『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』(2019年) #イオンシネマ京都桂川 #ゴジラ | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

早くからムビチケを購入していたほどの今年の期待作の1つでしたが、私が幼少の頃よりゴジラ映画をはじめ劇場へ連れて行ってくれていた、私の傘寿過ぎの父親が、「公開して直ぐには用事があって観に行けないので、公開5日目の6/4(火)まで待って欲しい。」というので、その日を待って、イオンシネマ京都桂川のULTIRAスクリーンの8番シアターで、2D字幕版を鑑賞してきました。

 

(しかし、残念ながら、音響効果は、DOLBYATMOS上映ではありませんでした。)

 

 

「映像は満点ながら、脚本面で破綻した作品(19.6/4・2D字幕版)」

ジャンル:SF/パニック

原題:GODZILLA:KING OF THE MONSTERS

製作年/国:2019年/アメリカ

配給:東宝

公式サイト:https://godzilla-movie.jp/

上映時間:132分

映倫区分:一般(G)

公開日:2019年5月31日(金)

監督:マイケル・ドハティ

キャスト:

カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、サリー・ホーキンス、チャールズ・ダンス、トーマス・ミドルディッチ、オシェア・ジャクソン・Jr.、渡辺謙、チャン・ツィイー ほか

 

 

【解説】

日本が生んだ怪獣王ゴジラをハリウッドが映画化した「GODZILLA ゴジラ」(2014)のシリーズ第2作。

前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけて戦いを繰り広げる。

また、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止しようと、未確認生物特務機関「モナーク」に属する人々が奮闘する姿を描く。

 

「X-MEN:アポカリプス」「スーパーマン リターンズ」などで原案や脚本を担当してきたマイケル・ドハティが、脚本を手がけたほか自らメガホンもとった。

 

前作から引き続き、芹沢猪四郎博士役を演じた渡辺謙が出演するほか、カイル・チャンドラー、ベラ・ファーミガ、サリー・ホーキンス、チャン・ツィイー、大人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」のミリー・ボビー・ブラウンらが共演。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

▲『ゴジラ:キングオブモンスターズ』という全文タイトルの表示が無理であれば、せめて、『ゴジラ:KOM』とでも案内表示板に表示させて欲しかったですね!

 

 

 

ハリウッド版ゴジラの第二作目であり、レジェンダリー・ピクチャーズ製作の「モンスター・ヴァース」シリーズの第三作目。

 



第二作目『キングコング:髑髏島の巨神』のオマケ映像の障壁画に描かれていたシルエットから、ゴジラに続き、モスラ、ラドン、キングギドラもハリウッド進出かと話題を呼んでいましたが、とりあえず、私的には、今回の作品は「映像」と「音楽」には大満足。

 

 



製作陣が日本版ゴジラをリスペクトしているのがよく解り、日本版ゴジラの魅力を押さえた上で、ハリウッド版による世界規模の大迫力の怪獣映画にはなっていましたね。

 



キングギドラの凶暴性や、モスラの献身愛的な行動、ラドンの活躍ぶりなど、巨大怪獣バトルによる怪獣プロレス映画としては充分に楽しめました。

 



また「音楽」の面でも、「ゴジラ」のテーマや「モスラ」のテーマといった、お馴染みの伊福部昭先生作曲の音楽の中に、お経や祭り囃子の掛け声といった音声をマッシュアップしてリミックスしたサウンドが斬新で良かったです!

しかしながら、非常に勿体なかったのは、人間ドラマのパートをはじめ「お話しとしてちゃんと成立しているか」といった度合いが、ギャレス・エドワーズ監督によるハリウッド再リメイク版の『Godzilla』(2014年)よりも更に内容的にも酷くて、脚本的に破綻している印象を受けたところですね。

 



有り得ない展開、ご都合主義だらけな展開で構成されていて、そもそも諸悪の根源である、エマ・ラッセル博士(ヴェラ・ファーミガ)が「自然の摂理」を謳いながらも、その思考自体も、あたかもMCUシリーズの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での魔人サノスによる「指パッチン!」の発想と変わらぬような思想であり、自然環境テロリストの傭兵部隊達に拉致されて無理強いされたという設定にせよ、その割には、狂信的な科学者としても首尾一貫した理屈で行動していないうえに、製作サイドにより、家族愛を絡めて、お茶を濁して同情を惹こうとするような展開も空回りに終わり、観客である私も、いずれかの登場人物に共感しようにも、まともなキャラがほぼ皆無で共感のしようが無く、置いてけぼりを喰った様なポンコツぶりが目立つ人間ドラマのパートの酷さでした。

 



また、エマ・ラッセル博士の娘のマディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)と比較しても、父親役のマーク・ラッセル博士(カイル・チャンドラー)の存在感が際立って影が薄いのも致命的でしたね(汗)。

