日の9月8日(木)に、劇場鑑賞券を無駄にしないようにと、京都市営御池地下駐車場にクルマを止めて、新風館の地下1階にあるアップリンク京都まで、年老いた父親と共に鑑賞に出向いて来ました。


 

今年度の32本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のアップリンク京都での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

 

 

 

シネマNAVIさん。

この度は、映画鑑賞券を当選させて下さり有り難うございました。

 

 

 

「8年前から続くロシアによるウクライナ侵攻(22.9/8・2D字幕)」

ジャンル:ドキュメンタリー映画

製作年/国:2016年/スロバキア

原題:MIR VAM

配給:NEGA

配給協力:ポニー・キャニオン

公式サイト:https://peacetoyouall.com/

上映時間:67分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年8月6日(金)

監修:岡部芳彦

撮影・監督:ユライ・ムラヴェツ・Jr.

 

 

【解説】

ウクライナ紛争の背景に迫るドキュメンタリー。

2013年、ウクライナで大衆デモにより親ロシア派のヤヌコービチ大統領が追放となり、親欧米派による政権が樹立。しかし、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州では、親ロシア派の分離主義勢力とウクライナ政府の武力衝突に発展し、分離主義勢力によって14年4月にドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立が宣言される。

15年4月、分離主義勢力が支配する東部のドネツクに向かったスロバキアの写真家ユライ・ムラベツ・Jr.は、人びとに取材を敢行。戦場に参加した人、しなかった人、スパイと間違えられて拘束された人や、「プーチンに助けてほしい」と訴える人など、さまざまな声を拾い集めた。やがて16年2月、入国禁止ジャーナリストとして登録されたことでドネツクへ入れなくなったムラベツは、ウクライナ支配下の村や紛争の最前線マリウポリでウクライナ側の人びとへの取材を開始。ドネツク側とウクライナ側、双方の証言を集め、当時の記憶をたどることで紛争の本質や、人が戦争を繰り返す理由を問いただしていく。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

以下、映画フライヤー(チラシ)より引用。

 

「ロシアとヨーロッパに挟まれるその立地から、親ロシア派と親欧米派に分かれて対立してきたウクライナ。

そんなウクライナの欧州連合(EU)の加盟やNATO加盟を警戒し、ロシアのプーチン大統領は圧力をかけてきていました。

 

 

ことの発端は、2013年9月、当時のヤスコーヴィチ大統領が欧州連合との連合加盟に署名しなかったことに遡る。

これにより、親欧米派の野党や大統領の汚職を批判する市民による大規模な反政府デモが勃発。

 

 

翌年、ヤスコーヴィチ大統領は国外に逃走し、ロシアによりクリミア半島が併合されるのでした。

更に、ルハーンシク州とドネツク州では、親ロシア分離派が分離共和国として独立を宣言。両共和国を反政府武装勢力とみなしたウクライナとの紛争状態に陥るのでした。

 

 

その渦中にいた国民に何が起きたのか。この状況をどう捉えてきたのか。生活はどの様に変わったのか。

2010年より旧ソ連の国々を取材してきたスロバキア人写真家ユライ・ムラヴェッツ・Jr.が入り、ドネツク側とウクライナ側の両方の生の声を記録。

 

 

ドネツク側では、戦場に参加した鉱夫と参加しなかった鉱夫、ウクライナ兵にスパイと間違われて拘束された人、「プーチンに助けて欲しい」という女性。

 

 

一方のウクライナ側では、大佐、手榴弾で手足を失った退役軍人、老女、子供、ホームレスなど幅広い人の証言を網羅。

 

 

当時の記憶を辿ることで、ウクライナで起こっている紛争の本質が見えてくる、今観るべきドキュメンタリー。」

 

と、映画フライヤー(チラシ)の解説文では謳っており、確かに、この映画でも、この戦争の根深さを浮き彫りにはしていましたが、ウクライナ侵攻が今に始まったことではなく8年前にはすでに侵攻されていた事はよく分かりましたが、ただ、どちらの視点に立って観たら良いのか当初はよく分からず困惑させられました。

