今日はAPクラスとAPテストについて。

 

 

【APってそもそも何?】

 

『APクラス』『APテスト』って日本に住んでいる方々にはあまり馴染みのない言葉だと思います。APは Advanced Placement の略で、通常クラスより難しいアメリカの大学レベルの高校のプログラムの事をいいます。

 

アメリカの高校には APクラス と言って、毎年5月に行われるAPテストを受けるための大学レベルの特定教科のクラスが用意されています。APの各教科のクラスは高校の卒業単位としても認められています。

 

APテストは Collge Board 主催の共通テストで、5点満点中3点以上のスコアを取得することにより大学の必修単位としても認められます。

 

またAPクラスでAを取ると、通常のクラスのAの成績である4.0ではなく、5.0の成績を取ることができます。これによりAPクラスでAを多く取得する事により、GPAを4.0以上に上げる事が可能になるわけです。

 

 

【APクラス】

 

アメリカでは高校生になると優秀な生徒はこぞってAPクラスの受講を希望します。その最大の理由は、アメリカの大学入試の際にAPクラスをいくつ履修していたかで、受験の際に内申のスコアもぐんと上がるから、またGPAを4.0以上に上げることができるからです。

  • APクラスで取得したA = 5.0
  • APクラスで取得したB = 4.0 (通常クラスのAと同等)
  • APクラスで取得したC = 3.0 (通常クラスのBと同等)

 

ここで1つ注意していただきたいのは、APのクラスでAまたはBの成績を取ることができればGPAも内申も上がるので良いのですが、C以下の成績を取ってしまった場合はマイナスの効果もあり得るという事。

 

APクラスは大学レベルの難易度の高いクラスなので、課題も通常より多く授業の進み具合も非常に早いので、クラスについていけない生徒にはあまりお勧めできません。APクラスを取る際にはガイダンスのカウンセラー(進路指導の職員)とよく相談の上で履修科目をを決めてみてください。

 

APクラスに関しては、全ての高校で全教科のAPクラスが履修できるわけではなく、その教科を教える教師が高校にいることが前提。通われている高校に希望の教科のAPクラスが受講可能かどうか、まずはガイダンスカウンセラーに問い合わせてみる事をお勧めします。アメリカのほとんどの高校のホームページで、APクラスの有無やAPクラスの教科について記載されているはずです。

 

 

【APテスト】

 

APテストは College Board が主催していて、毎年5月(年に1回)に行われる共通テストの事を言います。

 

APテストの申し込みは、College Boardからもできますが、開催している高校で申込をするのが一般的。ただし、一つの高校で全てのAPテスト教科が受けられるわけではないので、通われている高校に希望のテスト教科が入っているかまず確認してみましょう。

 

希望のAPテストが自分の高校で受けられない場合は、まずは学校のAPテストのコーディネーターに相談してみてください。学校で教えていない教科でも、APテストだけ特別に受けさせてもらえるケースもあるそうです。万一、自分の高校では希望のAPテストが受けられない場合、近隣の高校で受けさせてもえるケースもありますので、まずは学校に相談してみる事をお勧めします。

 

ちなみにAPクラスを履修した生徒は必ずAPテストを受けなくてはいけない、という決まりはありません。大学の必修単位は特に気にしないという生徒は5月のAPテストは受けなくても大丈夫です。

 

APテストで受けられる教科は下記の37教科です。

 

<Arts>

  • AP Art Design Program
    • AP 2-D Art and Design
    • AP 3-D Art and Design
    • AP Drawing 
  • AP Art History
  • AP Music Theory

 

<English>

  • AP English Language and Composition
  • AP English Literature and Composition

 

<History and Social sciences>

  • AP Comparative Government and Politics
  • AP European History
  • AP Human Geography
  • AP Macroeconomics
  • AP Microeconomics
  • AP Psychology
  • AP United States Government and Politics
  • AP United States History
  • AP World History: Modern

 

<Capstone Diploma Program>

  • AP Capstone Diploma Program
  • AP Research
  • AP Seminar

 

