『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)2D字幕ATOMS #ファンタビ | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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事前に、前作のこのファンタビ・シリーズ第一弾をDVDで再鑑賞し、予習をした上で、先日の12/3(月)に、ようやく、シリーズ第二弾の『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』を、イオンシネマ京都桂川において、2D字幕ドルビーアトモスULTIRA上映にて鑑賞してきましたので、今回は、取り急ぎ、この作品についてご紹介させて頂きたいと思います。

 

 

 

「【続きから続くへ】といった中繋ぎ的作品(18.12/3・2D字幕ドルビーアトモスULTIRA上映)」

ジャンル:ファンタジー

原題:FANTASTIC BEASTS THE CRIMES OF GRINDELWALD

製作年/国:2018年/アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/

上映時間:134分

公開日:2018年11月23日(金)

監督:デヴィッド・イェーツ

キャスト:

エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、ジュード・ロウ、エズラ・ミラー、クラウディア・キム、ジョニー・デップ、ゾーイ・クラヴィッツ、カラム・ターナー、ウィリアム・ナディラム、フロンティス・ホドロフスキー

 

 

【解説】

大ヒットファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリングが自ら脚本を担当し、同シリーズと同じ魔法ワールドを舞台に、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から続く物語。

 

アメリカからイギリスに戻ってきたニュートは、アメリカ合衆国魔法議会が捕らえた強大な魔法使いグリンデルバルドが逃げ出したことを知る。

恩師のダンブルドアから特命を受け、パリに向かったニュートは、仲間の魔法生物たちとともにグリンデンバルドの行方を追う。

 

前作に続きデビッド・イェーツ監督がメガホンをとり、ニュート役の主演エディ・レッドメインほかメインキャストが続投。

若き日のダンブルドア役をジュード・ロウが演じる。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

率直な感想と致しましては、

冒頭のグリンデルバルドの移送時の逃亡シーンのアクロバティックなアクションシーンは4DXやMX4D向けの趣向だとしても、どうやら原作者であり脚本担当のJ・K・ローリング女史は、前作での明るく面白いエンタメ映画的なムードを払拭し、あたかもマーベルヒーロー映画のMCUにも対抗しうる、ダークで大人向けのウィザーディング・ワールド映画を目指そうと大幅な方針転換を図ったかのようでしたね。

 

前作のような幅広い観客層にも受ける娯楽映画ではなく、まるで如何にも『ハリー・ポッター』シリーズの後半のお話しの展開の様な、打って変わって、かなり暗いトーンのお話しになってしまい、正直、全体的に重苦しい空気感の物語に変貌してしまっていました。

 

それも良いように解釈すれば、ダーク・ファンタジックな作風と捉えることも出来るので、決して悪い訳ではないのですが、原題の副題にある通り、今回の主役は、善悪で区分けすると、悪役である<グリンデルバルド>ですので、この様な暗いトーンになるのも致し方ないのかも知れないですね。

 

 

また、そもそもの原題の副題は、<グリンデルバルドの悪事(或いは犯行、犯罪、悪行)>であって、今回の邦題の『黒い魔法使いの誕生』って、『ハリー・ポッター』シリーズ自体には、黒魔術や白魔術といった概念はないはずですので、黒人など肌の色が黒い魔法使いを指すのかと思っていたら、どうやらグリンデルバルドの事を指しているみたいで、それならば、既に前作の時点で誕生してる訳だし、今更になって、この「誕生」の言葉の引用はないはず。

 

それを言いたいのならば、グリンデルバルドに冠すべき適当な言葉としては、むしろ<闇の魔法使い>でしょうね。

 

<グリンデルバルド>といった固有名詞では、一般的な人々には、かなりマニアックで意味合いが狭義であり過ぎて解り辛いというのであれば、たとえば<闇の魔法使いの犯行>といった様な邦題にすれば良かったのに・・・。って、そこから、そもそも言葉選びが間違っていたような気がしてならなかったですね。

 

 

