今回は、以前のブログの中の一文である「人生を好転するには自己決定が鍵」という話を聞いた時に、「きつい、苦しい、不快」だと感じるような人々について、三つのケースを取り上げ、なぜそのように感じるのか、どうしたら苦しくなくなるのかをお話ししたいと思います。

(こういった取り上げ方もまだまだ一般に言えることに限られるのですが・・・。)



 まず一つ目に、自分を疑ったり、自分は無力だと信じていること等により、他者に、自分にまつわる判断を委ねてしまっていることが原因であるケースです。

 こういった人々はとても多く、本来の自分を見失っている苦しい生き方と言えます。犯罪や事件に巻き込まれるケースもあるのです。こういった方々は、自分自身を取り戻していくことが必要でしょう。何をしたらいいのかについて、具体的にわたしがブログでおすすめしているのは「人・物・事」を取捨選択することから始めることです。
(例えばこちら『選択する力を身に着ける方法』をご参照ください。)



 二つ目に、「幼少期から、周囲に口出しをされ過ぎて育った」というケースです。

 こういった人々はあまり理解されず「なんなの、あの人。ラクしようとしてるんじゃないよ」だとか「甘えてるよね」と誤解されてしまう場合があるのですが、実はこういった人々は、本当に途方に暮れている部分があるのです。中には「自己決定」に対して大変な恐怖や罪悪感を感じ、「動けない」という状態になっているかたもおられます。

 このケースである「周囲にあまりにも口出しをされて育った」という人が、自分らしい幸福にたどりつくためにどうしていったら良いのかというと、ここではひとつだけお話しますと、一つ目のケースの人々と同様に、自分で自分の感覚を知り、怖くない範囲で少しずつ行動して、自分にとって合っているものが一体何なのかを知っていくこととなります。それには一人になること、一人の時間を設けて自己対話を繰り返すことが肝要です。


 今、自分はどうしたいのかな?休みたいのかな?
疲れているようだから、どこにも行かずゴロゴロしてみようかな。
 

 そういった小さなことから適当に済ましたりせず、自分にちゃんと聞いてあげて、自分で決めることから始めましょう。

 それは、小さな頃の自分に対して、親や周囲に、このように聞いてほしかった、自分の意思を尊重してもらいたかった、ということを、大人になった今、自分にしてあげるということです。

 そしてそういった自分の選択に対する許可や同意を、決して他者に求めないことです。自分で決めたことですので、それでいいのです。だから小さなことから始めることが大事なのです。恐れや抵抗、罪悪感が発生しにくく、本当の自分からの今の欲求を感じやすくなるからです。



 三つ目に、たとえば親や周囲が、子育てや教育に関して機能していなかったような環境で育ったというように、

「どうしたらいいのか一所懸命考えて自分で決めて、そのあとにがんばって努力して行動して、どうにかして結果を出さなければならない」と思っている場合です。

 そういった一連のことを、心から嬉しく感じるのであればいいのです。しかしそうではないかたもおられるでしょう。

 そういったかたにとっては「自分だけが頼り」と思っただけでも大変な緊張を伴うようになった、とても厳しい環境で生きてきたと言わざるを得ません。そのために「自分で決めましょう」と聞いただけで、もはや反射で苦しさを感じてしまうというかたもいるくらいなのです。


 こういったかたに(おこな)って頂きたいのは、まずはご自分をねぎらうことです。これは外部や他者に向けてエネルギーを放出するのではなく、自分の内側に向かって、自分に対して言うのです。「よくやってきたよね。偉かったよ」と言ってあげてください。それは事実なのですから。


 そして「そうせざるを得ない環境だったけれども、そうだとしても、自分はよくやってきた。」と言い、自分に誇りを持つ考え方に置き換えていってください。例えば「あんなに孤独で、つらかったけれど、自分は困難を克服する力があったのだな。それって、すごいことだよね」と、自分で自分の努力と存在を、喜んであげるのです。それは事実なのです。本当のことを自分に言い、正当な評価をしてあげるのです。


 そのようにして、自分で自分の人生を決めてきたということを、苦しみではなく、喜びに感じることができるようになれば、人生が輝きだします。つらかったことが報われる健康な考え方を身に着けたということなのです。

 

 以上、3つについてお話しましたが、本当はお一人お一人のお話をじっくり伺わないと、各人にとっての正確なことはお伝えできません。お話しする言葉の選択すら変わってきます。とは言え参考にはしていただけるのではないかと思って書かせて頂きました。


 いずれの状態であっても、わたし達は自分の気持ちに自分で気が付き、各ケースにてお伝えしたようなことを、少しずつ練習して身に付けていくことが、自分自身を信じることができるようになるための、確実で安全な方法だと思います。そうして自分らしく、のびやかな毎日を送って頂きたいと思っています。


 人生とは、苦しいものであったとしても、幸せなものであったとしても、どちらにしろ、あなたにしか歩めない人生を歩んでいます。そうであるならば、幸福な人生のほうを歩まれることを、心から願っています。


 ではまた・・・。