当然、
ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス三名による演技のの奇跡的ケミトリーができたことによる名作があってこその作品であることは間違いないです。
それを前提にしてこその本作の魅力を綴っていきたいなと思います。
前述二人が演じたブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの出会いからお尋ね者になるまでの物語。
いかさまカードゲームから意気投合した二人の青春物語。
成り上がりたい二人がもがきまくる。
雪の中感染病の血清を運ぶ場面は名場面。
人を撃ったことのないブッチが初めて人を撃ち慌てふためく場面。
血気盛んなサンダンスがそういう場面では冷静なのが印象に残る。
監督が、ビートルズ映画の『ヤアヤアヤア』や『HELP』など清々しい映像感覚を見せたリチャード・レスター。
雪中の場面などに独特の映像センスを見せる。
『HELP』でもそうだったのですが、
雪のシーンはうまいですよね。
そして特筆すべきは主演二人を演じたトム・べレンジャーとウィリアム・カット。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの演じた主人公の若き日を演じているのですがとても清々しくていい。
サンダンスが髭を生やすことになるエピソードなど忘れられない名シーンです。
二人とも個性派俳優となっていきましたね。
意地悪い映画評論家には当時「そっくりショー」などと揶揄されていましたけれども、なり切って更に己の個性を出すのは凄いことなのにこの人はわかっていないなあと思いました。
もちろん前作のオマージュとして列車強盗の場面なども入っているのですが、単にオマージュとしてではなく、
このシーンが名作である『明日に向かって撃て』のプロローグである素養として十分なシーンとなっているのがいいですね。
顧みられることは少ない作品ではあると思うのですが、
個人的には大好きな作品です。