ジャンル：ヴァイオレンス
製作年/国：2013年/日本
配給：キング・レコード＝ティ・ジョイ
上映時間：129分
公式サイト：http://play-in-hell.com/
公開日：2013年9月28日(土)
監督：園子温
出演：國村隼、二階堂ふみ、友近、長谷川博己、堤真一、星野源、坂口拓ほか
PG12
かなり薄暗い雨雲が覗いていましたので、京都三大祭りの時代祭や奇祭・鞍馬の火祭りといった恒例の行事を観に行くこともなく、京都市内の大型シネコンにて、本作品を鑑賞。
率直な感想と致しましては、
本作品は、かねてから「アクション映画を撮りたい」と切望していた園子温監督による、脚本・監督・音楽担当によるスプラッター的コメディ風ヤクザ映画とでも呼べば良いのでしょうか？？
おそらく、こういった作風の作品を得意として映画を撮ってきた＜大人計画＞のあの井口昇監督が、さぞや悔しがっているだろうなぁ～とも思わせる様な、ギャグ漫画を実写化したような世界観の作品で、凄く面白かったですね。
自主映画製作のオタクグループのファック・ボンバーズが、10年来、芽が出ない状態が続いているというお話しと、ヤクザの抗争劇とのお話しが併行して描写される中で、どの様に、この二つのお話しを交錯させるのかが見どころだったのですが、まさか単なる通行人(星野源さん)がその役割を担っていたとは思いもしませんでしたね。
ヤクザの抗争の殴り込みのシーンでは、あたかも『キル・ビルVol.1』を彷彿させるかの様な、ブルース・リーの『死亡遊戯』のコスチュームを纏ってアクションを繰り広げる佐々木(坂口拓さん)の活躍ぶりも面白かったですし、何よりも、突拍子も無く映画監督に祭り上げられた通行人(星野源さん)から懇願されて、本当の殴り込みのヤクザ映画の製作に一役買うことになった、ファック・ボンバーズの自称・映画監督の平田(長谷川博己さん)のテンションの高さも半端じゃないので、思わず画面に引き込まれてしまう勢いのある映画でしたね。
冒頭のヤクザのシーンにて『仁義なき戦い』の音楽のみならず、ヤクザの武藤組の組長(國村隼さん)が、本妻の武藤しずえ(友近さん)に面会に行った際の警察署名が「深作警察署」という名前まで凝っていたのには笑えましたね。
また、江波杏子さん、ミッキー・カーチスさん、成海璃子さん、板尾創路さん、水道橋博士さん、神楽坂恵さんなどなど多数の贅沢なチョイ役も見どころのひとつでしょうね。
私は、元来、ヴァイオレンス映画は苦手なのですが、いかにも嘘臭い血糊や血飛沫や手や足を斬られたり、首チョンパなどには、私の場合には、あの井口昇監督作品で、かなり免疫が付いていましたので、決して、陰惨な感じは受けませんでしたし、逆にギャグ漫画チックで面白かったですし、至るところに、あらゆるアクション映画のオマージュが込められていて、園子温監督の映画愛が感じられる作品になっていたと感じましたね。
また、武藤組長の一人娘ミツコ(二階堂ふみさん)のエロカッコ良さもさることながらも、私が、この映画で、特に、ツボだったのは、池上組・組長役の堤真一さんの変顔やコメディタッチの描写が微笑ましかったですね。
それに致しましても、
あのCM曲の「全力歯ぎしりLet's Go～♪ギリギリ歯ぎしりLet's Fly～♪」の歌詞が、未だに、頭をぐるぐる廻って仕方が無いですね。
私的な評価と致しましては、
園子温監督の真面目な作品も嫌いではないのですが、やはりこういった作風の弾けたヴァイオレンス風味のコメディ映画の方が面白いですね。
さぞや、こういった作風の映画を得意としてこられた、＜大人計画＞の井口昇監督が悔しがっているのではと想像に難くない様な、ギャグ漫画を実写化したような世界観で、実に面白かったですね。
また、園子温監督の過去のアクション映画に対する映画愛や35㎜フィルムへの拘りも感じられる作品で、凄く良かったですね。
ですので、この映画を観た御方々の中には異論もお有りかもしれないですが、あくまで私見ですが、文句なしの★★★★★(100点)の満点評価にも値する映画だったと思いました。
お勧め作品です。
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