そういった副題における日本語表記の言葉選びの問題や疑問点はさておき、今作は『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』の続編の第2部でした。

全5部作の予定だというからには、今作は中途半端な位置付けに感じてしまうのは致し方ないにしても、『ハリー・ポッター』シリーズの時のような、ほぼ1話完結型とは異なり、【続きから続くへ】といった様な中繋ぎ的な脚本になってしまっていたのは、非常に残念ではありましたね。

 

このために前作を観ていないと細部に亘り意味合いが解り辛いのみならず、次回作以降の展開を待たなければ解らない新たな大いなる謎が出て来たりと、モヤモヤ感が収まらずに映画が終わってしまい、この映画単体として楽しむ事が出来ないといった点では、中途半端この上ない状態でしたね。

 

 

また、『ファンタスティックビースト』シリーズは、そもそもが、『ハリー・ポッター』シリーズでの指定教科書の『幻の動物とその生息地』の編纂者であるニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)の冒険譚のドキュメント的な映画を製作しようということで新シリーズ化された映画であるはずなのでした。

ですので、今作でも、たしかに新たな魔法動物(ビースト)たちも沢山登場はしてはおりました。

しかしながら、それら魔法動物の描き方が前作ほど丁寧ではなかったり、また新たな魔法動物たちも、中国や日本などアジア市場を意識してなのか、東洋の魔法動物が案外多く紹介されていたりするのかな。などと、ついつい要らぬ事までに詮索して変に気を回してしまうほど、魔法動物たちのその存在自体は、お話しの本筋の展開とは大きくかけ離れた存在でしかなかったのでした。

 

中国に生息するとされる魔法動物ズーウーも、それなりに可愛かったのですけれどね。

 

▲中国に生息するとされる魔法動物ズーウー。

 

ただ、そんななか、前作でお馴染みになった魔法動物ボウトラックルのピケットや魔法動物ニフラーも、今作ではイタズラではなく、ちゃんと役目を果たして活躍をしてくれる点は頼もしかったですし、面白かったですね。

 

▲前作でもお馴染みの魔法動物ニフラー。

 

▲魔法動物ボウトラックル。

 

▲魔法動物ボウトラックルのピケット。

 

今作の舞台は1920年代後半の英国のロンドン。そして、フランスのパリ。

本作の主人公も、前述した通り、一応は、魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)です。

彼は、魔法動物を守る為、不思議な空間が広がるトランクを手に世界中を旅しているのでした。

 

 

そんな或る日、前作で捕らえたはずの<闇の魔法使い・グリンデルバルド(ジョニー・デップ)>がアメリカ合衆国魔法議会の収監先から欧州に移送する途中に逃亡。

 

 

ロンドンでは、ニューヨークでの渡航中にひと騒動を起こしたニュート・スキャマンダーに海外渡航禁止命令が解けない中、兄のテセウス・スキャマンダーの計らいで、英国魔法省で兄の下で勤める身になれば渡航許可を与える旨の提案を打診されるが丁重に断るのでした。

 

すると、母校のボズワーツ魔法学校の恩師であるダンブルドア(ジュード・ロウ)から、死んだはずと思っていたクリ-デンス(エズラ・ミラー)の生存を知らされ、必ずや彼を利用するべく<闇の魔法使い・グリンデルバルド>が働きかけてくるはずなので、早急に、彼を追うように指示されるのでした。

クリーデンスは<オブスキュラス>を産む者であり、自分の出自に悩み、精神状態は不安定であり、彼が、あのグリンデルバルドの闇の勢力の手に堕ちれば、その制御不能な魔力により、世界は大混乱となるであろう。

そして、魔法界のみならず、人間界にも甚大な被害が及び、多くの者が虐殺されることとなると、その切迫した危険性を説くのでした。

 

 

そして、一方、ニュートに恋心を抱いていたアメリカ合衆国魔法議会に勤務するティナ(キャサリン・ウォーターストン)は、魔法界の新聞記事を読んで、兄・テセウス・スキャマンダー(カラム・ターナー)の婚約者のリタ(ゾーイ・クラヴィッツ)とニュートが婚約をしたと誤解をして、失意の底にあるのでした。

