女はそれを我慢できない | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

女はそれを我慢できない』 原題:The Girl Can't Help It

1956年(米) フランク・タシュリン監督作品

 

これは実に楽しいロックン・ロールムーヴィーです。

エピソードの間に入る音楽が最高!

ストーリィ―ももちろん楽しいです。

 

敏腕だが今は落ち目の音楽プロデューサーのミラーに、

元裏カジノの帝王だったギャングマーティーからあることを条件に仕事の依頼を受ける。

 

それは、

自分の恋人を6週間でスター歌手にすること。

そして彼女には絶対手を出さないこと・・・だった。

 

しかし、

不覚にもミラーと彼女は惹かれあってしまい、

マーティーから命を狙われることに。

 

と、

様々な困難がありつつも、

彼女を歌手にしようとミラーは彼女の音感をテストしてみると、

なんと、彼女は音痴であることが発覚し・・・

 

オープニングから、

スタンダードサイズの画面が、

シネスコの画面に、

そしてモノクロの画面がカラーになるところから洒落ていますが、

魅力的な彼女が街を歩くと氷が溶けたり、

牛乳が沸騰したり、

眼鏡が割れたりする演出が楽しい。

 

ミラーのもと彼女(ジュリー・ロンドン)の音楽が、

酒場から流れてくるときの様子は『カサブランカ』(1942)のパロディのよう。

 

効果音かと思われるようなサイレンの音(本編をご覧ください)も、

とても楽しくて効果的です。

 

当時のロック音楽界のスターたちが、

本編で演奏を聴かせてくれるのもいい気分だし、

ギャングの親分が意外な音楽の才能を発揮するところ、

新聞売りの子役の扱いなど、

これぞアメリカ映画って感じです。

 

ウディ・アレンの『ブロードウェイのダニーローズ』(1984)なんかは、

この作品の影響を受けているんではないかと思った。

 

オープニングからリンクしたエンディングの持って行き方も絶妙で、

思わずニコニコしてしまいます。

 

ほんとに楽しい99分です。

おススメです!