「本の森の入口で」 -111ページ目

「本の森の入口で」

本の森 イメージはドイツの童話にでてくる森 深くて暗い森に足を踏み込む勇気はないけど、
付近から離れることはできない 物心ついたころから本好きの読書日記 とりとめなく書いてみます

霧のむこうに住みたい 霧のむこうに住みたい

河出書房新社 2003-03
売り上げランキング : 15032
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「華美ではなく、むしろ抑えた文章に本物のエレガンスを感じます」などと書くと、似非アッパー層向けの女性誌みたいですが(笑)、須賀敦子の文章は、私にとっての、気品ある大人の魅力に溢れています。
戦前のブルジョアジーの娘。小学校より聖心女子系列の学校で教育を受け、パリ留学、その後イタリアに移り住み~という経歴。一期生であった大学では、あの緒方貞子氏と同期。後輩には美智子様という華麗な経歴。
戦後の混乱と貧しさのなか、一人渡欧する軽やかさ。留学中は、アジア人という偏見や、相対的な貧乏なども感じさせますが、そこは凛とした強さで、惨めさは微塵も感じさせません。
決して皮肉ではなく、このクラスの人しかだせない品の良さの魅力に、素直にひたりたいと思います。そしてもちろん、須賀敦子という人の知性に触れたい。

「霧のむこうに住みたい」というタイトルも、現在の出版なら、ケータイ小説かい?と思わせるものですが、もう世界が違いますから(笑)
重ねていうようですが、豪華絢爛な生活を描いたものなんかではありません。むしろ、質素な生活から生まれたエッセイです。

日本に帰国されてから、それも晩年に書かれたエッセイの数々。あと何冊くらいあるのでしょうか。少なくもないけれど、多くもない。
時どき読みたいから、一冊ずつ、間を置いて大切に読みたいと思っています。

須賀敦子の本を読むということは、もう亡くなられた作者の本というもの哀しさも感じさせる読書です。



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ   
にほんブログ村       ご訪問ありがとうございます。

中高一貫校 (ちくま新書)中高一貫校 (ちくま新書)

筑摩書房 2008-05
売り上げランキング : 43868
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
「中高一貫校」(日能研進学情報室 つくま新書)を、一気に読了。

首都圏(限定ではありませんが)在住の小学三年生の親は、心の揺れる季節ではないしょうか。
受験させるべきか否か?「地元中学でいい!」とあっさり中学受験を無視できるほどの信念はもっていないもので・・・

そこで、図書館で見つけたこの本です。日能研が書いているんだから、当然私学礼賛、受験ありき、の内容なのはわかっていました。実際読んでみて、その通り(笑)。そりゃそうだよね、受験する層で成り立っている会社だもの。


前半は、結構おもしろく読めました。明治の学制施行~戦後教育までの、私立の成り立ちやら歴史的意義などなど。私立校は「理念」があるという主張に「なるほど」。

英語の「プログレス」や数学の「A級問題集」の成り立ちのコラムなど、熱心な教師像がうかがわれます。あくまでざっとしか、触れていませんが、「やっぱり心ある教育者はいるのね」なんて思ってしまいます。一方公立は・・国の教育政策は・・ただし、日能研はここを悪者にしないと成り立たない会社だということを忘れずに(笑)


後半は学校選びのポイントから学費までの中学受験のガイドブック。ついでに、塾に頼らねば乗り切れないよと自己宣伝付き(笑)ライバルサピックスだって出しています!。(私は読んでいないけど)

中学受験 SAPIXの授業 (学研新書) 中学受験 SAPIXの授業 (学研新書)

学習研究社 2009-09-16
売り上げランキング : 82288

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
中学受験を決めている家庭は即買いの一冊。すでに塾から買わされている?(笑)決めかねている(どちらかというと受験させたくない派)私は、うーん買わないな。
今日のわたし 今日のわたし

PHP研究所 2003-04
売り上げランキング : 414072
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

昨日の夕刊(朝日新聞)の記事『季刊誌「アルネ」を終了「終了」の大橋歩さん』に、かるーくパンチをもらった感じ。

大橋歩の本は、疲れているときでも、イライラしているときでも、精神状態に関わらず、受け入れられる私。相性の良い書き手みたいです。

付き合う機会がなく、これまで尊敬できる年上の女性ってあまりいないけれど、有名人なら各界に何人かいます。そのうちのひとりが、イラストレータの大橋歩。イラストレータとしてより、かっこいい業界人かつ、自分の稼ぎとセンスで叶えたおしゃれ生活人として、憧れの女性です。


特に「アルネ」は大好き。全部とはいえないけれど、本屋でみつければ、嬉々として購入しています。個人的に会いたい人に会いに行き取材した記事や、著者が気に入っている食べ物や食器の紹介記事などなど。この雑誌から得た情報、かなり活かしています。


昨年末も、最後の最後に読んだのが「今日のわたし」。肩のこらない本として選んだのに、ちょっと勝手が違う。かっこいい業界人も、61歳(本執筆時)。なんだか愚痴っぽいなあ・・相変わらずのおしゃれで文化的生活の紹介ではあるけれど、「歳とって、やりたい仕事が回ってこない」的な?


著者だって疲れるよね。61歳ってそういうお年頃なのかなかなんて、思いながら読み進めました。

でも、読者である私たちは知っています、その後すぐ「アルネ」を創刊したことを!とても充実した、大橋歩ならではの仕事分野を立ち上げたってこと。拍手喝さい!歳を重ねてますます素敵なんて思っていたのですが・・そうですか、「終了」ですか。


あの道この道今の道 あの道この道今の道

文化出版局 2008-10
売り上げランキング : 187827

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

暮れに本屋に平積みされていた本。この本を読めば、「終了」の心境などがわかるかしら。前述のタイトル「今日の私」同様「あの道この道今の道」も、これから歳をとっていくしかない私たちに思わせぶり。シンプルなのに良いタイトルですね。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村     ←更新の励みにぽちっと!ご訪問ありがとうございました。