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愛をうたう

ショウジョウハイライト明香のアタマ



今日はMaison Julien Miyazuというお店で食事をしてきた。


ライブで知り合った方から

とてもおすすめの店だから是非行ってみてと勧められたお店。

絶対行こうと心に決めていたものの

いつかは決めずになんとなく心の隅に置いていた。

でも何となくこのまま時間が過ぎていって

いつかの事たちがどんどんわたしの中に増えていく気がして

無理やり日程を決め予約メールを送ってみた。

折り返しの電話があり、希望日は満席のため

さらにやりとりして日が決まった。

お店に行くことが目的なので1名で予約したけれど

まったく別のやりとりをしていた友人が

実はその店にいつか行きたいと思っていたとのことで、2名で予約し直した。


予約日の前日

遠方から望まない知らせを受けた。

その知らせは私の中を色んな感情でいっぱいにして

何の落とし所もないまま朝を迎えて

想いもしなかったものを身体の中に詰め込んだままお店へ向かう時間になった。

向かう最中も沈んだり堪えたり溢れたり。

それも込みで、忘れられない日にはなるだろうなという微かな予感を携えて

友人をピックアップし、お店に入った。


とても素敵な笑顔の女性が迎えてくれて

素敵な店内と心地良い雰囲気に

私の中のぐるぐるは奥に下がっていったようで

そこからは驚きと感動と喜びあふれる楽しい食事の時間になった。

最後のデザートの前にシェフのパトリスさんが出てきて

にこにこ最後のデザートの説明をしてくれた。

とてもキュートで、会話すれば自然とこちらが笑顔になるような方。

他のテーブルから1年前までフランスに住んでいたと聞こえてきたので

どうして宮津を選んだのか質問してみた。


呼ばれたんです。

この海に、この家に呼ばれたんです。


その答えが私の中に入ってきて

他のお客さんにも、自身のことを深いところで話しているシェフの言葉が音になって私の中を過ぎていった。

突然何かが溢れてきて

涙が止まらなくなった。

友人には何も話して無かったし

ナプキンで目を拭って外を見ていたけれど

お店に私たちだけになったら

もうどうにもならなくなって顔を覆った。

そうしたらシェフが私の背中に手を置いて

大丈夫。

涙は流せばいいんだよ。

と。


私もここに呼ばれたんだな。

何の事情も知らない人たちの前で泣いて

身体中にあった色んなものが腑に落ちて

空いたところに温かいものが満ちた。


落ち着いたあと笑いながら帰り支度をする私たちに

突然シェフが日本に来る前にギリシャを旅したことを話し始めた。

行かなくちゃと思って奥さまとネコと一緒にすぐに向かったこと。

その時にお土産を買ったこと。

そしてそれはまだ誰のものでもない感じがしてずっと持っていたこと。

そう話しながら、いつのまにかふたつの小さな包みが手の中にあった。


今日だったね。

どちらか選んでください。

と差し出され、私がひとつ選んで友人がもうひとつを受け取った。

私は火山の石で出来ている黒いブレスレット。

友人は赤い革紐で作られたブレスレット。


それを受け取ってすぐに腕につけて

お庭とその先の海へ行き

シェフの日課のカモメの餌やりをみて笑った。

あなたは何をしている人なの?と聞かれ

歌をうたうんです。というとなるほどね!と。

歌いにきてよ!と。その約束をして

ほかにも色々と話して

笑って手を振って帰路についた。


本当に忘れられない1日になった。


望まないことも

信じられないようなことも

何気ないことも

全部どこかの瞬間に繋がっている。

ただどこかに呼ばれて、そこに辿り着いて

またその先に続いてゆくだけ。



これからは

このブレスレットと共に歌うことにしよう。









特に何も深く考えずに予感を信じて

会いに行こうと思い、連絡して予定を合わせたら

それがタンクさんの誕生日の前日。

滞在中はアトリエに泊めてもらい

かとくんと3人で美味しいもの食べに行ったり、なぜかカラオケ行ったり、たくさんいろんなこと話して

夜はあらたるとで過ごして、また色んな面白い人たちに出会ったり。

お誕生日をお祝いに来たお客さんたちが持参したケーキを何個も食べたり。

菊ちゃんの肉体はもうそこにはないけど

わたしの携帯電話には菊ちゃんの写真はずっとあるし

帰ってきたなー!って感じの2日間を過ごした。


今回のあらたるとで

佐渡島にライブをしに行く計画が持ち上がった。

常連のミュージシャンが

