「貧困大国アメリカ」Ⅰを読んで、とてもよかったので、Ⅱも読んでみました。
この手の社会問題を扱った本は、全て「オバマ前・後」という目で見てしまいます。Ⅰは「オバマ前」。ブッシュ大統領下でボロボロにされたアメリカという印象をもっただけに、オバマとなって、何が変わったのか?は気になるところでした。
そして、著者は誠実に、今回のⅡで「オバマ後」をルポしてくれているのですが・・・
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前作に較べて、「学資ローン」「医療保険」「刑務所の労働市場化」という3つに絞った内容は、日本の状況とは較べにくい気がします。
自助独立を良しとするお国柄、日本の小さくは家族、大きくは国に支えてもらうのを当たり前としたがる社会とは違います。学費は親がだすのが普通だ(だった)し、特に「医療保険」については、建前であれ、国民全加入の保険ができている日本からみると、アメリカの現状は別世界の話にしか思えません。
そもそも日本のような健康保険無しで通してきた先進国アメリカに、疑問をもってしまう。それにより、「アメリカって医療も商売根性丸出し」醜い国というイメージすら・・
それは極端ですが、Ⅰのときに描かれた競争社会アメリカの現状が、日本の近未来というか現在に重なってみえたものですが、ちょっと今回はそう思えない。
もちろん最近は日本でも、国民健康保険の保険料が払えずに・・・とかの現実は耳にしますが、アメリカの場合とは根本的な差があります。
本編の主題は、上記3つのルポというより、むしろ「オバマ後」。選挙まではオバマに酔い、チェンジを信じた国民も、現実は何も変わらなかったというところでしょう。
オバマになっても。政財界の癒着が続いている。著者のいうところの、「キャピタリズム」よりもむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」に飲み込まれているという現状。
しかし、著者は、「オバマ」に変えてもらうのではなく、「オバマ」を変えるのだと動き始めた運動に希望を見出しています。
その力がどの程度なのかは、まだ測りようがありませんが、それは、私たちが日本で、動き出したNPOや声を上げだした若者の動きに、一抹の期待を寄せている姿に重なります。
この辺は、湯浅誠氏との共著「正社員が没落する」(角川ワンテーマ21)が出ているので、次はこちらを読む予定です。
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