愛をうたう -7ページ目

愛をうたう

ショウジョウハイライト明香のアタマ




何かひとつ

大事なものがあって

何かひとつ

守りたいものがある


それは確実に揺るぎないのだけれど

夜の風なんかに当たって歩くと

時折落ち着かなくなる



自分の今までと

今の自分を比べるなんぞ

あまりにナンセンス

歴史はそんな単位で私を生かしてはいない



地面を踏みしめるリズムが

自分のスピードじゃなかったとしても

別に大したことじゃない

むしろその方が良いことだってある



言いたいことも

別に話したいことがあるわけじゃない

何となく

そこに居ることで息が出来る夜がある






武士は食わねど高楊枝



春はすぐそこ

蕾が開く音は聞こえるだろうか




一緒にしたかったことはたくさんあったはずだけれど

出来なかったことはもううまく思い出せない。



時間は流れる。



いつかの夜に

曲がり角にあたる度にじゃんけんをして

勝ったほうに道を折れながらずっと歩いた。

お店を見つけたら夜ご飯を食べようって言っていたのに

一向にお店は見つからず

時間ばかりが経ってお腹もペコペコだったのに

どちらも最初に決めたルールをやめようって言わなかった。


何時間歩いたのか

そこがどこだったのかはっきり思い出せないけれど

最後に見つけて入ったうどん屋さんで食べたおうどん美味しかったね。

帰り普通に歩いて帰ったらあっという間に着いて大笑いした。


結局そんなことばかりだったけど

いつも楽しかった。



何を諦めて

何に期待して

ダメにしてしまったんだろう。



私の知らない時間と

あなたの知らない時間が

私たちの間に平等に流れて

私たちは当たり前の顔をして暮らしている。


もうあの時2人の間にあったものとは違うけれど

幸せを願う気持ちは変わらない。



生まれ変わったってどうせまた出逢う。

その時

私はあなたを何と呼ぶのだろう。







長い間、住んでいる場所や行動範囲や何やで

数えるほどしか行かなくなったファミレス。

ここ最近

マンションからすぐのところにファミレスがオープンして

事情もあって、夜に1人で行く機会が出来た。



21時を過ぎたあたりの店内は

色んな人達が思い思いに過ごしている。

遅めの夕食をとる人

若いカップルが笑いあったり

ビールを飲んでいる人もいる。


久しぶりの空気感。

明日までまだまだ距離があるような感覚。



17歳くらいからずっと夜をベースに行動していたし

それなりにマシな大人になろうとしていた頃からは

午前中には起きるようにはなったけれど

大阪に出て来てからも

バーやライブハウスなどがメインの生活時間帯は

変わらず夜型のままだった。



30歳前後で女は変わる。

健康云々の話ではなくて

生き物のメスとしてのリミットが見えてくると

身体はもちろん思考も変わる。

それはきっと本能レベルの感覚が作用するような気がする。


当たり前のことを当たり前にする事の凄味を

自分の生き方にも反映させるために、色々意識するようになった。


その頃から私は朝起きて夜寝るようになった。

当たり前の顔をして

日々の暮らしを紡いでいる。



生き方はそれぞれ。

自分が美しいと思う生き方で死ぬまで生きられたら素敵だと思う。




1つの年の差が大きく感じた10代のあの頃

バンドメンバーと練習が終わっていつもの中華屋で大盛りのラーメンを食べて

自転車を引いて

夜を惜しんでファミレスに向かう。

山盛りのポテトとドリンクバーで何時間も話す。

希望でも夢でもない何かもう少し曖昧なものを口にしながら

大事な時間を惜しげもなく使った。


それはとても美しい時間だった。




あれから20年近く経った今

ドリンクバーのカップと

ノートとペンを手にそんなことを思っている。