 

 

  8年前から続くロシアによるウクライナ侵攻。

 

この映画のみを観て理解出来たのは、8年前からロシアからの侵攻が続く中、ウクライナが親ロシア派と親欧米派とに分かれて対立してきたウクライナが侵略国のロシアに対して、ウクライナ国民一同が一致団結して一枚岩になれていないところでしょうか。

では何故に、親ロシア派と親欧米派は反目しあっているのか。

 

 

その理由については、鑑賞後に、劇場向けパンフレットの読んで、ようやく、何故に、ロシア軍に壊滅的に生活を破壊されたにもかかわらず、親ロシア分離派の人達は、自国のウクライナ軍を憎み、そんなロシア人に助けを求めているといった矛盾が生じているかというのが多少なりとも理解出来ました。

 

 

  ロシアによるプロパガンダによる洗脳。


というのは、古くからウクライナがロシアによって徹底的に洗脳されていて、この洗脳は2014年のロシアによる侵略から始まったのではなく、その遙かに前から、ウクライナにおいてロシアによるプロパガンダが蔓延していたらしい。

これについてはウクライナ国家の責任でもあり、ロシアはウクライナ国内で好き勝手にプロパガンダを流布し、ウクライナ人を騙していたのでした。

それをウクライナ国家は全く阻止したり、取り締まったりすることなく野放しにしていた。

その結果、ロシアによって日常を破壊された人達は、何故かウクライナを憎み、ロシアが正しいと思い込んでしまうという矛盾を生じさせる、実に洗脳というのは怖いものだということが分かる。

 

 

従いまして、本作の「プーチンの助けが欲しい」「キーウはネオナチだらけ」などの親ロシア派の市民の声も、長年のプロパガンダによる「諸悪の根源はウクライナ側」という情報の刷り込みよるものと推測できるあたりに、共産主義国家だった名残を感じてしまいました。

 

 

それ故に、ウクライナ側で暮らす市民の声が妙にシニカルに思えたり、ウクライナ軍大佐が「誰も過去の歴史をちゃんと学ばなかったから戦争が起きたんだ」と達観しているのも妙に納得してしまいました。

 

 

  私的評価:★★★☆(70点)


おそらくウクライナ軍事侵攻についての知識がある日本人は案外と少ないと思います。

かく言う私もその一人だったのですが、そんな私も、今年勃発したロシアのウクライナ軍事侵攻が決して突発的に起こったものでなかった事を、本作を観て改めて理解出来ました。

戦争の火種は既に2013年の時点以前から燻っており、長年におけるウクライナ国内でロシアが好き放題にプロパガンダを流布していたことに遡ることが理解出来ただけでも勉強にはなりました。

 

ただ、本作が撮しているのは、あくまでも2016年時点までのウクライナのドキュメンタリー映画ですので、今年勃発して以降のウクライナ軍事侵攻の動向や情勢についてを知りたかった点では、ちょっと情報が古くて期待外れでもありました。

▲『ウクライナから平和を叫ぶ』劇場パンフレット(税込価格1.000円)※売上金の一部をウクライナ大使館へ寄付されるとのこと。


従いまして、このウクライナ紛争の根深さを浮き彫りにはしていましたが、この67分間のドキュメンタリー映画のみでは、劇場パンフレットの解説文がないと、解り辛い面もありましたので、五つ星評価的には、三つ星半の★★★☆(70点)ほどの評価が相応しいかと思いました。
○映画「ウクライナから平和を叫ぶ〜 Peace to You All 〜」予告編(監督・出演:ユライ・ムラヴェツ Jr. )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考:最近のウクライナ情勢についてのドキュメンタリー番組


<NHKスペシャル:キーウの夏 戦争の中の”平和”>5分間番宣○[NHKスペシャル5min.] ウクライナの首都・キーウの今 人々にひろがる罪悪感 | キーウの夏 戦争の中の“平和” | NHK

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。