オオアカマルノミハムシと捕虫網 | はるきょん3

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胸に双眼鏡、ポケットにコンデジ、好奇心いっぱいで黒王号にまたがって福岡市周辺を探検する。野鳥や昆虫などの自然観察が主。他にはマラソン系。


シカに遭遇したポイントは一旦離れ、別の明るいポイントへ移動。
この日は、実は秘密兵器を持参していた。
それは、自然観察を始めて以来、その使用を、いや存在すら固く否定してきたもの。それは...

☆☆☆捕虫網☆☆☆

新治で、志賀昆虫の60cm大型捕虫網を持った大人(昆虫を捕獲し毒瓶で殺して標本として自分だけのものにする)を見かけるとルッキングオンリーの自然観察者の敵であると見なして、その姿をなるべく見ないで済むように散策コースを変えたりするぐらいだった。

そんな、捕虫網が大嫌いだった自分が何故捕虫網を持っているのか?


それは5月初旬だったか、ある夜、家の中にカメムシが入り込んで家内が大騒ぎをしたために、カメムシ忌避剤入りのネットとハエたたきと小型の捕虫網を共に導入したもの。
家の中で虫が飛んでも丸めた新聞紙ではなかなか捉えられなかったので網が必要となったのである。

その後我が家へのムシの侵入はなく、使わないのも勿体ないということで網はリュックに忍ばせていた。

慣れない手つきで初めて網を広げ、竿を組み立てつなぐと、小さいながら捕虫網が完成した。

...
だが、良い大人が野外で捕虫網を持つという初めての経験で...罪悪感?不道徳感?背徳感?のような感情があふれ出し恥ずかしさでたまらなくなった。
誰が見ているわけでもないのにだ。
この気持ちは一体どういうわけだろうか?
人が来ないことを祈ってとにかく使ってみることにした。

最初のターゲットは手ごろなところでツチイナゴ。写真下
地面の草地に居たのだが、慎重に狙いを定め、網の向きを考えてえいやっ!と振り下ろした網が途中でくるんと90度回り、網の枠が縦に地面に激突、ツチイナゴはやすやすと飛んで行ってしまった。呆然自失。
組み立て方が悪かったのか?何段かある竿の一部がちゃんと固定されていなかった。
竿は伸ばして回すときゅっと締まって固定されるはずなのだが一か所だけちゃんと固定しなかった。
これは不良品か?

これは仕方ないのでそれを受け入れたうえで再挑戦。
次の手ごろなターゲットは枯れ枝の先に止まっているベニトンボ。写真下
だいぶ前から枝先に止まって獲物を探してはスクランブル発進して餌を捕って同じところに戻っているのだ。つまり朝のお食事中。次に飛び立った時に後ろから掬ってみよう。そーっと網を近づけて待つ。

今度はうまくやろう。
...飛んだ!

下から思い切り網を振る。ベニトンボ巧妙に網をかわす。
網を振り戻してトンボを狙う。トンボ、急旋回して上空へ。
なおも網を振るうが届かない。
トンボ見えなくなる。

あ~~!
というわけで捕虫網の使い方は容易ではないことが分かった。
これでは蝶だって捕れそうにないと諦め、そそくさと捕虫網はしまい込み、逆にほっとした。

で、今回の紹介は葉の裏についていた赤くて丸いムシ(写真上)。最初テントウムシかと思い、下に透明ケースを添えてコンデジで1cmマクロ撮影をしようとさらに近づいたのだが、ポロせずに、ピョン!と跳ねて逃げられたのだ。コンデジの画面で確認すると触角が長い。
ということはこれはテントウムシではなく、実家の庭木についていたヘリグロテントウノミハムシの類だろうと思った。

自宅での調査では、全体に赤く丸い体形、長い触角は黒い。
というわけでオオアカマルノミハムシらしいと判明。
一応、オオアカマルノミハムシ 祝!初見。
このムシに跳ねて逃げられたため透明ケースではなく網なら捕らえられたんじゃないか?と思いついて網を使うことを思いついたというわけ。それで、上のツチイナゴの件に戻るわけである。

6月13日、篠栗町にて