今回はアメリカの高校のGPAとHonorsとAPについてのお話です。

 

 

【GPAとは】Grade Point Average

 

GPAとは? 皆さんも既にご存知の通り、学校の成績をアルファベット(A、B、C、D、F)の5段階で評価し、その各教科の成績の合計を平均値にしたものがGPAとなります。

  • A = 4
  • B = 3
  • C = 2
  • D = 1 (大学受験をする場合は再履修)
  • F = 0 (落第点)

 

         

【APとHonors】

 

アメリカの高校ではAP(Advanced Placement)とかHonorsというクラスが存在します。APは大学レベルのクラスで、Honorsのクラスは通常のクラスより難しい上級クラスとなっています。ちなみにAPクラスでB以上(大学によってはC以上)を取れば大学の単位としても認めてもらえる上、APのクラスでAをとると成績の評価は通常のAの4.0ではなく、5.0になります。これによりGPAを4.0以上に上げることが可能になります。

  • APクラスで取得したA = 5.0
  • APクラスで取得したB = 4.0   → 通常クラスのAと同等
  • APクラスで取得したC = 3.0 → 通常クラスのBと同等           

 

また、Honorsのクラスで取得した成績は通常の成績に0.5点が加算されます。

  • Honorsクラスで取得したA = 4.5
  • Honorsクラスで取得したB = 3.5
  • Honorsクラスで取得したC = 2.5

 

APクラスやHonorsクラスは誰でも自由に履修することができるわけではなく、中学3年時の先生の推薦や、ガイダンスカウンセラー(高校のアドバイザー)の勧めがあってようやく履修することができます。もちろん本人の希望で取ることも可能ですが、カウンセラーとの面談でGoサインがもらえることが前提です。要はクラスについて行けるだけの学力があると判断されないと履修することはできません。

 

APクラスの生徒は高校の授業で履修するだけではなく、年に1度5月に行われるAPテスト(College Board主催)で、1教科につき$96払って行うテストにパスしてようやく単位と認められます。そして大学入試の際には、このAPを履修した生徒は大学入試の際にとても有利なポイントとなります。アメリカの高校は通常4年間ですが、願書で提出するGPAに1年時の成績は含まない学校が多いです。通常、2年生、3年生と4年生の前期までの合計GPAが対象となります。なので、2年生と特に3年生のGPAはかなり力を入れておきたいところです。 

 

 

【大学入試出願資格のGPA】

 

何故GPAがそこまで重要なのか?カリフォルニアの公立大学であるUC(カリフォルニア大学)や、CSU(カリフォルニア州立大学)では、出願条件のGPAを設定して受験生の足切りしているからです。

 

<UCの出願資格のGPA>

  • カリフォルニア州在住の生徒に対してはGPAが3.0以上
  • カリフォルニア州外在住の生徒はGPA3.4以上
<CSUの出願資格のGPA>
  • カリフォルニア州在住の生徒に対してはGPAが2.5以上
  • カリフォルニア州外在住の生徒はGPA3.0以上

CSUに関してはGPAが出願資格に満たない場合はSupplemental information(出願資格がある事を証明する書類: エッセイや推薦状など)の提出も認める学校もあります。

 

 

【DやFを取ってしまったら】

 

家の子は高校1年、2年はまあまあいい成績でHonorsクラスもいくつか履修していたのですが、3年に入ってコロナ感染拡大の影響でオンライン授業に切り替わってから急に成績が爆下がりしてしまいました。3年生の前期は不本意ながら初めてC、D、Fを複数取ってしまい親子で撃沈。えーん

 

 

アメリカの高校ではFを1つでも取ってしまうとGPAがガクッと下がるので大学受験は諦めた方が良いほど致命的な事なのです。

 

 

この時、家の子はAPクラスを2つ、Honorsのクラスを2つ取っていて、パンデミックという状況も影響して、4つの難しいクラスに全くついていけなくなってしまいました。もしかして予定通り卒業するのも無理なのでは?と絶望してしまう程です。

 

結果から言うと、最終的には後期からクラスを通常レベルに落としてもらって、なんとか留年は免れたんですが。。。 通常は学年の途中でクラス変更はまず不可能なんですが、コロナ禍での特別措置として後期から変更を認めてもらうことができました。本当に不幸中の幸いというか、救いの神はいるんだなぁって思いました。

 

On levelのクラスに変更してもらってからは課題もそつなくこなして、後期のセメスターが終わる頃にはほんの少しだけ成績を上げることができました。ただ、Fを取ってしまった教科については履修し直さないと卒業の単位として認めてもらえないので、夏休み中に夏期講習を受けてなんとか単位も取得。

 

家の子はCとDも取ってしまったのでGPAへの影響はかなり大きく、夏期講習が終了した時点でのGPAは3.0未満。😭 もうUCの受験は諦めないとダメかなぁ、なんて落胆していたところ、なんと、なんと!カリフォルニア州がパンデミックによる影響で成績が下がった高校生に対する救済措置の州法を発表をしました!

 

 

【Pass/No Passについて】 

 カリフォルニア州の高校生へのGPA救済措置

 

2021年、Assembly Bill No. 104という新しい州法が発表されました。要はパンデミックによる影響で成績が下がってしまった高校生に対し、悪い成績の教科のみアルファベットの成績の代わりに、Pass(合格)またはNo Pass(不合格)の表示をつけることでGPAの底上げをしようというもの。

 

Pass/No Passの表示に切り替えたクラスの成績はGPAには含まれないので、良い成績のクラスだけが残り、必然的にGPAが上がるという訳です。この場合の悪い成績とはDとかFのことを指します。含めようと思えばCも含めることができたのですが、合否のボーダーラインがD-なので、PassとなっているとCを取ったのにDを取ったと思われてしまうとの事で、C以上の成績はそのまま残した方が賢明だとのアドバイスを受けて、FとDにのみPass/No Passへの表示変更を依頼しました。

 

(注)ちなみにこの州法は期間限定の措置だったので、現在は利用できるかどうかは不明です。

 

上差し UCに願書を提出する生徒は、C-以上の成績しか認められていないので、D以下の成績を取ってしまった教科に関しては再履修の対象となります。

 

 

<感想>

 

このPass/No Passのお知らせが学校から来た時は、「うわっ!やった!家の子の為の救済措置だー!」って親子でめちゃめちゃ大喜びしました。指定のフォームに記入して早速学校に提出。後日ガイダンスカウンセラーと電話会議をして、無事子供のGPAを上げてもらう事ができました〜!👏

 

一時は高校卒業も危ぶまれていたのに、なんとUCの出願資格であるGPA3.0以上にまで復活!なんて、なんて、有難い州法なんだろう〜。本当に感謝してもしきれないです。😭 パンデミック前のGPAにはまだまだ足りないけど、折角いただけたチャンスを無駄にしないよう、卒業までの成績もしっかりキープしつつ、大学受験の方もサポートしていけたらいいなぁって思っています。 

 

大学受験への道のり、これからも親子で頑張りまーす。😊

 

 

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