ビルマの竪琴 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

 

ビルマの竪琴

1956年(日) 市川崑監督作品

 

現在流通しているのは116分の作品ですが、

本来、この物語は、

61分の第一部と83分の第二部がオリジナルらしいです。

116分版は『総集編』とのこと。

 

本編を観ながら、

なにかちぐはぐだなと感じたのは、

そういうことが原因だったのだろう。

 

あるきっかけで、

小隊を離れた日本軍兵士水島。

 

水島は、

戦地ビルマで無残にも放置されている多数の日本兵の屍を目にして、葬り慰めるために、出家して僧侶となる。

 

苦楽を共にした仲間の兵隊たちを忘れられることのできない水島。

 

しかし、

仲間たちの必死の帰国の呼びかけにも応じることなく、

ビルマの山中に消えていく。

 

とても静かなタッチで物語は進んでいき、

音楽の使い方もうまい。

特に、

クライマックスで仲間の前に姿を見せた水島が竪琴で奏でる『仰げば尊し』は、物語の一番のアクセントとなる。

感動しました。

 

おそらく市川監督は、

本編の出来栄え(総集編)に不満だったのだろう。

1985年に中井貴一主演でセルフリメイクしている。

こちらの方の出来栄えは、

当時の記憶では批評家の受けはあまり良くなかったようだ。

モノクロじゃなくカラーだったのもマイナスになったようです。

 

片言の大阪弁をしゃべる現地のおばあさん役の、

北林谷栄が抜群の存在感。