 



薄っぺらくて何度も突っ込みを入れたくなるような場面ばかりで冗長で雑な脚本仕立てのドラマパートに、盛大な怪獣バトル。

 


どの登場人物にも感情移入出来ず、ゴジラをはじめ怪獣オタクを自負されるマイケル・ドハティ監督に成り代わり、登場する怪獣への敬愛ぶりを代わる代わる説明するだけの、未確認生物特務機関の<モナーク>の、あたかも頭がおかしいような登場人物達のオンパレード。

 



それに加えて、ゴジラの存在意義はそもそもが水爆実験で誕生した怪獣であり、日本においては、反核的・警鐘的な意味合いを持つ怪獣であるはずが、ゴジラが核兵器から力を得るといった発想自体が、今作では核を正当化している点で、ゴジラの本来的な存在意義が薄まってしまい、単なる昭和の高度成長期の頃の様な怪獣プロレスを見せるだけの映画に成り下がっていた点が非常に残念でしたね。

 



<オキシジェン・デストロイヤー>についても、初代ゴジラへのリスペクトが少しでもあるのならば、あの様な中途半端な使い方自体止めて欲しかったですね。

 



芹沢博士(渡辺謙さん)の日本語台詞の「さらば、友よ」といった一連の決断シーンも、初代ゴジラを転義させたオマージュ的演出で、あのシーンにおいては唯一、多くの観客も感情移入出来たかも知れなかったですね。


但しながら、脚本上の演出的な方法論としては正しくても、反核的な意義としてのゴジラを鑑みると、あの演出は、あまり嬉しいものではないのも確かではありましたね。

 



ただ、あくまでも怪獣映画の主役は巨大怪獣達であり、脇役である人間ドラマのパートは重要ではないという意見もあり、今回の怪獣プロレス重視による、人間ドラマのパートのポンコツ度合い自体も、もしや昔の昭和の高度成長期の東宝怪獣映画に対するリスペクトなのかとも感じ取れるものでした。


すなわち、懐かしい、昭和の「東宝チャンピオンまつり」で上映されていた当時の年配者のゴジラファン層の観客を意識した怪獣プロレス重視の映画に特化しているのかも知れないですね。

 



ですので、私的な評価と致しましては、
脚本面ではお話し的に破綻した映画ではありましたが、それでも、巨大怪獣同士のバトルシーンなど、見どころはありましたので、「映像」や「音楽」の面では満足いく出来映えでしたので、かろうじて及第点として満足のいく、五つ星評価的にも★★★★(80点)の四つ星評価とさせて頂きました。

 



※個人的には、芹沢博士役の渡辺謙さん以外にも他に日本人俳優の起用を検討して欲しかったのですが、中国資本のレジェンダリー・ピクチャーズ製作の映画だからか、中国を代表する中国人女優のチャン・ツィイーを起用したのかも知れないですね。


チャン・ツィイーを双子の設定にするのも良いのですが、出来れば、インファント島の双子の小美人による「モスラ」のテーマが聴きたかったですね。

 

 

 

 

※尚、エンディングロールの際に、2020年公開予定の次回作の『GODZILLA Vs. KONG』の障壁画のオマケ映像とは、また別に、

エンディングロールの最後の最後のオマケ映像が、なかなか衝撃的ですので、最後の最後まで席を立たないで鑑賞しましょう。

 

モンスター・ヴァース作品のシリーズの中で、将来的に、おそらく、〇〇ギドラへの伏線にも繋がる映像ですので、お楽しみに。

 

 

【追記・備考】

今回、2D字幕版を鑑賞して「ラドン」の呼び名を「RODAN(ロダン)」と呼んでいたので可笑しかったのですが、チャン・ツィイーの台詞回しの言い間違いだとばかりに思っていましたらば、1956年(昭和31年)日本公開の『空の大怪獣ラドン』の海外配給の際に、海外表記では既に「RODAN」となっていたみたいですね。

 

 

ですので、字幕スーパー版での台詞の遣り取り:「あの怪獣の名前は何だね?」「ラドン。」「可愛い名前だね!」との一連の字幕の流れは、意味不明に聞こえたかも知れないですが、「RODAN(ロダン)」と呼び名を置き換えてみるとこの会話の意味合いも通じてくるかと思います。

 

 

●【昭和風予告】Godzilla 2 King of the Monsters 1964 ~地球最大の決戦~ Trailer

 

 

 

 

●【昭和風予告】Godzilla 2 King of the Monsters Toho style Trailer 第二弾

 

 

 

●映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』特別メイキング映像/音楽:ベア・マクレアリー

 

 

 

 

●A Mass Awakening | Godzilla: King of the Monsters OST

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。