再見『歌え!ロレッタ愛のために』(1980)~主人公の夫ドゥーの視点から | あの時の映画日記~黄昏映画館

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Amazon primeにあったので、また観てみた。

観るたびに印象が変わっていくドラマ。

 

炭鉱村出身の少女ロレッタがカントリーの女王として成り上がっていく物語。

この手の作品によくある主人公のドラック依存がないのがホッとできる。

 

今回は主人公の夫ドゥーに焦点を当てて鑑賞してみた。

14歳の少女ロレッタを嫁にして、

子供たちに子守唄を聴かせているロレッタに歌の才能を見出し、

彼女のマネージャーとして彼女を売り出す。

 

最初は本当にハンドメイドで音楽制作。

愛する妻の歌声を世間に広めるために一生懸命。

結婚指輪も買えないのに結婚記念日には中古のギターをプレゼントしたりする。

あがり症で人前で歌えない彼女を酒場に連れ出し歌わせて自信をつけさせる。

 

録音も自分たちでして、

セルフプロデュースでレコードまで作り、

いろんなラジオ局にそれを送り付ける。

 

ロレッタを車に乗せ、

ラジオ局凸巡り。

彼の生き方はとても強引だ。

 

でも曲が売れてくると、

だんだんその曲は自分の物ではなくなり、

大衆の物へとなっていく。

そこら辺の寂しさが良く描けてたなあと思う。

 

大物歌手と一緒にツアーをやることになるが、

そこで彼は自分がマネージャーに向いていないことを悟り、

ショービジネス界から身を引くことになる。

 

工場勤務などをしながら、

主夫として4人の子供の面倒をみたり、

精神的に不安定になったロレッタの心のケアをしたり。

振る舞いは乱暴で言葉も悪く、

酒に溺れたりもするんだけど、

献身的にロレッタを支える。

とってもいい旦那さん。

 

車で山道を猛スピードで走ったり、

ロレッタを驚かそうと勝手に山の中に新築用地を購入していたり、

一人でも多くの人間にロレッタの歌声を聴いてほしくて酒場で流れているラジオの音量を無理やり大きくしたりと、

まるで子供のようなところがあるのがいいね。

新婚時に買えなかった結婚指輪をロレッタに渡すシーンなんかはグッとくる。

 

妻の成功を決して妬んだりしないのもいいね。

自分は置いていかれて寂しい気持ちになりそうなんだけど、

強い男なんだよね。

だからロレッタが心から愛することができるんだ。

 

1万人の観衆を前にしてついに歌えなくなってしまったロレッタが本当に頼るのが彼。

彼は舞台に上がり崩れ落ちた彼女を優しく抱きかかえてステージを去る。

このシーンも無言だからとってもいいね。

 

ラストでは牧場主になっているんだけど、

最後に彼らしい仕事が見つかって良かったよ。

 

演じているのは、

若々しいトミー・リー・ジョーンズね。

いい味だしてました。

 

歌え!ロレッタ愛のために Coal Miner's Daughter(1980)

マイケル・アプテット監督作品

125分