#80年代青春シネマを語ろう~フェーム(1980) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

ジェーン・ドゥさんの企画、

『80年代青春シネマを語ろう』にもう一度参加します。

自分のオキニの作品を期間内なら何本でも投稿していいということなので、

図々しいかもしれないと思いつつまた投稿しようと思います。

語りたい作品が多すぎて^^

 

今回ご紹介したいのは、

アラン・パーカー監督の青春映画の傑作、

フェーム』(1980)です。

ニューヨークに現実にある芸能学校がモデル。

そこに、

境遇や環境も様々な男女たちが入学してくる。

入試に合格し証書を受け取るシーンから爽やかなオープニング。

 

ステージママの気の弱い娘、

金銭的に困窮している若者、

自分の息子はエルトン・ジョン2世だと信じている父親に育てられた息子。

性的マイノリティに悩む青年。

シェークスピア役者を目指す若者などなど、

希望をもって多くの若者が入学してくる。

 

この作品、

前半が特によくて、

入学してきて声楽、楽器、演技、舞踊など様々な授業の場面が繰り広げられるのですが、

その場面がとてもいい。

イキイキとしていてとってもいいのよ。

 

気の弱い女生徒が昼食を取りに食堂に入るのだが、

誰かがドラムのスティックでリズムを取り始め、

そこにかぶせてピアノ、ボーカル、その他楽器が重なっていく、

「Hotlunch Jam」のシーンは圧巻。

食堂のおじさんやおばさんまでノリノリで踊りまくるんだ。

女生徒はそのノリについていくことができず、

食堂を出るが、

そこには同じような気持ちでいた男子生徒が佇んでいた。

何回観ても興奮シーン

 

ある生徒の父親は、

息子の作った曲のデモテープを勝手に持ち出して、

自分のタクシーで学校の前に乗り付けて、

大音量で流し始める。

生徒たちは路上に繰り出し交通を封鎖して踊り狂う。

このシーンも鳥肌もの。

このシーンに、アイリーン・キャラが歌う主題歌『フェーム』が流れる。

Baby, look at me
and tell me what you see
You ain’t seen
the best of me yet
Give me time,
I’ll make you forget the rest
I’ve got more in me,
and you can set it free
I can catch the moon
in my hand
Don’t you know who I am?
Remember my name

(Fame)
I’m gonna live forever
Baby, remember my…
(Remember, remember,
remember, remember)
….

 

私の才能を覚えておきなさい。

私は頂点に登る。

私には才能がある。

私を覚えておきなさい・・・

 

と、彼女は自信満々で歌っている。

感情の爆発!

 

歌の才能があふれる彼女ですが、

社会的経験が未熟なため、

騙されてポルノビデオに出演してしまったりする。

 

少し素行不良なところのある黒人の男子生徒が、

若くて美しい女教師と対立。

彼にとっては淡い初恋のようなときめきがあったのだが、

微妙な人種問題がその気持ちを叩き壊す。

 

性的マイノリティの青年が恋愛に悩む。

ここは人を愛することとはどういうことかと考えられるシーンだ。

 

食堂で気弱なところを見せていた少女は、

学年が進んでくると段々根性がついてきて、

『ロッキー・ホラー・ショー』が上映されている映画館で興奮してきて、

友人らとともに下着姿になってステージで踊るまでになる。

 

こうして順調に成長していく生徒たち。

そして圧巻なのが『卒業式』のシーン。

 

「I Sing The Body Electric」という曲が卒業式の曲になっているのですが、

そこに生徒たちの4年間の集大成が詰め込まれる。

独唱から始まり管弦楽になりロックになりゴスペルになり電子音楽になり、

それらが混然一体となる音楽。

そしをバレエをはじめとしたさまざまなダンスが色をつける。

このシーンを見ていない人は人生8割損している。

伝説の卒業式

 

希望をもって、自分の才能を信じて

何百人と入学してくる学校なのだが、

本当にスターになるのはほんの一握りという残酷な現実が底辺に流れている。

でも、その賭けたものに対する生徒たちの情熱の叫びがこのラストシーンに凝縮される。

 

劇場の椅子から動けず、

ずっと終わらないでと思った作品でした。

 

言いたいことがまだまだたくさんある名作です。

絶対おススメ!

 

#80年代青春シネマを語ろう