『エンディングノート』(2011年) | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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今回は、<終活>に向けての<最期の段取り>を、実の娘が記録したドキュメンタリー映画『エンディングノート』を紹介致します。

「最期の段取りの記録(12.2/28・劇場&DVD)」
ジャンル:ドキュメント
製作年/国:2011年/日本
配給:ビターズ・エンド
時間:90分
公式サイト:http://www.ending-note.com/
公開日:2011年10月1日(土)
監督:砂田麻美



エンディングノート・チラシ

エンディングノート・チラシ裏



全国ロードショーの際に観逃していた本作品を、今年(2012年)の2月28日に、滋賀県大津市のシネコンにて、2週間限定のリバイバル上映で鑑賞。
今回、DVDにて、再度、鑑賞し直しました。


率直な感想と致しましては、
ガン宣告を受けた<最期の段取りの記録>の「身内」を題材にした、セルフドキュメンタリー映画にしては、一般人の御方にしては、何と、とても器の大きな人を扱った映画かと思いましたし、この映画の被写体で主人公たる砂田知昭さんのキャラクターから、最期の段取りの記録映画にしては、家族の絆など哀愁漂う涙を誘われるシーンの数々もさることながらも、笑わされる様なユーモア満載の作りの映画に仕上がっていて、実に、素晴らしかったですね。


エンディングノート・砂田知昭さん



この砂田麻美監督の実父の砂田知昭さん。享年69歳。
その砂田知昭さんご本人が大手化学会社に勤務していたからか、砂田さん一家の手元には昔から8ミリビデオテープなどの記録媒体が身近にあり、そのせいか、末娘の砂田麻美監督も幼少に頃から家族や友人にカメラを向け、大学在学中よりドキュメンタリーを学び、大学卒業後はフリーの監督助手として、是枝裕和監督などの映画制作に従事したことから、今回、自分の父親の最期の段取りの記録を「身内」を扱ったセルフドキュメンタリー映画にしたそうです。
ですから、そもそもが本作品自体は、商業用映画では無かったそうです。

それに致しましても、セルフドキュメンタリー映画にしては、撮られている側も、撮っている側も、兎にも角にも、その昔からカメラ慣れをなされておられたのか、カメラマンたる末娘の砂田麻美監督を信頼しきっている、被写体の実父の砂田知昭さんの飾らない人柄がスゴく魅力的でしたし、随分と笑わせてくれるようなエピソードも有ったりと、撮影する側(娘)と被写体(父など)との相互が、実に、冷静に、<最期の段取りの記録>の<映像化>を真摯に取り組んでいる姿が、素晴らしいとも思いましたね。

もしや、深読み致しますと、父親の砂田知昭さんご本人からすれば、自らの<死>を<最期の段取りの記録>を<映像化>することを以て、末娘の砂田麻美さんを、出来れば、一人前の監督にさせてあげたかったという親心だったのかもしれないですね。

また、この様な、器の大きな、素敵なキャラクター像の砂田知昭さんですから、本作品を観ている者にも、実に愛すべきキャラクター像にも映るように工夫された、本作品の監督であり末娘の砂田麻美監督のナレーションや編集手法が実に長けていて良かったですね。

私事で恐縮ですが、
私の父親の場合も、生粋の会社人間でしたし、<段取り命>の人間ですが、砂田知昭さんの様に、あの死の直前までも、最期の段取りに拘られるのが、まさに元熱血営業マンの執念というのか、実にスゴかったでしたし、私の父親が、もしもの場合には果たして、ここまで冷静に、私の父親も、また、私自身も、あの様に、最期の段取りの記録を遺すことが出来るのか疑問ではありましたね。

私の両親の場合も、以前から、冊子に「エンディング・ノート」作りはしてはいますが、その来たるべき死の最期の直前に至ってまで、この映画の被写体の砂田知昭さんの様に、果たして、私の両親の場合には、その際に、最期の段取りに拘ることが出来る精神力を持ち合わせられるのかと少々不安になって来ましたと共に、この映画のセルフドキュメンタリー映画を題材にして、砂田麻美監督親子が「身内の死」という重厚なテーマを、軽妙なタッチと、哀愁を交えながらも見事に描き出した点は、実に注目に値する作品かと思われましたね。

砂田麻美監督の師匠でもある、是枝裕和監督は、このセルフドキュメンタリー映画を観るまでは、「身内」を扱った映画は正直好みではなかったそうですが、この作品に至っては、砂田知昭さんご本人のキャラクター像もさることながらも、実に撮影する側、される側の自然体の姿の描写に驚かされて、本作品の商業映画化のプロデュースを引き受け、資金面でも手助けすることになったそうですが、この映画を機に、砂田麻美監督という新たな監督の誕生と今後の飛躍に期待したいと思わせられる映画でしたね。

私的な評価と致しましては、
病と向き合い、ユーモアと活力を失うことなく、最期まで段取りに拘る父と、それを見守る家族の姿を記録し続けた、娘というよりも、カメラ好きがこうじて、まさに映画監督の1人として、「身内」の姿を撮り続けた砂田麻美監督。そして、末娘による<最期の段取りの記録>の<映像化>に付き合った父の砂田知昭さんご本人の気力の凄さなど、残された僅かな時間を前向きに生きようとされていた砂田さんとその家族の姿には、実に感銘を受けましたので、★★★★☆(90点)の高評価をつけさせて頂きました。

お勧め作品です。


●映画『エンディングノート』劇場予告編


●映画『エンディングノート』砂田麻美監督インタビュー



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