エレガントな文体に酔う?須賀敦子 | 「本の森の入口で」

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霧のむこうに住みたい 霧のむこうに住みたい

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「華美ではなく、むしろ抑えた文章に本物のエレガンスを感じます」などと書くと、似非アッパー層向けの女性誌みたいですが(笑)、須賀敦子の文章は、私にとっての、気品ある大人の魅力に溢れています。
戦前のブルジョアジーの娘。小学校より聖心女子系列の学校で教育を受け、パリ留学、その後イタリアに移り住み~という経歴。一期生であった大学では、あの緒方貞子氏と同期。後輩には美智子様という華麗な経歴。
戦後の混乱と貧しさのなか、一人渡欧する軽やかさ。留学中は、アジア人という偏見や、相対的な貧乏なども感じさせますが、そこは凛とした強さで、惨めさは微塵も感じさせません。
決して皮肉ではなく、このクラスの人しかだせない品の良さの魅力に、素直にひたりたいと思います。そしてもちろん、須賀敦子という人の知性に触れたい。

「霧のむこうに住みたい」というタイトルも、現在の出版なら、ケータイ小説かい?と思わせるものですが、もう世界が違いますから(笑)
重ねていうようですが、豪華絢爛な生活を描いたものなんかではありません。むしろ、質素な生活から生まれたエッセイです。

日本に帰国されてから、それも晩年に書かれたエッセイの数々。あと何冊くらいあるのでしょうか。少なくもないけれど、多くもない。
時どき読みたいから、一冊ずつ、間を置いて大切に読みたいと思っています。

須賀敦子の本を読むということは、もう亡くなられた作者の本というもの哀しさも感じさせる読書です。



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