花の高2トリオ 初恋時代 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
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 花の高2トリオ 初恋時代(1975)

 

今や懐かしオーディション番組「スター誕生」で合格した、森昌子・桜田淳子・山口百恵の3人が主役を演じたアイドル映画です。

 

この年のほうが興行収入ランキングが5位だったとのことで、そこそこヒットしたんですね。

でも、内容はいかにも流行りに乗った安直なアイドル映画。

併映が、片平なぎさ主演の「青い山脈」だったらしく、そちらのほうの出来栄えはわかりませんが、少なくとも本作を観にお金を出した人は怒っていいレベルの作品だと思います。

 

ファッションデザイナーの叔母を訪ねて東京にやってきた、アカネ(桜田淳子)と彼女と友達になった、ミドリ(山口百恵)アオイ(森昌子)の三人が、叔母の夫である、一平(フランキー堺)の夢である熱気球の打ち上げに協力するのだが・・・

というお話なんですが、まず設定がお粗末すぎる。

熱気球に夢を馳せるフランキー堺までは良しとしよう。そのフランキー堺の相棒のクロベー(懐かしい名前だが)の素人演技の拙さ。

主役の3人はボート部の男子諸君と知り合いになるのだが、そこのキャプテンに3人が恋してしまうというありふれた展開。

そのボート部補欠の若者のお寒いコメディ演技。

 

そこに、交通事故で両親を亡くした松葉杖をついた少年が絡んでくるのだから、その先は推して知るべし。

 

主演の3人を平等に活躍させないといけない制約があるのだろうが、そのせいで誰にも物語の焦点が合わない。

 

熱気球制作のために3人はアルバイトをするのだが、このシーンでの3人のずっこけ演技はただただファンサービス。

 

暴走族風の兄ちゃんとボート部キャプテンとの熱い友情の殴り合いのシーンなど、見てられない。

 

ドラマ的には困難が伴うべきの熱気球の設計、制作も大したアクシデントもなくあっさりと進む。

 

熱気球で元気を取り戻した少年が、屋根の上で気球に向かって手を振るシーンも、おいおいって突っ込みたくなる。

 

熱気球をとらえたラストの空撮シーンだけは素晴らしいと、ちょっとだけ褒めておきましょう。

 

3人主演でぼやけてしまいましたが、その中で桜田淳子だけ、少し魅力的な部分がある。