タイムトラベル物は荒唐無稽なテーマなだけに、
そのほとんどが、リアリティに欠け失敗作に終わるものです。
そこに日常生活を取り入れると、
それこそ作り物感が漂ってしまい、
ましてや登場人物に感情移入などできるわけありませんでした。
ですが舞台を想像もできない未来とか過去に設定すれば、
その背景のほとんどが想像であるために、
まれに成功する作品もあります。
(猿の惑星1968など)
それを、
たかが30年程度の未来や過去でリアリティのあるタイムトラベル物を作ってしまったのですから、
この、
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の脚本は神懸っていると言えます。
この二人のコンビはビートルズの追っかけを描いた、
『抱きしめたい』(1978)で過去の出来事をいかにディテールを崩さずに描くかということに挑戦し成功しているだけに、
偶然ではなく実力!
「ロナルド・レーガンが大統領だと!じゃあ、副大統領はジェリー・ルイスか!」
これが一番笑ったセリフ^^
タイトルのセリフは、
主人公マーティーが通う学校の先生から、
「マクフライ家は代々出来損ないだ」みたいなことを言われて、主人公のマーティーが言い返した一言です。
マーティーはその行動力と強い正義感から、
過去から未来まですべてを変えてしまったのです。
この映画から学ぶこと。
それは、
この映画のように人は過去を変えることはできないが、
今を変えることによって、
未来を変えることができる・・・
ということ。
単純だが真理だと思います。
オープニングからエンジン全開で突っ走る本作ですが、
そのエンターテイメントの中に深いメッセージが隠されているのがニクイです。