マイ・フェア・レディ(1964) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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 マイ・フェア・レディ(1964)
 

 

前回のブログで、少しだけ本作に触れたので、今回改めて本作のレビューを。

 

大ヒットした舞台ミュージカルの映画化で、オードリー・ヘップバーンが主役のイライザを演じています。

 

舞台版では、ジュリー・アンドリュースがこの役を当たり役にしていたのは有名な話ですね。

 

花売り娘のイライザは、街で言語学者のヒギンス教授と偶然出会う。

訛りがきつく、振る舞いも下卑た様子のイライザに、ヒギンスは、上品な言葉遣いとマナーを学ばせてレディにしてやるという。

 

路上ではなく、店を開いて花を売りたいと考えていた彼女は、そのためには上品な言葉遣いが必要と感じ、ヒギンス教授宅を訪れる。

 

その日から、イライザをレディにするための猛特訓が始まった・・・

 

とにかく本作は、イライザの華麗なる変身ぶりが最大の見どころになっていることは誰もが知っていることでしょう。

 

あまりにも訛りが酷いために読めなかった詩を克服し、「スペインの雨」を歌い始めるシーンから、彼女はキラキラと輝きだし、興奮して眠れない彼女は「踊りあかそう」を歌います。

 

そして、ヒギンス教授がレディの振る舞いができるかと試すために連れてきたのが、アスコット競馬場。

 

ここで、イライザの登場するシーンは、その見せ方も素晴らしく、息をのむほどの美しさを伴ったレディが登場します。

個人的には、このシーンがクライマックスだったような気がしますね。

 

インターミッションを挟んでからの後半は、少し物語が内向的になっていくので、前半ほどの華やかさはなかったかなと思います。

 

イライザと教授の関係に変化が出てくるところが、後半の見どころになっていくのですが、英国の階級社会がいまいちピンとこないので、スカッとするまではいかない。

 

また、本作の性質上、言葉のやり取りにおけるギャグ(ダジャレ?)が多用されていたりするので、その点も笑えず。

 

でも、本作以降、影響されたであろう多くの作品が誕生したことにはパイオニア的価値があると思います。

 

 

『マイ・フェア・レディ』My Fair Lady(1964)

ジョージ・キューカー監督 170分

1964年(昭和39年)12月日本公開