オリバー | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

オリバー』 原題:Oliver! 

1968年(英) キャロル・リード監督作品

 

『第三の男』(1949)で有名なキャロル・リード監督がまさかのミュージカルを演出し、しかもアカデミー作品賞・監督賞を含む6部門で受賞してしまった作品。

 

そして、

僕ら世代で懐かしく感じるのが、

小さな恋のメロディ』(1971)で主演を演じたマーク・レスターとジャック・ワイルドが主演していること。

マーク・レスターは還暦前だし、ジャック・ワイルドはすでに他界しているだけになんとも感慨深い作品です。

 

ひどく貧乏で待遇の悪い孤児院を追い出されロンドンに流れ着いたオリバー(マーク・レスター)がドジャー(ジャック・ワイルド)と知り合い、大勢の子供たちと暮らしだすが、子供たちは怪しげな老人フェイギンに養われているスリの集団だった・・・

 

古いロンドンの街を再現したセットの中で、

縦横無尽に繰り広げられる集団ダンスが圧巻。

『Consider Yourself』や『I'd Do Anything』、

『Oom-pah pah』など思わず口ずさみたくなる歌曲も満載。

 

主演のマーク・レスターがあまりダンスができないのが少し寂しいが、

その分、ジャック・ワイルドの見せ場が際立っている。(ジャック・ワイルドは本作でアカデミー助演男優賞ノミネート)

 

貧しい少年がふとしたことで大富豪と出会い幸せに暮らしました、メデタシメデタシという展開はファンタジー満載のミュージカルだからこそ許される夢物語だと思う。『アニー』(1982)なんかもこの部類ね。

 

最近は理屈っぽくこねくり回した物語が多いミュージカルですが、

ここまで単純だとかえって新鮮に感じます。

 

ジャック・ワイルドは53歳で亡くなりました。

余りにも若すぎますね。

『小さな恋のメロディ』のガキ大将役と本作の小さなスリ師役。

いずれも個性的で忘れられません・・・