ジャンル:人間ドラマ
製作年/国:2013年/日本
配給:東宝
上映時間:144分
公式サイト:http://www.eienno-zero.jp/index.html
公開日:2013年12月21日(土)
監督:山崎貴
出演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、新井浩文、染谷将太、三浦貴大、上田竜也、吹石一恵、田中珉、山本學、風吹ジュン、平幹二朗、橋爪功、夏八木勲ほか
![永遠の0・チラシ](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/78/4f/j/o0428060412813154906.jpg?caw=800)
滋賀県草津市のシネコンにて鑑賞。
率直な感想と致しましては、
あの当時の戦時下の時代背景からして、あの宮部久蔵(岡田准一くん)の様に、大っぴろげに厭戦的な行動や発言、更には、上官に異を唱えることなどが果たして出来たのか、そもそも疑問ではありましたが、そこはファンタジーな部分として咀嚼していくしかないのでしょうね。
![永遠の0・孫達](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/bc/4f/j/o0450029912813145120.jpg?caw=800)
お話しの流れ的には、
戦争を知らない若者である孫(三浦春馬くん)が、実は、自分の祖父(夏八木勲さん)が、祖母の二番目の夫であり、本当の血の繋がった祖父は、宮部久蔵(岡田准一くん)という名の<神風特攻隊>として戦死した人だったとの話を知り、フリーライターの卵である姉(吹石一恵さん)とともに、その戦死した実の祖父の実像を追っていくという、一見、ミステリー仕立てにお話しは進行していきます。
![永遠の0・宮部久蔵の妻子](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/6a/b2/j/o0450029912813162031.jpg?caw=800)
日本軍の戦況が芳しくなくなって来た頃には、<神風特攻隊>として戦死することが、最大の栄誉とされていた時代に、愛する妻(井上真央さん)や娘のために生き延びようとした宮部久蔵の生き方は、ファンタジックながらも、それも、当時の<特攻隊員達>の本音ではなかろうかとも思われ、涙を誘いましたね。
![永遠の0・零戦搭乗](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/d6/67/j/o0450031012813145119.jpg?caw=800)
劇場を後にした際に、若いカップルが「あの時代の若い人が、なんで好きこのんで特攻なんかしようと志願するのか今ひとつ解らんかったわぁ~」という言葉も耳にしましたが、それが戦時中の思想なのであって、大日本帝国軍人たる者が、厭戦的な言動や、戦闘を拒否すること自体が非国民というレッテルを貼られていた時代。
「御国のために」という名の下に散っていった<神風特攻隊>の死を美化し、兵士の命を道具の様に扱い軽視していた時代。
そんな戦争の虚しさ、そして、そういった戦地で散っていった若者達の尊い犠牲のうえに、今日の平和な日本があることを忘れてはならないという反戦メッセージが込められた映画だった様に思われましたね。
![永遠の0・空母赤城](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/0d/1d/j/o0347014512813169202.jpg?caw=800)
宮崎駿監督のアニメ映画『風立ちぬ』では説明不十分だった零戦のその悲劇的な末路をも、ちゃんと描ききっている点は、反戦のメッセージ性では、この映画の方が、かなり上をいっていましたね。
![永遠の0・零戦飛行](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/71/67/j/o0450025312813166330.jpg?caw=800)
ですので、最新のVFX技術を駆使した、零戦の戦闘飛行などの描写は、たしかに格好いいのですが、単に、そこだけに惹かれて観てみようといった気持ちのみでは、決して観て欲しくはない映画の様にも感じましたね。
![永遠の0・孫&夏八木勲](https://stat.ameba.jp/user_images/20140113/22/halu7100/e2/34/j/o0450029912813169203.jpg?caw=800)
この作品が遺作となられた夏八木勲さんはじめ、橋爪功さん、平幹二朗さん、山本學さん、田中珉さんなどのベテラン俳優陣の好演も輝る作品でしたね。
エンディング曲は、サザンオールスターズの曲でしたが、予告編の様に、劇中には一切流れることがなく、映画の雰囲気を邪魔しなかったのも良かったですね。
この様な逸話が、おそらく本当に、事実としても数多くあるのでしょうが、多くの語り部が世を去っていく中、多少ファンタジックな映画ではありますが、私を含め戦争を知らない多くの世代の方々に是非観てもらいたいと思えた作品でしたね。
私的な評価と致しましては、
ファンタジーな反戦映画として観るならば、戦時下の宮部久蔵の行動や発言も気にはならないのですが、あの時代を実際に生きた人から観れば、かなり疑問も残るかも知れないですね。
ですが、現代的な視点に立って、あの太平洋戦争を再検証し直し、反戦メッセージを感じ取る意味合いでは、良く出来た反戦映画だとも思いましたので、ほぼ満点の★★★★☆(90点)の高評価を付けさせて頂きました。
この映画を観終わったので、ようやく、私も、百田尚樹さんの原作本『永遠の0』を読もうと思います。
お勧め作品です。
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この度も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。
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