ダイ・ハード(1988) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

もう初公開から30年以上になるんですね。

めちゃくちゃ面白いド直球のアクション映画。

いろいろ思う時がある時はこういう作品を語るに限りますね。

 

ハイテクビル「ナカトミビル」を乗っ取ったテロリスト軍団。

たまたま居合わせることになってしまったニューヨークの刑事ジョン・マクレーンが巻き込まれてしまう。

 

外部との連絡がなかなか取れないまま、

ただ一人連絡の取れた黒人の巡査だけを味方にして、

ほぼ丸腰のマクレーンがテロリストたちに立ち向かう・・・

 

やっぱりブルース・ウィルスはこの作品だなと思います。

「自分はジョン・ウェインやランボーじゃないんだ」とぶつぶつ呟きながらのアクションシーン。

スーパーヒーローじゃないのがいいですよね。

 

この手の作品は敵の描き方次第で面白くなるかどうかが決まるのですが、

この作品の敵は頭がいいのがいいですね。

行き当たりの単細胞犯罪ではなくきちんと計画を立てて犯行に及ぶのがいい。

 

そして主人公が危機また危機に陥るのですが、

その危機が極めて古典的なのがいいですね。

 

一対一の殴り合いから外部との通信手段がなくなって孤立無援の闘いになるところの描写も面白いし、マクレーンが裸足であるのに気づいた敵がマシンガンでガラスを撃ちまくり床をガラスまみれにして逃げ足を防いでしまうなんて言うのもいい。

 

一方でFBIを罠にかけたテロリスト軍団がヘリコプターごと屋上で爆破してしまう大きな見せ場も用意してあるのがハリウッド映画らしい。

 

導入部も細かい人間関係なんかを極力すっ飛ばして本編のサスペンス描写に入ってくるところがいい。

この辺の描写が下手くそでまだるっこしくなってしまう作品が多いですからね。

 

崇高な理想を掲げての犯行だと思われたテロリストたちの行動も、

結局金目当てだったという肩透かし的なオチもいい。

 

より大きな指揮権を持つ者が逆に事件の解決を遅らせてしまったりするところは定番なのですが、そこにはあまり焦点を当てずにサラリと描いているのもいいかな。

 

ものすごくいいキャラクターのジョン・マクレーンですが、

その新鮮味も2作目まででしたね。

そのキャラクターをもっと大事にしてほしかった。

 

それ以降はハリウッドの拝金主義に流されて駄作シリーズになってしまったのは残念。

アイディアが枯れてきたらより派手なアクションシーンに走るしかないのだけれど、

そうなると物語が嘘くさくなってしまう。

 

そういう意味で本作は単純でとてもよかったですね。

 

 

『ダイ・ハード』Die Hard(1988)

ジョン・マクティアナン監督 132分