 

 

 

また、アメリカからロンドンのニュートの元へやって来た、ティナの妹クイニー(アリソン・スドル)の方も、ノー・マジ(非魔法族=魔法を使えない人間)のジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)とは交際も結婚も出来ないことに大いに不満を募らせていたのでした。

 

 

 

他方で、<闇の魔法使い・グリンデルバルド>のその企みを知ってか知らずしてか、パリのサーカス団に身を潜めていたクリ-デンス(エズラ・ミラー)とナギニ(クローディア・キム)の二人も、共に協力し合って脱走を図ろうと画策していたのでした。

 

※クローディア・キム=日本ではキム・スヒョン名義にて知られる韓国人女優さん。

 

 

その後を追うように、ダンブルドアからの特命を受けたニュートは、ノー・マジ(非魔法族)のジェイコブと共に、違法手段により、パリへ向かうのでした。

 

 

と、まぁ、冒頭部分のみでも、これだけのお話しの展開の濃さ(笑)。

主人公のニュートとアメリカ合衆国魔法議会のティナ。

そして、ティナの妹のクイニーとノー・マジ(英国ではマグルと呼ばれる非魔法族の意)のジェイコブの恋バナについてはさておき、

ボズワーツ魔法学校のダンブルドア校長と<闇の魔法使い・グリンデルバルド>。

そして死んだはずのクリーデンスの出自にまつわる自分探しのお話しが展開上、更に絡んでくる事から情報過多この上ない状態。

 

私も前作をDVDで再鑑賞することで予習して劇場鑑賞に臨んでいたので、何とか、今作のお話しに着いて行けましたが、やはり、前作を観ていないと全く訳が解らない、まさに、<一見さんお断り状態の作品>になってしまっていましたね。

 

 

そんな中、今作の海外版のポスターが『ファンタスティックビースト』というメインタイトルよりも、副題の文字の方がひときわ大きい理由が解るくらいに、最も活躍したのは、このメインタイトルのこの魔法動物たちでも、主人公のニュート・スキャマンダーでもなく、悪漢役の<闇の魔法使い・グリンデルバルド>演じるジョニー・デップでした。

 

 

あのSF映画『スター・ウォーズ』シリーズさながらの様に、今作では、闇の勢力・暗黒面の世界に堕ちて行く魔法界の人々を描いている訳ですが、舞台設定を1920年代後半に置いたのも、第二次世界大戦前ということを意識したのが、今作でそれも明白にもなります。

 

 

ネタバレになるので、あえて詳しくは書きませんが、

先ず、若かりし日のダンブルドアとグリンデルバルドの妖しい関係性。

そして、今作はクリーデンスの自分探し<アイデンティティの追求>が謂わばメインテーマ的なお話しの展開になっていましたが、その真の正体についてのグリンデルバルドの爆弾発言。

 

今作に限って言えば、それだけでも、次回作の第3弾も絶対観ない訳には行かないような終わり方でした。

 

別に、ほぼ1話完結型の単体映画として成り立たなくても良いのですが、シリーズものだからって、勿体付けるのは止めて欲しいですね!

約2年後まで待たされる方の身にもなって欲しいです(汗)。

 

私的な評価と致しましては

先ず、ダーク・ファンタジックなお話しの展開に舵取りを修正し直した点は、善し悪しがありますので、ここで特に言及はしませんが、それ以上に、前述した通り、モヤモヤが晴れないままのラストでしたので、次回作への期待感は更に膨らみはしましたが、その分、本作のみで満足出来るまとまり方ではなく、謂わば、中継ぎ的な中途半端な位置付けの作品だったことは否めないので、五つ星評価的には、高評価ながらも、★★★★(80点)くらいの評価が相応しいかと思いました次第です。

 

 

●映画『ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生』本予告【HD】2018年11月23日(金・祝)公開 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり誠に有り難うございました。