<Math & Computer Science>

  • AP Calculus AB
  • AP Calculus BC
  • AP Computer Science A  (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Computer Science Principles  (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Statistics  (*MITは大学の単位として認めていない)

 

<Science>

  • AP Biology (*MIT、Stanfordは大学の単位として認めていない)
  • AP Chemistry (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Environmental Science  (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Physics 1  (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Physics 2  (*MITは大学の単位として認めていない)
  • AP Physics C: Electricity and Magnetism
  • AP Physics C: Mechanics

 

<World Languages and Cultures>

  • AP Chinese Language and Culture
  • AP French Language and Culture
  • AP German Language and Culture
  • AP Italian Language and Culture
  • AP Japanese Language and Culture
  • AP Latin
  • AP Spanish Language and Culture
  • AP Spanish Literature and Culture

 

電球 大学の単位として認められないAPテスト

 

ちなみに有名難関大学では教科によってAPテストで4または5のスコアのみ単位として認めているところがあります。

 

また、教科によっては大学の単位として一切認めていない大学もありますので、APテストを受けられる前に必ず事前確認してみてください。

 

更にAPスコアによって大学の単位数も変わるところがあるようです。(例:AP Computer Scienceで3または4のスコアで大学の3単位、5のスコアを取ると6単位など)

 

 
 
【独学でAPテストを受けてみる】
 
APテストは基本的に高校でAPクラスを履修した生徒が、その年度末(5月)にAPテストを受けるというのが一般的です。また高校ではAPクラスは履修せずに独学で勉強をして、5月にAPテストだけ受ける事も可能です。その場合APクラスは履修していないので、GPAで5.0を取得する事はできません。
 
興味のある得意な教科や、自分の母国語がAPテストで受験可能な場合は、是非テストを受けてみると良いと思います。科目にもよりますが、スコアが3以上(5点満点)あれば大学の一般教養の単位として認めてもらえるのでテストを受けてみる価値は有ると思います。
 
ここで注意してもらいたいのは、独学では合格が難しい教科もありますので、オンラインコースを取って勉強したり、ガイダンスカウンセラーに相談してみる事をお勧めします。
 
 
【APテストの申し込み期限】
 
APテストのレジストレーションは基本的には主催している高校で申込みができます。高校にもよると思いますが、通常は10月くらいに締切があります。また、APテストは翌年の5月に全米一斉に実施されます。テスト開催時期の半年以上も前に申込みの締切がありますので、どうぞAPテストの申込みを忘れないようにお気をつけくださいね。
 
<APテスト料金> 2023年5月開催のテスト料金
  • アメリカ国内の生徒:1教科につき$97
  • アメリカ国外の生徒:1教科につき$127
  • キャンセル料金:1教科につき$40 (11月以降にキャンセルした場合)
 
 
<感想>
 
APクラスは通常のクラスに比べて難易度も高く課題の量も半端なく出されるので、必然的に精神的に負荷がかかりやすくなります。APクラスを取る事により別の通常クラスの課題が疎かになったり、成績が下がっていくなどの影響があっては本末転倒。とにかく無理のない履修計画をされる事をお勧めします。
 
APテスト料金は1教科につき$97もかかるの結構高いですよねー。そして、途中でやっぱりテストはやめようってなった場合、以前はテスト料金の全額が返金されていましたが、現在はキャンセル料$40(テスト料金の41%)も取られてしまうみたいです。APクラスを履修すると決めたら、是非とも翌年5月のAPテストまで頑張ってもらいたいと思います。 
 
ここ最近の傾向として、大学の出願条件にSATやACTのスコアがオプション制だったり、UCやCSUのように共通テストのスコアが不要の大学が多くなってきました。そんな訳でAPクラスやAPテストの有無がGPAと同等に受験の大きな判定材料になってきているのは間違いないです。アメリカのCollege Applicationでアピールポイントを一つでも多く書けるよう、APクラスやAPテストを是非とも挑戦してもらいたいなぁと思います。受験生の皆さん、頑張ってくださいねー!
 
 
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