佐渡島に家があり、ライブハウスもあるから、タンクさんもかとくんもみんなで行こうと。


大人になると

自分以外の部分でも色んなことがあって

どうしても身軽さは減るけれど

大変に見えることを簡単にやってのけるような

気持ちは持ち続けたいと思う。




今、名古屋でタンクさんの個展をやっている。

最初は絵が1枚も無い会場にだれかが来て演奏をする。

その音を聞いてタンクさんが絵を描く。

それがどんどん壁に並んで、最終日にはたくさんの絵が並ぶ。

個展に行けないのは残念だけど

わたしには約束がある。

タンクさんとの、かとくんとの、名古屋で久しぶりに会った友人たちとの

今暮らしている場所でも色んな人との約束がある。



わたしは好きな人たちと約束をして生きていきたい。

その約束を道標に

手がかりにして

日々を過ごしていきたい。





10月、3連休あたまの2日間

名古屋、今池の大好きな人たちに会いにいってきた。

いつぶりかなと思い遡ってみたところ

2019年10月5日に歌いに行ったのが最後だった。



今池という街に

あらたると

というカフェ&バーがある。

お客さんが扉を開けると

店主が「おかえり」と声をかけるお店。


名古屋はもちろん、全国からいろんなミュージシャンやアーティストがやってきて

様々なライブ、絵の展示やアートイベントなどなど

とにかく面白い催しが開かれる場所。


そんなあらたるとに私が初めて足を踏み入れたのは

2013年、友人のライブを見に行った時。

大阪から乗り継ぎ、駅をおりて10分ほど歩くと

公園の前にふんわり明かりが灯る店があった。

その当時は菊ちゃんが店主だった。

彼女は絵描きで、しっかりしているんだかしてないんだかよく分からない人で、いつもニコニコしてて、

商売っ気がなくて、とてつもなく愛が溢れていた。

タルトを出すカフェをやろうとこのお店を出したと言っていた。


彼女は不思議で

周りの人たちがお手伝いしたい気分になる人。

店員さんと間違えるくらい働いていたお客さんが

現在の店主のタンクさん。

お店の主のような常連のひとりが、かとくん。

その3人に出会ってしまった。

あるたるとに集まる人たちはとても自然体で、フレンドリーでちょっと変で面白い人たちばかり。


駅前のビジネスホテルに泊まると伝えると、もったいないからキャンセルしな!

みんなでうちに泊まればいいよ!と言われキャンセルした後に

猫ちゃんがいることが分かって、猫アレルギーの私は、手慣れた様子で寝床を作ってくれた菊ちゃんと共にお店で寝ることになった。


ライブ後もお客さんたちもみんなで

たくさん話してたくさん飲んで楽しくて

タンクさんの家に友人たちも帰ったあと

菊ちゃんに歌ってと言われ店のギターを借りて歌ったり、一緒に片付けをしながらたくさん話して

空が白んでくる頃までいろんなことを語り合った。

翌朝、モーニングに行こうと迎えにきてくれたタンクさんに昨夜のことを話すと

菊ちゃんがそんな身の上まで話すなんて珍しい!と驚かれたくらい、私たちは一晩でぐっとお互いを知り合った。


その日から、何度か

遊びに行ったり、歌いにいったり。

娘が生まれて、なかなか名古屋に行けない時も

あらたるとの孫ができた!いつでも帰っておいで!

とみんなで喜んでくれた。


いろんなことがあって

あらたるとはタンクさんが引き継いだ。

菊ちゃんが店主だった頃からタンクさんはお店のマスコット的な感じだったので

私が初めて行った時から今もずっとあらたるとのまま。


ちなみにタンクさんもとても素敵な絵描きさん。

タンクさんは共感覚という特性を持っていて

音を聴くとその音ひとつひとつを色として感じる。

物知りで、色々はっきりと言うけど、気遣いの人で

楽しくて、食いしん坊で、愛で出来ている。


代がわりした後のあらたるとに歌いに行った時も

菊ちゃんとかとくんが会いに来てくれた。

あらたるとに行ったらかならず、3人が迎えてくれる。

また朝までみんなで楽しく過ごした。


その後わたしが舞鶴に引っ越したり

コロナもあり名古屋も長く行ってなかった。

ある日突然タンクさんから

"多分今いるところ、はるかちゃん家の近くじゃないかなー"って電話があった。

家から15分くらいのところに、手作りのうどんやラーメンが

珍しいレトロ自販機から出て来るドライブインがあって

友人とそこに立ち寄ることになったからと連絡をくれた。

朝だったので

こどもと一緒に会いに行って、うどん食べて

近況を聞いたり、お腹の中の第二子のことも報告したりして、またね!って別れた。


そこからさらに時は流れて先日の名古屋へたどり着く。