あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、今年の一発目の記事はゴシップ関係で。
フランコ・ゼッフィッレッリ監督の1968年の名作、
『ロミオとジュリエット』に主演したレナード・ホワイティングとオリビア・ハッセ―が、
制作会社のパラマウント社を、
「未成年の被雇用者を子どもの性的搾取から守る義務を負っていた」ということで提訴したとのこと。
何故に今更という感じがするのですけど、
主演の二人は劇中のヌードシーンは撮影時には知らされておらず、
それによってその後の役者としての活動が限定され精神的苦痛を被ったとの主張。
シェークスピア原作の本作は、
数ある同タイトルの作品の中でも私的に最高傑作と思っており、
こんな形で作品がスキャンダル化されるのは非常に残念に感じています。
確かに劇中の二人のヌードシーンは鮮烈で衝撃的ではあったものの、
当時16歳と15歳の二人の肢体は神々しいほど美しく、
ゼフィレッリ監督も最高の芸術としてあの場面を撮っていました。
シネマカフェの記事によれば、
問題のシーンで、監督のフランコ・ゼフィレッリは「ヌードシーンはない」と断言し、
その代わりに肌と同じ色の下着を着て撮影することが決まっていた。
しかし撮影の最終日に、
ゼフィレッリが2人にボディメイクを施したヌードで撮影しなければ「映画が失敗に終わる」と言ったことが明かされている。
また、ゼフィレッリはカメラの位置を偽り、
2人は知らないうちにヌードを撮られており、
完成した映画にはオリヴィアの胸とレナードの臀部の映像が収められていたという。
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シネマカフェ 賀来比呂美
さてここなんですね。
あのシーンがヌードじゃなく当初考えられたシーンのまま撮影されていたとしたらどうだったでしょう。
個人的にはあそこまでの美しい映像は撮れなかったと思いますね。
印象にも残らなかっただろう。
ゼフィレッリには性的搾取の意などまったくなく、
古典シェークスピアの原作をできるだけ美しく映画という芸術媒体で残したかっただけではないのか。
もし、本作がリバイバル上映されたときに、
該当のシーンにモザイクなどの処理が施されていたらそちらの方がいやらしく感じてしまわないか。
主演の二人にも言い分はあるかもしれない。
でもなぜ今の告発なのか。
ゼフィレッリ監督は2019年に鬼籍に入っている。
70を超えた二人に誰か知恵をつけた人物がいるとしか考えられない。
監督の意見も聞かずに一方的に声をあげるなんて、
まるで欠席裁判ではないか。
名作に傷をつけてしまいそうな今回の告発。
残念な気持ちでいっぱいです。