007死ぬのは奴らだ(1973)~ロジャー・ムーアボンド颯爽登場! | あの時の映画日記~黄昏映画館

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007死ぬのは奴らだ

3代目ジェームス・ボンド颯爽登場のシリーズ8作目です。

ポール・マッカトニー&ウィングスの主題歌が抜群にカッコいいです。

 

が、作品としてはどうですかね。

オープニングで諜報部員が次々に殺されて生き、

ジェームス・ボンドにその調査が命じられる。

 

と、導入部分はなかなかうまくできているのですが、

正直言うと全体的には面白みに欠けるのが残念。

 

タロットやヴ―ドゥー教などの邪道がらみなのがその原因だと思います。

そして、敵役がしょぼい。

敵が強ければ強いほど活劇物は面白くなるのが定番です。

 

本作は黒人の秘密結社が敵役なのだが、

彼の野望がケシを大量栽培してマリファナを安価で流通させ、

社会と経済を混乱させるというもの。

いやあ、007シリーズならもっとでかい悪事を計画してもらいたいものです。

 

悪役の存在感もしょぼいのも残念ポイント。

金属製の義手をした悪者の用心棒が列車内でボンドを襲うのだが、

同じようなシチュエーションの『ロシアより愛をこめて』の迫力には程遠い。

 

州警察をも巻き込んでのモーターボートのカーチェイスのシーンが、

一応迫力があって盛り上がるのだけど、

後のボンドシリーズの定番になるアクションシーンの合間のユーモアシーンの挟み方もぎこちない。

 

ワニがうじゃうじゃいる池の真ん中に取り残され、

ワニの背中をぴょんぴょん踏みながら飛び越えていくシーンはシリーズに残る珍場面じゃないかと思います。

 

でも、ロジャー・ムーアのジェームス・ボンドはショーン・コネリーにはないソフトな雰囲気で魅力大。

絶体絶命の場面をスマートに切り抜けるのは彼の最大の魅力ですね。

 

シリーズの中での出来栄えは上位にはおけませんが、

007なので退屈することはないと思います。